「自分は正社員にこだわらない」「就職しないで起業をするつもり」「フリーランスになりたい」そう考える大学生が増えてきました。「結婚して家事に専念したい」という人もいるでしょう。
大学卒業と同時に、「自分は就活をしませんでした!今日からフリーランスとして生きていきます!」とツイッターなどで宣言する人も増えてきています。そういった人をみて、「自分にもそういう選択肢はありかな……」と考えている人もいるかもしれません。
特に就活に行き詰ってしまったり辛いなと感じたときに、「就職をしない」という選択肢が頭をよぎったりすることもあるでしょう。就活をせずに大学を卒業するとどのような進路が候補としてあるのでしょうか?
- ・就活をせずに大学を卒業した場合の進路とは
- ├起業・フリーランスなどの道
- ├フリーターになるという道
- └大学院進学や留学などの道
- ・就活しないことのメリット・デメリット
- ├就活しないことのメリット①自由な時間が増える
- ├就活しないことのメリット②やりたいことに集中できる
- ├就活しないことのデメリット①「新卒」は一生に一度しかないチャンス
- ├就活しないことのデメリット②起業や独立でも「会社員経験」は必要
- └就活しないことのデメリット③一度卒業してから正社員として入社するのはかなり厳しい
- ・「就活や就職をしない」という決断をする前に試して欲しいこと
- ├「やりたい仕事がわからない」
- └「働きたくない」「就活が面倒くさい」
- ・最後に
就活をせずに大学を卒業した場合の進路とは
就活をせずに大学を卒業した場合、どのような進路があるのか見てみましょう。
起業・フリーランスなどの道
最近では、20代で起業をする人やフリーランスという道を選ぶ人も増えてきています。会社員よりも自由で楽しそうに見えるため憧れを持つ人もいるかもしれません。
しかし、毎月決まったお給料が出てボーナスまで支給され、福利厚生や社会保険がある会社員と比べ、自分で会社を起業したりフリーランスになったりすると、給与は自分の働いた実績に応じて決まりますし、場合によってはマイナスになってしまうこともあります。
会社員でないと福利厚生や有給休暇はもちろんなく、社会保険には自分で加入する必要があります。すでに大学時代から事業を起こしていたり、フリーランスとして実績を積んだりしているのであれば問題ありませんが、大学卒業までそういった経験がなく、いきなり卒業と同時に自らで仕事を取ってくるというのは想像以上に険しい道となります。
フリーターになるという道
「最低限のお金が稼げればいいや」と考える人の中には、正社員ではなくフリーターとして、アルバイトをして生計をたてるつもりの人もいます。実家暮らしの人などは家賃の心配がない為とくにそう思うかもしれませんね。
しかし、今はそれで充分に生活が成り立つとしても、長い目で見るとフリーターとして生きていくと決めてしまうことには不安があります。ご両親がいずれ定年を迎え、病気になったり亡くなってしまったりした場合、アルバイトの給与だけで生計を立てることは可能でしょうか?
実家はローンが払い終えていたとしても、年齢を重ねた両親の介護費用や、自分の社会保険などを支払うのには想像以上にお金がかかります。数年先だけでなく、数十年先まで見据えてもフリーターで本当に生きていくことが可能なのかは試算しておきたいものです。
大学院進学や留学などの道
就活をせずに大学を卒業した人で最も多いのは、大学院進学や留学などを決めている場合ではないでしょうか。医学部や薬学部などに編入するという人もいるかもしれませんね。
そういう場合は周囲が就活を始めるくらいのタイミングですでに進路を決めており、大学院進学や留学の準備を進めている場合がほとんどです。
就活しないことのメリット・デメリット
就活しないことのメリット①自由な時間が増える
就活をしないなら自由な時間が増え、自分の好きなこと・やりたいことをする時間が十分確保できます。
「起業してこんなビジネスがしたい」「独立してやりたいことがある」という人は、無理に就職せずに「就職」以外の選択肢を考えてみるのもいいでしょう。
就活しないことのメリット②やりたいことに集中できる
学生時代にしか打ち込めないこと、今しかできないこともたくさんあると思います。「どうしてもやりたいことがあるけど今しかできない」という場合は、就活するのをやめてやりたいことに打ち込むのもいいかもしれません。
就活しないことのデメリット①「新卒」は一生に一度しかないチャンス
「新卒」として企業で勤務することができるのは一生に一度しかないチャンスです。さらに、「新卒」として社会人の常識を学び、研修などの手厚い指導を受けることができるのは大学卒業直後のタイミングだけです。
就活しないことのデメリット②起業や独立でも「会社員経験」は必要
起業をしたりフリーランスになったりといった道は良くないわけではないのですが、会社員経験がないのにいきなりなることで、他の起業者やフリーランスよりも不利になってしまうことがあります。
会社を興す場合、イチから会社の就業規則やルール、評価制度などを決めていく必要があります。「会社とはこういうもの」ということを知った上で常識を覆していくのではなく、そもそも「会社員の気持ち」がわからないままで社長として会社を形作っていくことはとても難しいものです。
また、フリーランスとして仕事をしていく上でも、取引先としてさまざまな会社の人との関わりが必要となります。会社員経験があれば、ある程度イメージできる「稟議」や「社内決裁」など社員での決定フローをよくわからずに取引をすることは交渉を進めるうえでかなり不利に働いてしまいます。
起業やフリーランスとしての道をいずれ考えている人こそ、一度会社員として働くことが、その後の仕事をしやすくしてくれるのです。
就活しないことのデメリット③一度卒業してから正社員として入社するのはかなり厳しい
とはいえ、現時点で正社員として働きたくない気持ちを大切にしたい……と考える人もいるかもしれません。もちろん、一旦社会に出た後で正社員として勤務することはできます。
しかし、大学を卒業して数年間正社員以外の仕事やアルバイトをしてきた人が正社員として勤務することはとても難しく、なかなか厳しいのが現状です。
「就活や就職をしない」という決断をする前に試して欲しいこと
なぜ就職や就活がしたくないのでしょうか?まずはその理由を探り、自分なりに分析してみてください。
「やりたい仕事がわからない」
「やりたいことが見つかってない」という理由で、就活をする気にならない人もいるでしょう。しかし、やりたいことがわからないまま進学したりフリーターになっても、やりたいことが見つかるわけではありません。
就活は自分の将来について考えたり、やりたいことを見つけるいい機会でもあります。まずは自己分析をしたり会社説明会に参加してみて、興味の持てる分野や仕事を探してみましょう。
「働きたくない」「就活が面倒くさい」
「就職したくない」「就職したら自由がなくなる」と、「就職」や「働くこと」にネガティブなイメージを抱いている学生も多いでしょう。
しかし働くことは悪いことばかりではありません。仕事を通して学び成長できる機会も多いですし、周囲の人と協力して働く喜びや達成感を感じることもできます。
仕事にあまりいいイメージのない人は、短期や長期のインターンシップに参加してみるのがおすすめです。社会人の先輩がいきいきと楽しそうに働く姿を見たり、実際に仕事を経験することで、仕事の楽しさや素晴らしさに気づくかもしれません。
数日の短期インターンや期間限定のインターンもあるので、様々な業界の仕事をいくつか体験してみるのもいいでしょう。
最後に
すでに「就活はしない」と決めている場合であっても、まだ大学在学中であれば間に合います。卒業までに、まだ募集を行なっているところを見つけ、就活をして正社員として勤務する可能性を探ってみましょう。
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