成人式は行かないとダメなのか。

二十歳になった青年の、大人としての出発を祝う成人式。この日を心待ちにして、振袖や袴を用意して臨む人もいれば、興味がない、行きたくないと思う人もいたりといろいろです。

「一生に一度の記念だから行かないと後悔する」「参加しないのは親不孝だ」など、いろいろな意見があるようですが、そもそも成人式は出席しないといけないイベントなのでしょうか?成人式に参加することのメリットや参加しない人の理由などを参考に、「成人式への参加」について考えてみましょう。

成人式は行かないとダメなのか。
目次

成人式には出席しないといけないの?

成人式に出席することは義務ではない

成人式は、その年度に二十歳になる青年たちが成人になることを祝福し、その門出を祝う自治体主催のイベントです。参加は任意で、義務ではありません。参加したくない人は、無理に参加する必要はないのです。

成人式ではどんなことをする?

成人式では、一般的に「記念品の贈呈」「区市町村長の挨拶」「新成人のスピーチ」「アトラクション」「記念撮影」などが行われます。アトラクションは、地元伝承芸能の披露、高校の吹奏楽部の演奏、ビンゴ大会、アーティストのサプライズコンサートなど自治体によって様々です。成人式全体にかかる時間は、1~3時間ほどです。

成人式に参加することのメリット

一生に一度の思い出になる

成人式は、一生に一度しか参加のタイミングがない式典です。そのため、多くの新成人が積極的に出席します。成人になるという節目のイベントでもあるので、出席をすれば一生思い出に残ることになるでしょう。

学生時代の友人との再会

出席した多くの人が、懐かしい同級生との再会を楽しんでいるようです。普段は連絡を取り合っていないような同級生にも会える、貴重な機会です。卒業以来あっていなかった友人との数年ぶりの再会は、刺激になることも多いでしょう。

親に感謝の気持ちを表す

二十歳という節目であることから、親への感謝の表明として成人式に出るべきだと考えている人も多いようです。自分は出たくないが、親が晴れ着を着て出てほしいと言っているから、親孝行の意味合いで出席するという人もいます。中には式当日に、今日まで育ててもらったことへの感謝の気持ちを言葉や手紙で伝えるような新成人もいます。

思い出の写真が残せる

特に女性の場合は、振袖を着ることを楽しみにしている人も多いようです。着物を選んだり、美容室でヘアメイクをしたり、男性に比べ衣装にも凝る人が多いです。

晴れ姿を、きちんとした写真スタジオで撮影する人も。「振袖で二十歳の記念となる思い出を残したい」と、成人式には出席せずに写真撮影だけするという人も中にはいるようです。

意外と多い?成人式に出ない人の割合

男性の方が欠席率は高い

成人式の欠席率は全国平均で45%ほどと言われています。男女比だと男性の欠席率が10%ほど高くなっています。やはり女性のほうが男性よりも成人式に対してモチベーションが高いようです。

同窓会だけ参加する人も

成人式に欠席した人であっても同窓会には参加していることもあります。成人式が行われる朝に帰省が間に合わなかったり、用事があったりする場合です。また人によっては成人式に参加するより友達同士で遊びに行くほうが楽しいと考え、あえて参加しないような場合もあるそうです。

参加しやすい時期に実施する自治体も

しかし自治体としてはできるだけ多くの人に成人式に参加して欲しいと考えているようです。例えば、出席率の低い自治体では、県外に移り住んだ学生が参加しやすいように、大学が春休みで着物で参加しやすい3月に成人式を行うところもあります。

降雪地域では、雪がなく、大学が夏休みの8月に成人式行う自治体もあり、実際に秋田県では、多くの市町村が8月に成人式を執り行っています。自分が参加する成人式がいつ行われるのかはそれぞれの自治体に問い合わせたり、先輩や地元の人から聞いたりして知ることができます。事前に調べておきましょう。

成人式に行かない人の理由とは?

成人式に行かない人の理由を調べてみると、大きく4つの理由があるようです。

学校・仕事があって行けない

一番多い理由が、学校や仕事など、成人式より優先すべき用事があったというものです。

大学生の場合、「どうしても落とせない必修科目の試験が成人式の翌日にある」「大事なレポートの提出期限が迫っている」などの理由が多いようです。

すでに仕事をしている人では、「サービス業なので祝日は休めない」「どうしても外せない仕事が入っている」などの理由があります。

会いたくない人がいる

女性に多いのが「会いたくない人がいる」という理由です。「学生時代いじめられていたので同級生に会いたくない」という理由や、「けんか別れした友人や顔を合わせにくい元カレがいる」という人も。

「大学デビューしたのを地元の友人に知られたくない」というケースもあります。成人式は同窓会的な色合いも濃い場なので、過去の人間関係に引っ掛かりがあるからと、出席をためらう人も相当数いるようです。

しかし、「会いたくない友人に久々に会ってみたら、気まずさよりも懐かしさのほうが勝って盛り上がってしまった」「あの時はごめんねと謝られてわだかまりがすっかり消えた」などの事例もあるので、過去のごたごたにとらわれ過ぎず、思い切って出席してみるのもいいかもしれません。

気が乗らない・面倒だ

とくに男性に多いのが、単に気が乗らなかったり、面倒に感じたからという理由です。確かに、出席することに楽しみや必要性が見出せないと、正装して出掛けるのはハードルが高いですよね。

お金がかかる

最後に、金銭的に負担が大きいので欠席を選んだという理由。地元から離れた大学に行っている場合には、晴れ着を用意する費用に加え、帰省するための交通費がかかるので、出費がかさみます。

特に女性の場合、振袖を着たいと思ったら、レンタルでも4~10万円、購入なら20~100万円ほどの費用がかかります。

さらに、当日のヘアメイクもなども加えるとかなりの出費になります。そのため、親に金銭的な負担が掛けられない、もしくは掛けたくなく、自分でも用意するのが厳しい場合には、やむを得ず欠席せざるを得なくなってしまいます。

まとめ

成人式は出席することが義務ではないので、行きたくないのなら欠席しても問題ありません。ただ、成人式に出席できるタイミングは一生で一度だけです。

過去に成人式を欠席した人のうち、およそ4割が出ておけばよかったと後悔しているというデータもあります。後々、出ておけばよかったと後悔しないように、よく考えて出欠を決めましょう。


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