就職活動をする中で、企業の担当者とメールや電話などでやり取りする場面は幾度も発生します。その際、使えると印象のよい言葉が「お手数をおかけします」です。この言葉は、社会人になると頻繁に使用する言葉ですので、就職活動中から自然と使えるようにしておきましょう。
今回はこの「お手数をおかけします」という言葉について、意味や正しい使い方、一緒に使用する頻度の高い言葉をご紹介します。
- ・「お手数をおかけします」の意味
- ├「手数」は「てかず」と「てすう」の二つの意味がある
- ├①お詫びの意味
- └②感謝の意味
- ・「お手数をおかけします」を使用するシチュエーション
- ├シチュエーション①相手に依頼をする時
- └シチュエーション②クッション言葉で用いる時
- ・「お手数をおかけします」の間違った使用方法
- ├①自分の行為に対して使う
- ├②相手に「お手数かけさせます」と使う
- └③お詫びの言葉と一緒に使う
- ・「お手数をおかけします」と一緒によく使う言葉
- ├一緒によく使う言葉①ご連絡
- ├一緒によく使う言葉②ご確認
- ├一緒によく使う言葉③ご査収
- ├一緒によく使う言葉④ご対応
- └一緒によく使う言葉⑤ご教示
- ・まとめ
「お手数をおかけします」の意味
「お手数をおかけします」という言葉は、社会人になっても当たり前のように使う言葉です。ここでは、そもそも「手数」がどのような意味なのか、そして「お手数をおかけします」の意味をご紹介します。しっかり意味を確認して使用するようにしましょう。
「手数」は「てかず」と「てすう」の二つの意味がある
「お手数をおかけします」の「手数」という言葉には、「てかず」と「てすう」という2つの意味があります。「お手数をおかけします」は「おてすうをおかけします」と読むため、ここでは「てすう」の意味で使用します。「てすう」は、「他人のためにかける労力や面倒ごと」という意味です。
①お詫びの意味
「てすう」は「他人のためにかける労力や面倒ごと」という意味です。そのため、「お手数をおかけします」には、「労力や時間をかけてしまって申し訳ない」というお詫びの意味が込められています。何かを相手にしてもらう際に付けて使用します。
②感謝の意味
「お手数をおかけします」には、「労力や時間をかけてしまって申し訳ない」というお詫びの意味があると同時に、感謝の意味も含まれています。わざわざ時間を割いてもらうことに対して感謝したい時にも使用できる言葉です。お詫びと感謝の両方の意味で使用できるため、「お手数をおかけします」はとても便利な言葉です。
「お手数をおかけします」を使用するシチュエーション
「お手数をおかけします」を実際に使用するのは、どのような場面なのでしょうか。ここでは、実際のシチュエーションに合わせてご紹介します。どれも日常でよくある場面なので、確認をしておきましょう。
シチュエーション①相手に依頼をする時
相手に確認・連絡の返事のお願いをする際「お手数をおかけします」を用いることがあります。依頼をすることは、相手の時間と労力を削ってしまうことを意味します。そのため、「お手数をおかけします」を使用することによって、相手に手間をかけてしまうことへのお詫びと感謝の言葉を同時に伝えることができます。
依頼の意味での「お手数をおかけします」には類語があります。
お手間をおかけします
ご面倒をおかけします
ご迷惑をおかけします
この言葉の後ろには同様に依頼や確認の内容が記載されています。一緒に覚えておくとよいでしょう。
シチュエーション②クッション言葉で用いる時
「お手数をおかけします」という言葉は、クッション言葉として用いられることも多いです。クッション言葉とは、相手に依頼や確認をお願いする際に、文頭や文末に用いる言葉になります。相手にへりくだった印象を与え、直接的な表現を避けることができる日本語独特の婉曲表現です。
日本語には、さまざまな婉曲表現であるクッション言葉が存在します。その中でも「お手数をおかけします」と同様に、ビジネスで使用するクッション言葉の類語は、以下が挙げられます。
恐れ入ります
恐縮ではございます
お忙しいところ申し訳ありません
このような言葉を使う時は、だいたいすぐ後ろに逆説の「が」を付けて、その後ろに依頼や確認の内容を添えます。
「お手数をおかけします」の間違った使用方法
「お手数をおかけします」は、角を立てず依頼や確認のお願いができるため便利な言葉です。しかし、使い方を誤ると相手に失礼にあたる表現になってしまいます。ここでは、「お手数をおかけします」の誤った表現をご紹介します。
①自分の行為に対して使う
「お手数をおかけします」という言葉は、相手の行為に対して使用する言葉です。そのため、自分の行為に使用するのは間違った表現になります。
たとえば、「お手数をおかけしますが、この後メールをお送りいたします」という表現は間違いです。この場合、メールを送るのは自分です。自分に対して「お手数をおかけします」という言葉は使用しません。
この場合の正しい使い方としては、「お手数をおかけしますが、このあとメールをお送りいたしますので、ご確認の程よろしくお願いいたします。」といった表現になります。確認をするのは相手なので、この場合は「お手数をおかけします」という言葉を使用しても問題ありません。
②相手に「お手数かけさせます」と使う
「お手数をおかけします」という言葉は、「相手の労力や時間をかけてしまって申し訳ない」という意味を表します。「お手数かけさせます」という表現にしてしまうと、自分から相手に手数をかけさせ要求しているように聞こえかねません。相手に手数をかけさせるということは、面倒ごとを押しつけるという失礼な表現になるので使用は控えましょう。
あくまでも、相手が主体として行ってくれる行為に対して使う表現ですので、「お手数をおかけしますが」という表現を使用してください。
③お詫びの言葉と一緒に使う
「お手数をおかけします」という言葉には、お詫びの意味も含まれていると説明しました。そのため、「お手数をおかけしますが、申し訳ありません」と使用してしまう人もいます。しかし、この使い方は間違いです。正しくは以下の表現になります。
×「お手数をおかけしますが、申し訳ありません」
〇「お手数をおかけして申し訳ありません」
〇「お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします」
この表現はよく使うため、パッケージとして覚えておくとよいでしょう。
「お手数をおかけします」と一緒によく使う言葉
「お手数をおかけします」という言葉は、社会に出てからも頻繁に使用すると説明をしました。実は「お手数をおかけします」という言葉には、よくセットで使われる言葉があります。使い方を一緒に覚えてしまえば、社会に出てからもすぐに使えるので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
一緒によく使う言葉①ご連絡
まず、頻繁に使うのは「ご連絡」という言葉です。例としては、以下のように使用します。
「お手数をおかけしますが、ご連絡お待ち申し上げております」
相手からの連絡が欲しいときに「お手数をおかけします」を添えると、直接的な表現を避けて、やわらかい表現で相手にお願いができます。企業の担当者からの折り返しの連絡が欲しいときに使用するとよい言葉です。
一緒によく使う言葉②ご確認
「ご確認」も、社会人になってから毎日のように使用する言葉です。例文は以下になります。
「お手数をおかけしますが、ご確認の程よろしくお願いいたします」
こちらは、内容の確認をしてほしいときに添えるクッション言葉です。たとえば、面接の日程調整で候補日を挙げた際に、メールの文章に添えると相手に丁寧な印象を与えられます。
一緒によく使う言葉③ご査収
「ご査収」というのは、メールにデータや書類を添付しているときに使用することが多い言葉です。「内容を確認してお受け取りください」という意味があります。
「お手数をおかけしますが、ご査収の程よろしくお願いいたします」
就活生は、履歴書などを担当者に送付した際に使用することが多いでしょう。担当者は、業務で忙しい時間を割いて履歴書を確認してくれます。何百通もある履歴書に目を通さなければならない状況で、このように心遣いのある一文が付け加えられていると、担当者も履歴書を見ようという気持ちになってくれます。
一緒によく使う言葉④ご対応
「ご対応」も頻出の言葉です。こちらは相手に何か対応をしてほしいときに使用します。
「お手数をおかけしますが、ご対応の程よろしくお願いいたします」
こちらも面接や面談の日程調整をお願いする際に添えるのがおすすめです。気持ちよく対応してもらえるよう、こういった言葉を用いて配慮しましょう。
一緒によく使う言葉⑤ご教示
「ご教示」は、意味や方法を教えて欲しいという意味です。そのため、何か物事を教えて欲しいときに使用する言葉です。
「お手数をおかけしますが、ご教示頂けましたら幸いです」
この「幸いです」という表現も、クッション言葉としてよく使われます。「~してくれたらうれしい」というような、へりくだった表現です。
企業の担当者に質問があった際に使用しますが、質問に答えるためには調べたりする工数が増えるので、相手により手間をかけさせてしまいます。そのため、へりくだった表現のクッション言葉を使用するのがおすすめです。
まとめ
今回は、就活生が覚えておくべき「お手数をおかけします」という言葉についてご紹介しました。
「お手数をおかけします」という表現には、≪お詫び≫と≪感謝≫の意味が込められています。「労力や時間をかけてしまって申し訳ない」という気持ちを込めて、相手に対して使用するのが「お手数をおかけします」という表現です。また、使うシチュエーションとしては、依頼をするときとクッション言葉として用いるときの2パターンがあります。
下記は間違った使い方になるので注意しましょう。
自分の行為に対して使う
相手に「お手数かけさせます」と使う
お詫びの言葉と一緒に使う
「お手数をおかけします」は、あくまでも相手の行為に対して使用する言葉になります。
また、「お手数をおかけします」と一緒によく使う言葉もあります。下記に例文を記載しますので、そのまま一文ごと覚えてしまいましょう。
「お手数をおかけしますが、ご連絡お待ち申し上げております」
「お手数をおかけしますが、ご確認の程よろしくお願いいたします」
「お手数をおかけしますが、ご査収の程よろしくお願いいたします」
「お手数をおかけしますが、ご対応の程よろしくお願いいたします」
「お手数をおかけしますが、ご教示頂けましたら幸いです」
「お手数をおかけします」という表現は、日本語独特の婉曲表現です。「わざわざ付けなければいけないのか?」と思う人もいるかもしれませんが、相手に対する敬意を表す素敵な表現です。受け取る相手も人間なので、より丁寧な表現をしてもらったほうが、気持ちよく対応できます。一言添えるだけで印象が変わる言葉ですので、ぜひ使ってみてください。
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