就活での研究概要の書き方と意識すべきポイント

就活では研究概要の提出を求められることがあります。はじめて作成する学生は、わからないことも多いでしょう。ここでは企業は研究概要のどんなところを見ているのか、研究概要のまとめ方、作成で意識すべきポイントなどについて解説しますのでぜひ参考にしてください。

【SEO記事】研究成果を就活でアピールするためには?
目次

研究概要とは

研究内容をまとめたもの

研究概要とは、研究内容をわかりやすくまとめたものです。とくに理系学部の学生、研究室に所属している学生が提出を求められることが多いです。

文字数の制限がある場合は必ず守りましょう。長ければいいというものではなく、指示された範囲内でわかりやすくまとめる力も見られています。

形式はさまざま

文章だけで作成するパターン、パワーポイントで作成するパターン、白紙に自由に書くパターンなど、形式は企業により異なります。企業の指示に従って作成しましょう。

パワーポイントの場合は、図表やグラフを使って見やすくする工夫も大切です。文字だけの場合でも、太字や色を使うなどして、視覚的にも見やすくなるよう配慮してみてください。

研究概要に書くこと

研究概要には次のような項目を書くのが一般的です。

・研究テーマ
・内容の簡単なまとめ
・研究の背景
・研究内容
・研究中の工夫や試行錯誤
・研究の成果
・研究で学んだこと

文章はわかりやすく簡潔にまとめることを意識します。

研究概要で企業が見ているポイント

研究概要では次の4つのポイントに注目している採用担当者が多いです。

取り組んできた内容
研究に対する姿勢
論理的思考力
説明能力

取り組んできた内容

学生が学んできたことや取り組んできたテーマについて、詳しく知りたいという目的があります。どんな知識があるのか、どんな分野に強みがあるのかなどを知り採用の判断材料にするためです。

企業の事業内容についてリサーチし、少しでも関連がありそうな書き方をしたり、関連がない場合は他の分野にも応用できそうだと示せるといいでしょう。

研究に対する姿勢

面接官や採用担当者は、研究内容だけでなく、学生がどのように研究に取り組んできたかも知りたいと思っています。

「研究のために努力したこと」「研究で工夫したこと」からは、あなたが困った時にどんな行動をするのかわかります。前向きに取り組んできたこと、真剣に研究と向き合ってきたことが伝わる書き方ができるといいでしょう。

論理的思考力

論理的思考力があることを評価する職場は多いです。特に理系学生を積極的に採用する研究開発職では、論理的思考力があると仕事で役立つ場面が多いです。

研究概要では、物事を体系的に捉え明確な筋道を示せるように説明できると、論理的思考力があることを示せるでしょう。

説明能力

採用担当者は難しい研究成果を分かりやすく説明してくれる学生を求めています。社会人になると、プレゼンはもちろん日々の業務でも同僚や上司に自分の考えをわかりやすく伝えることが大切だからです。

大学の研究は専門性が高く、理解するのが難しいテーマもあります。研究内容や成果を相手に分かりやすく伝えることができる能力があるかどうかも見られていることを意識して、研究概要を作成しましょう。

研究内容の説明で意識すべきポイント

分かりやすさを重視する

上述したように、研究成果の説明は分かりやすさが大切です。採用担当者も専門家ではないので、教授や研究室の仲間と話すのと同様に話すことは控えましょう。

ポイントとしては、極力専門用語を減らして一般的な言葉で説明することです。専門用語を使う際には簡単な説明を補足すると分かりやすいです。

【例】
×:私は暗号理論を研究しており、AES暗号を改良し格子理論を組み合わせた新方式の安全性証明をゲーム方式で示しました。
○:私は情報セキュリティについて研究しています。広く使われているAES暗号というものを改良し、その方式の安全性を証明しました。

結論から書く

研究の成果を相手に知ってもらうためには結論から伝えることが重要です。1つの研究を説明するとなると、背景から結論までかなりの文量になってしまうので途中で読み手が迷子になってしまいます。

先にゴール(結論)を示しておくことで説明が頭に入りやすくなってきます。まずは簡単に自分の成果を示しましょう。

【例】
私はAIを用いた物流の最短経路算出アルゴリズムを考案し、運送コストを30%削減できる方式を開発しました。研究を始めたきっかけとして○○があります。このような問題を解決するために■■の手法を組み合わせました。結果として運送コストを30%削減することができました。

面接でも同様です。まずは自分の研究の内容と成果を一言で説明してから研究内容を話していくとよいでしょう。

定量的に表現する

論理的な説明をするために、主張の根拠を明確にする必要があります。そのためには定量的に(=数値を用いて)説明するのが有効です。数値は誰の目から見ても客観的に評価できるためです。

【例】
×:本研究の成果として、従来の通信方式より大幅にオーバーヘッドを削減することができました。
○:本研究の成果として、従来の通信方式よりオーバーヘッドを40%削減することができました。

数値を入れ込むことで具体的にどれくらいの成果があげられたのかが分かりやすくなります。

図やグラフを使う

研究成果をアピールする時にはグラフや図を用いて説明しましょう。採用担当者は一日に何百もの応募書類に目を通すこととなります。研究成果がひと目で分かるような図やグラフがあれば目に留まるだけではなく、研究成果を理解してくれやすくなります。

定量的に成果を示すことができていれば、図やグラフとの相性は抜群です。研究成果の説明では文章が長くなりがちなので、読む方は飽きてしまいます。背景、課題、研究内容、研究成果でそれぞれひとつずつくらいは図やグラフを差し込むとよいでしょう。

研究内容を説明する際の注意点

就活で研究成果のアピールの仕方を間違えると、マイナスの印象になってしまうことがあります。次のポイントを意識することを忘れないでください。

読む人の気持ちになっているか?

研究成果をアピールする時は、アピールを読む(聞く)人の視点になってみることです。「専門用語が多すぎないか」「わかりにくい部分はないか」など、客観的な視点で見返してみましょう。

初めて読んだ(聞いた)人でもわかる内容でないと、「説明能力が低い」「わかりやすく説明することができない」とみなされる可能性があります。家族や友人など、自分の研究について専門知識のない人に内容をチェックしてもらい、わかりにくいところがないか確認してもらうといいでしょう。

研究成果が仕事と関連づいているか?

研究結果や研究の成果をアピールするのもいいですが、最後に必ず「研究で学んだことを仕事にどういかすのか」ということも伝えましょう。

志望企業の事業内容と研究分野が一致していればアピールしやすいですが、一致していなくても構いません。その場合は「研究の知識や経験をいかしてこんな仕事がしてみたい」という新たなチャレンジや目標に言及するのもいいでしょう。

最後に

研究概要は、わかりやすく簡潔にまとめることを意識して作成することが大切です。研究で得た知識や経験が、志望する企業での仕事でどのようにいかせるかまで書ければ、研究概要も効果的な自己PRとなるでしょう。

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