希望職種への熱意を伝え続け、晴れて採用されたにも関わらず、新卒社員がランダムに各部署に配属されることから希望した職種とは全く違う職に就いてしまうことがあります。
新卒一括採用が一般的な日本においては珍しくないことですが、当たりはずれがあることから「配属ガチャ」とも呼ばれ、就活生の不安要素ともなっています。
ここでは配属ガチャとはどんなものか、また、配属ガチャを避けるためにできることはあるのか、などについて解説します。
- ・配属ガチャとは?
- ├内定辞退・早期退職に繋がる問題
- └学生の希望をかなえる企業も増えている
- ・配属ガチャを回避するためにできること【企業選び編】
- ├部署別・職種別採用を行っている企業を選ぶ
- ├小規模企業を選ぶ
- └OB訪問などで配属について調査しておく
- ・配属ガチャを回避するためにできること【就活でのアピール編】
- ├希望職種の経験をインターンで積む
- ├希望職種に必要なスキルを身に付ける
- └人事に希望職をしっかりアピールする
- ・「配属ガチャ」にこだわり過ぎないことも大切
- ├理想の仕事がイメージと違う場合もある
- ├どんな仕事からも学べることがある
- └理想の仕事が自分に合っていないことも
- ・最後に
配属ガチャとは?
配属ガチャとは、新卒入社後に配属先がランダムに決められることを、ソーシャルゲームの「ガチャ」に例えた言い方です。
運よく希望部署に配属されたり、よい上司や教育担当に割り当てられればアタリ、希望部署とはまるで違う部署に配属されたり、悪評高い上司や教育担当にあたってしまえばハズレと、ガチャのように入社後の自分の運命が決まってしまうことに対する皮肉もこめられています。
内定辞退・早期退職に繋がる問題
配属ガチャは、「新卒配属ガチャ問題」とも言われ、配属先部署と新卒社員のミスマッチを生むことから問題視されています。
就活にひたむきに取り組んだ結果、内定をもらえたものの、希望とはまるで違う部署だったら学生は失望します。それにより内定を辞退した場合、学生側は就活にかけた時間と労力を、企業側は選考にかけた時間とお金を無駄にすることになり、両社にとって損失が生じます。
希望とは異なる部署に配属されても、将来的な異動に望みをかけて入社する学生もいます。でも、そこで合わない上司や教育担当の社員がいて、耐えきれず早期退職してしまうケースもあります。
早期退職は、本人にとって今後の就職においてマイナス要素になりますし、企業側にとっても採用と育成にかけた手間や費用が無駄になってしまいます。毎年、入社後3年以内に3割ほどの社員が早期退職していると言われており、企業にとっての課題となっています。
学生の希望をかなえる企業も増えている
すぐに希望をかなえたいという学生の意向が強くなっていることから、内定辞退・早期退職などによる人材の流出を防ぐために、学生の希望を汲んで配属先を決める企業も増えてきています。
入社後1~3年の社会人の約7割が、職種や配属が希望通りになったというデータもあります(就職大手情報ディスコの調査より)。
配属ガチャを回避するためにできること【企業選び編】
できることなら配属ガチャに遭わずに済みたい、と思う就活生は多いと思いますが、配属ガチャを避けるためにできることや対策はあるのでしょうか。
部署別・職種別採用を行っている企業を選ぶ
大企業などでは、一括採用を行っている企業が多いため、配属ガチャが避けられないという現状があります。
どうしても希望部署に配属されないと嫌だという方は、そもそも部署別採用を行っている企業を選ぶとよいでしょう。
外資系企業などを中心に部署別採用を行っている企業があるので、募集要項で、部署ごとに採用を行っているのか、一括採用の後に配属が決まるのか、確認しましょう。
小規模企業を選ぶ
小規模企業を選ぶのも得策です。 そもそも部署が少ないので、配属ガチャがあったとしても思いがけない部署に配属される可能性は低いです。
また、社員一人一人に委ねられる裁量が大きくモチベーションが重視されるため、望まない仕事に就くケースは少ないです。
経営者との距離が近く、自分の希望を会社のトップに直接伝えられるというメリットもあります。
OB訪問などで配属について調査しておく
実際にどのように配属されるのか、希望がどの程度通るのかなど、本当のところはその会社の社員しか知り得ません。
希望をまったく考慮しないで配属先を決める企業もあれば、毎年、配属先の希望を調査し、ある程度希望の配属先への異動が見込める企業もあります。
そういった現状を、OB訪問などで現役社員に確認しておきましょう。そうすれば、配属ガチャの結果で落ち込む必要がないかも知れませんし、そもそもこの企業を受けるのは辞めようと決断する判断基準にもなります。
配属ガチャを回避するためにできること【就活でのアピール編】
希望職種の経験をインターンで積む
長期インターンなどで希望職種の経験を積むことは、配属先を希望する上での有効なアピールポイントになり得ます。
実際にその仕事をした上でやりたい気持ちを持ち、そこで結果を残せたなどの成果があれば、適性があることの証明にも繋がります。
希望職種に必要なスキルを身に付ける
例えば、英語が必要な海外事業部に配属されたいのなら、当然英語ができる人のほうが適性があると判断されます。広告系の部署に配属されたいのなら、広告制作の講座で学んだ経験がある人のほうが仕事内容をより具体的に理解できていると思われます。
これがあれば有利になりそう、というスキルや資格、経験などは、早い段階から身に付けておくとよいでしょう。
人事に希望職をしっかりアピールする
正攻法ですが、人事に配属先の希望や、希望職種をしっかり伝えることも大事です。
選考が進むと、人事担当者と直接メールなどでやりとりする機会や、内定者懇親会などで対面できる機会があると思います。それらのチャンスを逃さずに、どうしてもここに配属されたいという強い思いがあることを伝えましょう。
もちろん希望通りになるとは限りませんが、人事担当者の頭の片隅においてもらうだけでも可能性が高まります。
「配属ガチャ」にこだわり過ぎないことも大切
理想の仕事がイメージと違う場合もある
希望の部署に配属されなかったからといって、それほど落ち込むことはありません。学生時代に抱いていたイメージと実際の仕事に、大きなギャップがあることも少なくないのです。
就職して実際に配属されたら思っていたのと違った、という人も多いです。逆につまらなそうだと思っていた部署や仕事が、想像以上に面白かったりやりがいを感じられることもあります。
自分の勝手なイメージだけで、「面白そうな仕事」や「つまらなそうな仕事」などと、早急に判断せずに、どんな仕事にもチャレンジしてみるのがいいでしょう。
どんな仕事からも学べることがある
希望の部署に配属されてやりたかった仕事ができても、つらいことや大変なこともたくさんあるでしょう。
逆に興味のない分野の仕事でも、自分なりに楽しむ工夫をしたり精一杯努力することで、やりがいを見出せることがあります。希望にそぐわない部署や仕事を経験することで、学べることや身につく能力もあります。
大切なのは、どの部署でどんな仕事をするかではなく、自分が意欲を持って仕事をする姿勢があるかどうかです。
どんな部署に配属されても前向きな気持ちで仕事に取り組んで、仕事の楽しさや、やりがいが見つけられるようになりましょう。
理想の仕事が自分に合っていないことも
就活生側のこの部署に配属されたいという思いももちろん大事ですが、必ずしも適性が合致していない場合もあります。
そのミスマッチを防ぐためにも、いろいろな部署に配属させて経験を積んだのち、適性を判断して合う配属先を見つけたい、という企業側の考えを理解する必要もあります。
希望とは異なる部署の仕事が自分に合っていたということもあるはずなので、実際に働く前から、自分にはこれしかない、自分にこれは向いていない、と決めつけることにも実はリスクがあるのです。
長い目で見て適性を判断するという、企業側の考えを理解する姿勢も大切です。
最後に
希望した部署に配属されるのが一番ですが、そうでなかった場合もそこで何か得られるものがあるはずです。今だけの気持ちで焦って判断せず、自分にとってどうすることがよいのか、長期的なスパンで考えてみてから結論を出しましょう。
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