内定取り消しになる理由とは?よくある事例・気をつけるべきこと・対処法を解説

新型コロナの影響による業績悪化で、内定取り消しをする企業のニュースを目にすることが増えました。選考が順調に進んでいたり、内定をもらっても、「内定取り消しになるか も」と心配している学生も少なくないでしょう。

ここでは、内定取り消しになる理由、その後の対処法、取り消しを回避するために気をつけるべきこと、などについてまとめました。

内定取り消し
目次

内定取り消しになる理由と事例【自己責任の場合】

卒業できない

内定取り消しで一番多いのが、この理由によるものです。 卒業に必要な単位の取得ができていなかった、卒業論文が通らなかった、などの理由で卒業要件を満たせなかった場合は、当然ながら卒業ができません。

新卒採用では、大学や専門学校を卒業する前提で内定を出しています。卒業できないとなると必要条件を満たさないため、内定取り消しになります。中には「内定は3年間有効です」という企業もありますが、ほとんどの企業は卒業できなければ内定取り消しだと思っていいでしょう。

経歴詐称していた

選考中に虚偽の申告をしていた場合も、内定取り消しになる可能性が高いです。よくあるケースとしては、 次のようなものがあります。

・大学名や学部名を偽っていた
・過去の犯罪歴を隠していた
・取得していない資格を取得したと伝えていた
・留年したことを隠していた
・年齢を詐称していた
・持病の申告をしていなかった

上記のような場合、犯罪歴以外は「証明書」の提出を入社前に求められることが多いため、そこで嘘をついていたことがばれてしまいます。

例えば、卒業証明書、免許証などの身分証明書、資格を取ったことがわかる資格証明書などは提出を求められることが多いです。当たり前のことですが、最初からありのままに正直に申告することが大切です。

健康上の問題がある

内定者は、選考の時点または入社前に、健康診断の結果提示を求められることも多いです。その結果次第で、内定取り消しにあってしまうこともあります。

検査結果に多少の不安があってもたいていの場合入社できますが、「業務に支障が出そうだ」と判断された場合は、内定取り消しを余儀なくされることがあります。

犯罪歴がある

犯罪歴がある場合や内定後に犯罪を起こしたことが発覚した場合には、内定取り消しになることがあります。内定承諾後は、法に触れるかどうかグレーゾーンのことをしないように今まで以上に気をつけましょう。

SNSへの不用意な投稿

内定をもらって気が緩み、SNSへ不用意な投稿をしてしまう人がいます。それを企業の担当者が見て、内定取り消しとなるケースもあります。

例えばSNSで企業の内部事情や社員の悪口を投稿したり、その企業に関係がなくとも非常識な投稿をしたりするなどです。採用担当者は内定者のSNSを見ている可能性があるので、投稿内容にはくれぐれも気をつけましょう。

内定取り消しになる理由と事例【企業側の責任の場合】

業績が悪化した

「企業の業績が悪化し人材を新たに採用する余裕がなくなった」、という理由で内定取り消しになることがあります。業績悪化でどうしても人件費を圧縮しなければいけなくなった場合、既存の社員をリストラするよりも内定者に入社をやめてもらうことを選択する企業が多いためです。

企業が解雇を回避する努力をしたことが確認でき、人員整理をすることに妥当性があると判断され、正しい手続きを行っている場合は不当解雇とはなりません。

しかし解雇を回避する努力をしていない場合や安易に解雇を選択しているとみなされた場合は、業績が悪化していても「不当な内定取り消し」とみなされるケースが多いです。

もっと採用したい人が現れた

ある学生に内定を出したのちに、もっと採用したい学生が現れた場合も、「内定を辞退してほしい」などと言われることがあります。企業側の非常に勝手な言い分なので、「不当な内定取り消し」になります。

学生の対応に不安がある

内定を出した後のやりとりで、学生の対応や言動に不安があると、企業の担当者は「本当にこの学生を採用して大丈夫だろうか?」と思うことがあります。

「やっぱり採用したくない」「他の学生の方が良さそうだ」などと思われないよう、内定が出た後も気を抜かず、マナーある誠実な対応を心がけましょう。

内定を取り消しされないために

大学の勉強で気を抜かない

せっかく一生懸命就職活動をして得た内定を無駄にしないためにも、内定が出てからも卒業までしっかりと学業に打ち込むことです。必要単位や論文提出など、卒業要件については事前にしっかりと確認しておきましょう。

持病や懸念事項は申告しておく

健康上の問題や過去の犯罪歴などは、選考中に採用担当に伝えるようにしましょう。業務を行うことが可能であれば、持病を理由に内定取り消しとなる可能性は低いです。

しかし「持病を持っていることを隠していた」という詐称になると話が変わってきます。病歴や問題となりそうな過去などはできるだけ隠さず、ありのままの姿を伝えた上で選考に臨むようにしましょう。

企業のリサーチは念入りに

選考を受ける時点で、企業の業績については調べておく必要があります。私は新卒である企業に入社しましたが、業績悪化のために2年で退職しています。入社してもすぐに転職しなければならないような状況をさけるために、仕事内容や福利厚生だけでなく、業績なども調べるようにしましょう。

難しいことですが、入社予定の企業が本当に誠実な企業なのか、しっかり見極めることも必要です。選考やその後の対応で、違和感を覚えたり、疑問に思ったりすることがあれば、周りの人に相談するなど自分で自分の身を守っていきましょう。

内定を取り消しされた時の対処法

大学に相談する

企業から内定取り消しの連絡を受けた場合、まずは大学の就職課やキャリアセンターなどに相談してみるのがいいでしょう。大学側の担当者が企業に直接問い合わせたり、交渉してくれる場合もあります。

内定取り消しの撤回を求めることは可能

不当に内定取り消しを受けてしまった場合、どうにか入社できるように企業と交渉することはできます。どうしても理由に納得できないなら、弁護士に相談して最終的には訴訟を起こすことも可能です。

各都道府県にある労働局に相談するという方法もあります。弁護士に相談すると費用がかかりますが、労働局では採用や解雇についての相談を無料で受け付けています。まずは労働局の相談窓口に問い合わせてみるのがいいかもしれません。

もっといい企業を探す選択肢も

弁護士に相談したり、企業側と交渉をすれば、内定取り消しを撤回してもらうこともできるかもしれません。しかし入社後に気まずい雰囲気になってしまう可能性が高いでしょう。

納得できない理由で内定取り消しをするような企業で、今後ずっと気持ちよく仕事ができるかも疑問が残ります。就職する前に気づけてよかったと思って、もっといい会社を探すのも一つの手です。

内定者の皆さんは選ばれた立場であるとともに、自分自身も働く企業を選ぶ立場であることを忘れないようにしましょう。

最後に

就職活動をがんばって無事に内定をもらったとしても、「内定取り消し」にあってしまっては今までの努力が水の泡となってしまいます。取り消しにならないよう、内定後も気を引き締めて行動しましょう。


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