「もっと研究したい分野がある」「まだ就職したくない」などさまざまな理由で大学院への進学を検討している学生は多いはず。しかし大学院への進学を検討している学生の方は、就職への悪影響が気になっているのではないでしょうか?
特定の学問や分野を極めたいなど心が決まっていれば迷いは少ないかもしれませんが、就職先に迷っていたり、「もう少し学生期間でいたい」「就職を先延ばしにしたい!」なんて考えていたりする場合などは迷いも大きいはず。
そこで今回は大学院進学のメリット・デメリットや院進学が就職にどう影響するのか、院進学をしても就職で不利にならないためにはどうすればいいのか、などについて解説します。
- ・大学院に行くことで得られるメリット
- ├研究分野への知識が深まり就職後に役に立つ場合も
- ├学部卒よりも初任給が高いことが多い
- └学校推薦枠で就職できる可能性がある
- ・就活における大学院進学のデメリット
- ├就活と研究の両立が大変
- ├高い専門性が求められる
- └就職先と無関係な院に行く場合はお金と時間がかかってしまうだけのことも
- ・院に行くべき場合、そうでない場合の違いは?
- ├希望する就職先と進みたい院の研究内容が合致しているなら院に進むのが◎
- └就職から逃げるための「モラトリアム期間」としての院進学はNG
- ・院進学が就活で不利にならないようにするには?
- ├院進学の目的をはっきりさせる
- ├「大学院に進学した理由」を明確にしておく
- ├なるべく早くスタートする
- └インターンなどで社会経験を積んでおく
- ・最後に
大学院に行くことで得られるメリット
まずは、大学院に行くことで得られるメリットついて考えてみましょう。
研究分野への知識が深まり就職後に役に立つ場合も
就職を希望している企業や業界の分野の大学院に行く場合は、大学院で学び専門性を高めることで就職で有利になったり、就職後にも役立ったりする場合があります。
「自分はこの業界でこの分野に携わりたい」としっかりと定めたうえで、その分野の学問を極めるために大学院に進学するのであれば、メリットしかないと考えられるでしょう。
学部卒よりも初任給が高いことが多い
大学院卒の学生は、学部卒の学生よりも初任給が高く設定されていることが多くあります。その企業の分野とは異なる学問を大学院で学んでいたとしても、基本的には関係ありません。
「大学院卒かどうか」で初任給が変わってきますので、その分同じスタートで同じ業務をしている同期と給与面で少しだけ差をつけることができるのはメリットと言えるかもしれません。
学校推薦枠で就職できる可能性がある
大学院生の就活には、自由応募に加えて「推薦枠での応募」という選択肢もあります。推薦枠で応募すると一般の応募よりも内定率は高くなりますが、辞退がしにくいというデメリットも。
推薦枠で受けられる企業は、所属している研究室の研究分野と関連のある企業がほとんどとなるので、業界はかなり限定されてしまいます。
就活における大学院進学のデメリット
大学院に進学することで就活に影響するデメリットがあることを知っておくことも大切です。
就活と研究の両立が大変
大学院に進学すると、理系の場合はとくに研究に多くの時間を費やすことになります。バイトなどしている人は、自由時間がかなり減ってしまうことを覚悟しておきましょう。
就活は自己分析や業界・企業研究、会社訪問、OB・OG訪問など、やるべきことが多いです。研究と就活を両立できるよう、スケジュール管理や時間のやりくりを工夫する必要があります。
高い専門性が求められる
大学院に進学した学生は、学部卒の学生よりも高い給料がもらえる分、高い専門性を要求されるということも理解しておきましょう。
大学院で専門の研究をしてきたということで、開発・研究職など技術者の場合はとくに、専門知識があるのはもちろん、仕事で高い結果を出すことも求められます。
就職先と無関係な院に行く場合はお金と時間がかかってしまうだけのことも
就職先が大学院進学に対し給与待遇を変えているわけではなかったり、専門性を求めていなかったりする場合は、大学院で学んだことを就職後に活かすことができず、大学院に進学した分のお金と時間が無駄になってしまうこともあります。
大学院に進学する時点でどの企業を受けるか、どの業界に進みたいか決めていないことも多いとは思いますが、大学院進学は「なんとなく」なのか、自分にとってはお金と時間を費やしてでも必要なことなのかはしっかりと見極めておく必要があります。
院に行くべき場合、そうでない場合の違いは?
それでは、大学院に行くべきかどうでないかはどのように見極めるのが良いのでしょうか?自分の状況や希望・意思に合わせて考えてみましょう。
希望する就職先と進みたい院の研究内容が合致しているなら院に進むのが◎
もしもすでに就職を希望する業界や企業、分野などを決めている場合で、大学院で研究する内容がその就職を希望する先と合致しているのであれば、大学院に進むことで得られるメリットが大きいので進学するのが良いでしょう。
もしそうでない場合であっても、自分の興味や関心として「この分野を極めておきたい」「この研究は学生生活の締めくくりとして行っておきたい」と考えているのであればもちろん大学院進学はアリです。
就職から逃げるための「モラトリアム期間」としての院進学はNG
では大学院進学をしない方がいいのはどのような場合でしょうか?「この分野を極めておきたい」という強い興味・関心があるわけでもなく、なんとなく「就職を先延ばししたい」という気持ちから院進学をする学生もいます。
「もっと学生として遊んでいたい」という、モラトリアム期間を求めての大学院進学は避けた方がいいでしょう。時間とお金を無駄にしてしまうだけでなく、同級生よりも社会人経験が減ってしまうことは人生全体では大きな損失です。
院進学が就活で不利にならないようにするには?
きちんと対策をしておけば院進学が就活で不利になることはありません。ここではそのためにできることをご紹介します。
院進学の目的をはっきりさせる
大学院に進学するかどうか迷っている場合は目的をはっきりとさせることが大切です。
もしも自分がどうしたいのかわからない、就職と進学で迷ってしまうようであれば、一度就活してみるのもありかもしれません。就活の途中で、「やっぱり大学院で極めたい」と思えば戻ることも可能です。
「大学院に進学した理由」を明確にしておく
大学院に進学した場合、就職活動中に「なぜ大学院に進学したのですか」と聞かれることが多くあります。そのときに「なんとなく……」と回答しては印象が良くありません。
明確に、なぜ自分は敢えて時間とお金をかけてまで進学したのかを堂々と答えることができるようにしておくことは必要です。
なるべく早くスタートする
大学院に進学すると研究が忙しく、就活にかけられる時間も限られてしまいます。そのため、就活はなるべく早く開始するようにしましょう。
自己分析や業界・企業研究は、時期に関係なくいつからでも始められます。自己分析や企業研究は時間をかけてじっくりと行うほどいい結果につながるので、できるだけ早く取り掛かるようにします。
インターンなどで社会経験を積んでおく
就活を始めようにも、志望する業界や職種がわからないという人も少なくないでしょう。そんな場合は、まず企業のインターンに参加してみるのがおすすめです。実際に企業で仕事を経験することで、自然とやりたいことや得意な作業などが明確になってきます。
インターン経験を通して企業や業界への理解も深まるので、業界研究などに時間をさけない忙しい大学院生でも、効率的に就活を進めることができます。
また、大学院生は「研究ばかりして社会経験が乏しい」「仕事での実践的なスキルやコミュニケーション能力が低い」というイメージを持たれることも少なくありません。インターンで社会経験を積んでおくと、こうしたイメージを払拭することもできます。
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最後に
大学院進学には自分ひとりだけでなく、親やゼミの教授との相談も欠かせません。特に、親が進学のための学費を出してくれる場合などは、その親が納得する理由が必要です。
「なんとなく」では学費を出してもらうことも難しいですし、なにより大学院進学のための試験に合格することは難しいでしょう。
自分だけでなく周囲も説得できるだけの進学理由を明確にしておくことで、より自信を持って大学院に進むことができ、そして研究に没頭できるはずです。
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