五大商社とは?各企業の特徴を比較して就活生向けに解説!

「収入が高い」「精鋭が集まっている」「スケールの大きな仕事ができる」などのイメージから、多くの就活生が憧れを抱く総合商社。近年は業績も好調で、ますます注目が集まっているようです。ここでは商社の中でも、特に人気の高い五大商社の特徴を就活生向けに解説します。

五大商社とは?各企業の特徴を比較して就活生向けに解説!
目次

そもそも商社とはどんな企業なのか

商社とは?

商社とはそもそも、海外との貿易、輸出入の仲介を行うトレーディングを行っていました。メーカーのように自社の製品やサービスを持たず、さまざまなビジネスに介在することで収益を上げています。

専門分野を持つ商社は専門商社と呼ばれ、専門分野を持たずにあらゆるビジネスに関わる商社を総合商社と言います。

総合商社の事業内容

事業内容は大きく分けて3つあります。1つ目は中間マージンを受け取るトレーディングです。ビジネスの上流から下流まで、複数のメーカーや企業が関わる中、それぞれの間に入って中間マージンを受け取ります。

2つ目は事業投資です。投資対象はさまざまで、代表的なものには石油やガスなどの資源開発、コンビニなどの会社経営、メーカーの海外工場建設などがあります。

3つ目は、お金の生まれそうなことなら何でも関わることです。それが総合商社の強みで、得意分野だけでなく、どんな分野にも介在できる幅広いノウハウを持っているうえ、新しい分野でも儲ける仕組みを作り出すことができるのです。

五大商社とは?

五大商社とは、総合商社の中でも特に大きな規模と業績を持つ「三菱商事」「三井物産」「住友商事」「伊藤忠商事」「丸紅」の5社を指します。

三菱商事

総合商社の中でもトップの収益を誇る三菱商事。価格の変動が激しい資源系ではなく、市況に左右されにくい事業系の経営に力を入れることで安定した業績をキープしています。近年では、ノルウェーでのサケ・マスの養殖、ローソンを子会社化したことで大きな利益を挙げました。

主な事業分野

・生活産業:食料、生活物資、ヘルスケア、流通小売
・エネルギー:原油・天然ガス等の権益投資、取引仲介
・金属:鉄鋼製品の取引仲介、鉄鉱石、石炭、非鉄金属の権益投資、取引仲介
・機械:工作機械、農業機械、建機、自動車の輸出入
・化学品:石油化学製品、合成繊維原料、農薬などの取引仲介

特定の分野に偏ることなく、さまざまな分野でバランスよく事業経営を行っています。事業分野が幅広いことから、幅広いビジネスに挑戦できるチャンスがあります。

社風

業界一位であることから、商社の中でも特に高学歴で優秀な学生が集まります。社風は、伝統的な日本企業らしさがあり、年功序列が重んじられています。

三菱グループの根本理念である「三綱領」(所期奉公=期するところは社会への貢献、処事光明=フェアープレイに徹する、立業貿易=グローバルな視野)の精神が息づいており、ビジネスをする上で、利益を追求しながらも倫理観を重んじる面もあります。

三井物産

1876年に貿易を営む会社として始まり、後に「総合商社」という企業形態の原型を作った、日本初の総合商社です。早くから海外進出して支店を開設するなど、その後の日本企業のあり方に大きな影響を与えています。

主な事業分野

・生活産業:食品、物流、ヘルスケア
・化学品:石油化学製品、農薬肥料
・エネルギー:原油・天然ガス開発、取引仲介
・金属:鉄鉱石、石炭、銅、ニッケル、アルミの権益投資、仲介
・鉄鋼製品:鉄鋼製品の取引仲介
・機械・インフラ:自動車・建設機械販売、物流、発電・港湾
・次世代機能推進:通信、インターネット

もともと資源分野に強みを持っていた三井物産ですが、2016年に原油価格の低迷やチリの銅事業での損失などを受け、創業以来初めての赤字に転落しました。その経験から、市況に左右されにくい分野に経営資源を集中させています。

社風

「人の三井」と言われるように、個人の裁量が重視されるのが特徴で、一人ひとりが自分の考えで仕事を組み立てる風土があります。自由であるがゆえに、自信と、それを裏付ける能力が問われる厳しい現場でもあります。陽気で開放的な人が多いのも三井の特徴です。

住友商事

住友グループの中核企業でもある住友商事の特徴は、同じく住友系の企業と協業できる分野に強みを持っていることです。住友銀行との航空機リース業、新日鉄住金との油井管事業などが、その代表的なものです。 

国内の有力企業も保有していることから、グローバルなビジネスだけでなく、国内事業で手腕を発揮する人材を目指すこともできます。

主な事業分野

・金属:鋼材・鋼管、アルミ精錬
・輸送機・建機:船舶、自動車、建設機械等の取引仲介
・メディア:ケーブルテレビ、情報システム
・生活関連:食料、不動産
・環境・インフラ:発電事業、プラント建設
・資源・化学品:石炭、鉄鉱石、非鉄金属、原油、天然ガス開発・取引仲介

以前は資源分野に積極的に投資していましたが、米国のシェールオイルの資源開発の失敗、マダガスカルで進めていたニッケル開発事業の投資回収が見込めなくなるなど、資源事業での損失が続いたことから、非資源分野へも注力するようになりました。最近では不動産事業、メディア関連事業などに積極的に投資しています。

社風

「結束の住友」と言われるように、まとまりのある社風です。体育会系というイメージが強いですが、実際は穏やかで腰の低い人が多いそうです。

新卒社員には10年間という育成期間を投じ、高い成果を生み出す人材になるための教育プログラムでみっちり教育します。ほかではなく住友商事で活躍する人材になりたい、という強い気持ちを持った人に向いています。

伊藤忠商事

みずほグループの総合商社である伊藤忠商事は、非資源分野の商社として知られています。 なかでも繊維や食品分野に大きな強みを持っているので、いかにも商社な資源やインフラではなく、消費者に身近なビジネスを手がけたいと考える人に向いていそうです。

主な事業分野

繊維:繊維原料、衣料品、服飾雑貨
食品:原料調達から小売まで
住生活・情報:紙パルプ流通、ITサービス、携帯電話販売
機械:プラント、インフラ関連プロジェクト、船舶、航空機、自動車流通
金属:金属鉱山資源開発、鉄鋼製品加工事業
エネルギー・化学:原油・天然ガス開発プロジェクト、取引仲介、化学品、合成樹脂などの取引仲介

「ブランドビジネスを学びたかったら伊藤忠へ行って学べ」と言われるほど、ブランディングが得意です。ファッションでは「ポール・スミス」や「コンバース」、食品では「Dole」「エビアン」「ファミリーマート」など、誰もが知る有名ブランドや商品を扱っています。

社風

非財閥系である伊藤忠は、挑戦心あふれるエネルギッシュな社風です。野武士集団と例えられることもあるほど、社員一人ひとりのモチベーションが高く、バリバリと仕事をこなすタイプが多いです。

丸紅

伊藤忠と同じ流れを汲む、みずほグループの総合商社です。創業者も同じく伊藤忠兵衛であることから、伊藤忠兵衛が2つの総合商社を立ち上げた偉人であることが分かります。

主な事業分野

食料:飼料穀物、大豆、小麦の貿易
電力・インフラ:海外独立系発電事業
輸送機:航空機、自動車、建設機械等の取引仲介
金属:非鉄金属の原料開発、取引仲介
エネルギー:原油、ガス開発、取引仲介
情報・金融・不動産:通信・システム開発から携帯電話販売まで

丸紅の強みは、なんといっても電力事業です。世界各地に発電所を持ち、国内最大のIPP(独立系発電事業者)としても知られています。

近年では、CO2発生量の多い石炭による発電の新規取り組みをやめ、再生可能エネルギーやガスによる発電に力を入れており、電力分野での存在感をさらに増していくと見られます。

社風

非財閥系であり、年功序列の風潮が薄いと言われています。若手の意見にも耳を傾けてくれる風通しのよい社風であり、自由闊達な雰囲気の企業です。電力分野が花形事業のため、電力部門で実績をあげた人が出世していくという噂もあります。

商社業界内定者のエントリーシート集

五大商社の年収は?

商社の平均年収は1000万円以上!

五大商社はどこも1300万円を超える平均年収を誇ります。業績No.1の三菱商事の平均年収は1500万円を超え、5大商社の中で最も高いです。

総務省の統計によると、東京都の平均年収が612万円であることから、その2倍以上を稼げる商社はやはり高収入です。

高収入だが求められるレベルも高い

収入は高いですが、その高収入に見合うだけのパフォーマンスを求められるということでもあります。

総合職は海外出張や残業も多いため、精神的・体力的なタフさ、仕事に対する高いモチベーションが必要です。

商社を目指す就活生がするべき対策は?

商社を目指す就活生はどんな対策をしておくべきなのでしょう?ここでは最低限やっておきたい3つの対策をご紹介します。

語学力を磨く

商社を目指すなら、まずは語学力の強化に取り組みましょう。語学はすぐに身につくものではないので、なるべく早い時期から勉強を始めておくべきです。

国際的な取引や海外出張が多い部門なら、当然のように高いレベルの英語力が求められます。実際に商社は、英語力の高い帰国子女の採用率が高いです。

英語力をアピールするなら、TOEICスコアを取得しておきましょう。TOEICスコアは最低でも700点以上、できれば850点以上を目指したいところです。

OB・OG訪問をする

商社を志望するなら、OB・OG訪問は必ずしておきましょう。商社の就活では、OB・OG訪問が高く評価される傾向にあります。

OB・OG訪問は実際に働いている先輩の実体験が聞けるので、企業研究が進むのはもちろん、就活に役立つ話も聞けるでしょう。

時間的に余裕があれば、できるだけたくさんのOB・OGに会うことをおすすめします。一人や二人よりも、たくさんの先輩に話を聞いた方が、企業の雰囲気をよく知ることができます。

インターンシップに参加する

自分に合う企業を見極めるには、「一緒に働く人」や「社風」が大きなポイントとなります。企業のホームページに書いてある情報や会社説明会の説明からだけでは、こうした会社の内部のことを知るのは難しいです。

企業の雰囲気をよく知るには、インターンに参加してみるのがおすすめです。実際にその企業で働いてみることで、社員の方と交流しながら社内の雰囲気を体感することができます。

入社してから「イメージと違った」「こんなはずじゃなかったのに」と気づく人も少なくありません。できるだけインターンに参加して、入社後のミスマッチをなくしましょう。

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最後に

五大商社の特徴や違いをお分かりいただけたでしょうか?就活には業界研究や企業研究が欠かせないので、より深く調べて自分の志望企業を決めましょう。


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