インフラ業界の就職活動〜鉄道・電力・道路・水道〜

インフラ業界と言えば、どのような業界を連想するでしょうか?生活に必要なライフラインと定義すれば、その範囲は広大なものとなります。鉄道・電力・道路・水道と多岐に渡るこの業界も中々その実態が分からず業界研究に苦慮する就活生が多いのも事実です。今回はそんなインフラ業界の就活対策として各業界の特徴を徹底解説します。

インフラ
目次

インフラ業界とは

人々の生活を支えるインフラ業界

電力やガス、鉄道、道路などの社会の基盤になるようなサービスを提供しているのがインフラ業界になります。

近年はインターネットが普及し、通信網のインフラの重要性も高まっています。国内の情報通信基盤を世界最高水準にしようという動きもあり、電気通信事業法が改正されて一部規制が緩和されました。

自由化により業界に変化も

今までは電力やガスを扱う企業はそれぞれの地域で決まっていたため、どの企業から電気やガスを購入するのか決められませんでした。

しかし近年、電力やガスの自由化が行われたことによって、どの地域に住んでいる人でも好きな企業と契約できるようになりました。今までは大企業が多かったインフラ業界ですが、今後はベンチャー企業が増えていくことも考えられます。

インフラ業界は安定しているため就活生に人気

インフラ業界は大規模な事業が多いため、大企業が市場を独占していたり、競争が激しくないという特徴があります。

インフラ業界には大企業が多く、景気変動の影響も受けにくいため他の業界に比べて安定していると言われています。そのため福利厚生が充実しており、高収入も期待できます。

安定していて高収入ということで、就活生にも人気が高い業界です。大手企業や有名企業はかなり倍率が高くなることを覚悟しておく必要があります。

エネルギー業界

電力・ガス・石油からなるこの業界は燃料の調達から発電・ガスの供給に至るまでを担う、まさにライフラインを担っている業界と言えるでしょう。

電力業界

燃料を海外や国内から調達し発電所で発電して国内の送電網を通じて家庭に電力を届けている会社となります。

電力自由化までは各地域に電力会社があり、地域独占が認められていましたが、自由化によってベンチャー企業も電力事業に参入し競争が激化している業界とも言えるでしょう。地域住民に選ばれる電力会社にならないと経営が危うくなるような時代が来たというわけです。

新興の電力会社は新電力会社と言われ、ベンチャー企業がほとんどを占めています。この業界のイメージとしては地域を統括する東京電力と言えば安定かつ長期的にも収入が見込める業態として認識されていましたが、ベンチャー企業も参入してきたことによって弱肉強食の世界となりつつあります。

主な電力会社:東京電力、関西電力、中部電力、九州電力、東北電力、北海道電力、北陸電力、中国電力、四国電力、沖縄電力

主な新電力会社:Looop、リミックスポイント、ソーラーフロンティア、自然電力

ガス業界

ガス会社についても電力業界と同様なことが言えます。全面自由化前までは各地域で地域を独占していたガス会社が存在していましたが、自由化によって弱肉強食の競争時代が到来したと言えるでしょう。

今まで地域を独占していたので、安定と言われてきましたが、自由化によって特色あるサービスを出さねばこれまで独占してきた地域を一気に失いかねないので各社共に生き残るために心血を注いでいるようです。

主なガス会社:東京ガス、大阪ガス、静岡ガス、サイサン、東邦ガス、西部ガス

石油業界

エネルギー業界の中でも上流に位置し、電力やガスの発生のためにエネルギーを供給する役割を持つのがこの業界です。

世界各国から油田を見つけてその油田と取引契約を結んで資源の少ない日本へエネルギーを供給するというダイナミックな仕事に従事することができるでしょう。但し石油価格の乱高下に最も影響を受けやすい業界でもあるので、注意が必要です。

主な企業:INPEX、出光、昭和シェル石油、JXTGホールディングス

鉄道業界

鉄道業界は元国鉄系を筆頭に各地の鉄道網を支えるライフラインとなっています。地域独占状態となっており、その参入障壁は高いです。

旧国鉄系のJRは日本の鉄道網の海外輸出といったダイナミックな事業にも展開しつつあり、また各地のローカル路線は多角化経営や地方創生事業にも進出しそれぞれの特色を出した経営をしつつあります。

主な企業:JR東海、JR西日本、JR東日本、JR九州、JR北海道、JR四国、JR貨物、小田急鉄道、東武鉄道、西武鉄道、京成鉄道、京王鉄道、東京メトロ、遠鉄、近鉄、相模鉄道、京浜急行電鉄、名鉄、西鉄、阪急鉄道

道路業界

道路業界では高速道路がメインとなります。地場の道路は各地の都道府県が整備を担い、各地の土木系企業が整備を受託しているからです。

高速道路は元日本道路公団系の企業から構成されています。この業界も既に高速道路が整備されている状況なので、圧倒的な参入障壁が存在します。各地域に分けられた高速道路を管理・維持する企業が分散して存在している状態です。

主な企業:NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本、首都高速道路、阪神高速道路

水道業界

水道業界では日本全土に張り巡らされた水道の維持管理がメインとなります。水道業界も民営化が進んできており、全国に張り巡らされた水道網の維持・整備が国内では課題となっています。

この背景としては、自治体の財政難があり、これ以上公共インフラに税金を投入できないので、民間企業に委託してしまおうというわけです。

加えて、日本の圧倒的高品質を誇る水道維持管理システムも各国から注目されているので、その技術の輸出も加速されていくと考えられます。企業も運営・管理から技術面を担う企業まで多岐に渡ります。

水道の運営、管理を担う主な企業:メタウォーター、東京水道サービス、水ing
水道を整備するプラント建設を行う企業:三菱重工、粟田工業
水道を浄化する膜を作る企業:東レ、旭化成、日東電工、三菱レイヨン

インフラ業界の就職と就活について

ここまで、インフラ業界の特徴について述べてきましたが、ここでは共通した就活の傾向を紹介します。

インフラ業界の仕事の魅力とやりがい

インフラ業界の仕事の魅力は、「多くの人の役に立つ仕事ができる」ということでしょう。水道や電気、鉄道、道路などは人々の生活に欠かせないものです。

たくさんの人の生活に影響を与える仕事をしているという感覚は、大きなやりがいにつながります。それだけ責任の伴う仕事であるというプレッシャーがあることも忘れないようにしましょう。

文系でもインフラ業界へ就職できる?

インフラ業界は理系のイメージが強いかもしれません。研究・開発、設計などの仕事が多いので、こうした開発や設計では理系出身者の知識が求められます。

しかしインフラ業界には文系出身の人が活躍している仕事もたくさんあります。実際に品質管理や営業、販売・接客などの職種には、文系出身の人が多いです。

少人数・精鋭採用のインフラ業界の就職は難易度が高め

インフラ業界においては、大量採用はほぼなく、少人数での採用となってしまいます。多くても数十人しか採用しない企業がほとんどで、この少ない枠に数千人の候補者が殺到するわけです。

この少ない枠を勝ち残った候補者が選抜されて将来の幹部候補となっていくので、この激戦を勝ち抜く意義は大きいと言えます。採用される人の傾向としてはインフラ業界に行くことで何を成し遂げたいかがはっきりしている人です。単に安定や収入を求めている人は通らないでしょう。

リクルーター面接とインターン

また、インフラ業界ではリクルーター面接を実施する企業が多く、かつ選考フローも不透明であることが多く、自分が今どんな状況なのかも分かりにくいです。

加えて、インターンによって学生を囲い込む企業もあるようで、インターンでの実績が評価されて内定に至るケースもあるのでただの就労体験と軽んじない方が良いでしょう。

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インフラ業界、志望動機例

インフラ業界を目指す上での志望動機例を紹介します。

私は大学在学中にバックパッカーとして先進国から発展途上国まで様々な国を訪れました。

壮大な自然に囲まれた生活や歴史的建造物を見学するなどの経験をすることができ、どれも素晴らしい体験でした。そのなかでも特に印象に残っているのは、東南アジアを訪れたときの経験です。

東南アジアは現在、開発が進んでいる地域ではありますが先進国と比べればまだまだ不十分だと感じました。東南アジアで生活されている方から話を聞くと、日本とは異なり電気やガス、水道がよく止まるということでした。

私自身、滞在中に電気が使えなくなり不便な思いをしました。この経験から電気というインフラ整備ができていないと、あたりまえの生活が失われてしまうように思い、自分自身あたりまえの生活を守るためにもエネルギー供給に携わっていきたいと考えるようになりました。

他の業界を志望するときにも言えることですが、志望動機を書くときには自分自身のエピソードと結びつけることを意識するようにしましょう。

インフラ業界の就活を実現するために

ここまで、インフラ業界の特徴を紹介してきましたが、重要なのは多岐に渡る業界の特徴をどうやってとらえて、どのようにして自分の求めるキャリアと合わせるかによります。

従って、インフラ業界の漫然としたイメージに捉われることなく、自分の思いと分析によって自分自身とインフラ業界でのキャリアがどう合っているのかを明確にしたうえで就活に臨むとよいでしょう。


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