【例文付き】生保業界志望のESの志望動機の書き方と注意すべきポイント

アメリカに次ぐ世界第二位の保険大国である日本。日系企業、外資系企業を含め、何社もの生命保険会社の名前がすぐに思いつくのではないでしょうか?

就活生に人気の高い業界のため、業界研究や企業研究をしっかり行い、説得力のある志望動機を作成する必要があります。

今回は生保業界を志望する就活生のために、保険についての基礎知識や志望動機の書き方について解説します。志望動機の例文もご紹介するので、履歴書やES(エントリーシート)の作成、業界研究に活用してください。

【例文付き】生保業界志望のESの志望動機の書き方!
目次

保険の種類を知ろう

生命保険会社が、保険業界のなかでどんな役割をしているのかを知るために、まずは保険の種類から見てみましょう。保険商品は大きく3つに分類されています。

生命保険(第一分野保険)

被保険者が病気や怪我をしたとき、死亡したときに、保険会社から一定額の保険金が支払われる保険です。人を対象にした保険です。

損害保険(第二分野保険)

交通事故、火災、地震など偶然のリスクによって生じた損失をカバーする保険です。一定額の保険金が支払われる生命保険とは違い、損害額により支払われる保険金が変わります。

第三分野保険

傷害保険や医療保険、がん保険や介護保険は第三分野保険と呼ばれます。保険業法により、第一分野保険と第二分野保険を同じ保険会社で扱うことはできません。第三分野保険は、人の生命、怪我など、生命保険と損害保険の両方の領域を含んだ保険なので、第一、第二分野どちらの保険会社でも取り扱うことができます。

生命保険と損害保険の違い

生命保険と損害保険の一番大きな違いは、扱う「もの」です。簡単に言うと、生命保険は「人」に関わる保険、損害保険は「物や財産」に関わる保険を扱うと考えるとわかりやすいでしょう。

生命保険の理解を深めよう

志望動機を書くには、業界のことや扱う商品のことをよく知る必要があります。ここでは、生命保険会社の種類を紹介します。

生命保険会社は大きく、次の3種類に分けられます。

日系生命保険会社

日本の生命保険会社の特徴は、保険商品が保険外交員によって販売されるということです。価格はやや割高なものの、保険外交員が担当制でしっかり対応してくれます。サービスの良さとフォローの手厚さが特徴です。

外資系生命保険会社

日本法人であっても、外国資本の場合は外資系保険会社に分類されます。保険商品は代理店で販売されるのが主流で、銀行や証券会社の窓口で販売されていることもあります。保険会社によって商品に特徴があり、がん保険、学資保険など、看板商品を打ち出していることが多いです。

インターネット生命保険会社

店舗や代理店を持たず、インターネット上での販売を専門にする保険会社です。保険申し込みまでがネットでできるため、コールセンターやサポートセンターの人員が多く、教育も徹底しています。店舗を持たず、営業職などの人件費も削減できるため、保険料は抑えめに設定されています。

生保業界で働くということ

生命保険の役割

生命保険の役割を一言でいうと「もしものときの備え」です。「もしも」とは、怪我や病気、それらによる入院、死亡などのことです。

「もしも」のときには、通院や入院で出費が増える、収入が途絶えてしまう、などのリスクがあります。そのリスクに対し、一定額のお金を支払うという保障を提供することで、被保険者やその家族の不安を取り除きます。

生保業界の仕事のやりがい

生命保険を扱う仕事は、「人の役に立つ仕事」「幸せな生活を支える仕事」と捉えることもでき、そこに魅力を感じて志望する人が多いようです。

実際に困った人をサポートしてお客様に感謝されることも多いので、「人や社会の役に立ちたい」と考える人は、仕事を通してやりがいを感じられるでしょう。保険は仕組みが複雑で難解なので、仕事をしながら役立つ専門知識を身につけられるというメリットもあります。

生保業界に向いている人

顧客と信頼関係が築ける

顧客との関係性が大切な保険業界では、時間をかけてじっくりと信頼関係を築いていけるような人が求められています。顧客に「信頼できる誠実な人」だと思われることが仕事の成果につながるからです。

コミュニケーション能力が高い人

保険業界は人との関わりが欠かせない業界ですので、人と関わるのが好きで高いコミュニケーション能力がある人が求められます。商品の説明をする能力だけでなく、顧客に寄り添い顧客の求めるものを読み取る力も重要になります。コミュニケーション能力のアピールでは、「傾聴力」「ヒアリング」の能力をアピールするのもいいでしょう。

生保の志望動機に書くべきポイント

生保の志望動機には、どんなことを盛り込んだらよいのか、書くべきポイントを紹介します。

生保業界を志望する理由

一番してはいけない間違いが、損害保険会社と生命保険会社の領域を間違えてしまうことです。生命保険会社がカバーできる領域を確認し、そのうえで、なぜ生保業界を志望したかという理由を書きましょう。

生保業界への志望動機で多いのが「保険商品を提供することで、安心して暮らせる材料を与えたい」「病気や怪我などの不幸に見舞われた時も、いつも通りの生活ができるように支えたい」などというものです。これらが説得力を持つように、具体的なエピソードを絡めるとよいでしょう。

その企業を志望する理由

生保業界のなかで、なぜ該当企業を選んだのかを明確にしましょう。そのためには業界研究をしっかりして、競合他社との違いを洗い出します。

企業理念、主力商品の特徴、海外進出の進み具合など、違いを見極めることで志望企業がどんなことに注力しているのか、今後どんな展開をしていくかなど見えてきます。他の企業と違うところで、自分が魅力を感じたことを動機に挙げるといいでしょう。

入社後に成し遂げたいこと

入社後に、自分がどんな役割を果たしたいと思っているのか書きましょう。自分の経験や能力を仕事に活かせるということをアピールし、会社に貢献できる人材だと思ってもらう必要があります。

生命保険会社の志望動機の例文

上記のポイントを盛り込んだ志望動機の例文を、2つ紹介します。ESの作成などにお役立てください。

例文①「やりたいこと」をベースにした志望動機の例文

私は海外の貧しい国にも生命保険を広めたいと考え、志望いたしました。

大学時代、ボランティアでカンボジアの小学校を訪れました。欠席が多い一人の子の事情を聞くと、父親を亡くしたため家の仕事の手伝いをしなければならないとのことでした。

その経験から、日本にある生命保険を海外の貧しい地域にも広められたらと考えるようになりました。その後、御社がカンボジアに子会社を設立したと知り、自分も、日本の生命保険を海外に広める業務に関わりたいと思いました。

ボランティアで培った海外経験と行動力を活かし、多彩なニーズに対応してくれる御社の保険商品を、海外に広めることに貢献したいです。

例文②「実体験」をベースにした志望動機の例文

私が生命保険に興味を持ったきっかけは、高校時代に母親が長期で入院したことです。

入院費や手術費など、かなり高額だったようですが、御社の保険によるサポートがあったおかげで、母は治療に専念し、家族も余計な心配をせずに過ごせました。

この経験から、万が一の時、お金の心配をしないで治療に専念できることは、本人や家族にとってとても重要だと感じ、生命保険を広める仕事をしたいと考えるようになりました。

数ある生命保険会社のなかでも、入院や手術時に手厚く、また長期の入院にも対応するなど、本当に困ったときに助けになる商品を多数取り揃えている御社に魅力を感じました。

大学時代は販売員のアルバイトをしており、いろいろな年代の人とコミュニケーションを取ってきましたので、その経験を活かし、多くの人に御社の保険の良さを広めたいと思います。

志望動機の説得力を高めるためには

業界研究・企業研究

生保業界は、同じような商品を扱う企業がたくさんあります。説得力のある志望動機を書くには、その企業の特徴や強みをしっかりと理解できていなければなりません。

業界全体の動向も調べ、業界内での位置付けについても把握しておくとさらにいいです。志望する企業だけでなく、ライバル企業のことも調べると、企業の違いや特徴、優れた部分が明確になるでしょう。

「他の企業ではなく、なぜその企業なのか」ということが明確に示せると、説得力のある志望動機が作成できます。

OB・OG訪問をしてみる

仕事内容ややりがいについて、不安や疑問に思うことがあれば、生保業界で働いている先輩に話を聞いてみるのがいいでしょう。

生保業界で働いている知り合いがいないか、家族や友人に聞いてみましょう。知り合いが見つからない場合は、大学の就職課で相談してみてください。生保業界で働いているOBやOGを紹介してくれます。

インターンシップに参加してみる

就活生にとって生保業界は身近な業界とは言えませんし、会社説明会の情報やインターネットの情報だけではわからないこともたくさんあります。

企業の雰囲気や仕事内容を理解するには、インターンとして実際に生保業界の仕事を体験してみるのが一番です。インターンとしての体験は、志望動機作成にも役立ちますし、入社してから「こんなはずではなかった」「思っていたのと違った」というミスマッチを防ぐこともできます。

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生保の志望動機で注意すべきNG例

志望動機が報酬や待遇となっている

生保は就活生に人気のある就職先で、その理由として「年収が高い」「待遇がいい」「安定している」などがあげられます。しかし報酬や待遇を志望動機とするのは避けた方がいいでしょう。

条件だけで就職先を選んでいる印象を与えてしま可能性があります。志望動機では企業や仕事への熱意をアピールすることが大切なので、仕事に対して前向きな姿勢である印象を与えることを意識して作成しましょう。

生保の仕事が理解できていない

保険業界は複雑で難しいため、保険のしくみを正確に理解できていない学生も少なくありません。保険や仕事内容を理解していないまま志望動機を作成すると、「保険のことをわかっていない」「準備不足」といった印象を持たれる可能性が高いです。

説得力のある志望動機を作成するためには、業界研究と企業研究をしっかりと行うことです。生保と損保の違いはよく調べておき、企業ごとの特徴・強みなどもしっかりリサーチしておきましょう。

あれこれ詰め込みすぎている

志望動機の作成でありがちなNG例として、あれこれ詰め込みすぎて要点がわからなくなっているケースです。伝えたいことやアピールしたいことがたくさんあるとすべて書きたくなるものですが、要点はできれば1つ、多くても2つに絞るようにしましょう。

いろいろな要素が詰め込まれていると、結局どれも印象に残らない可能性が高いです。「これだけはアピールしたい!」という点にポイントを絞って志望動機を作成すると採用担当者に伝わりやすくなります。

オリジナリティがない

どこかで聞いたことがあるような内容になってしまっている志望動機は少なくありません。他の学生と同じような内容では採用担当者の心にも響かないので、オリジナリティを意識してください。

志望動機で独自性を出すには、実際に体験したことや感じたことを具体的に書くことです。「困っている人の力になりたい」などありがちな表現も他の学生とかぶる可能性が高いので、自分らしい言葉や表現を工夫してみるのもいいでしょう。

最後に

生保業界は人気のある業界のため、書類選考を突破するのは簡単ではありません。書き方のポイントを押さえて、納得のいく志望動機を仕上げましょう。


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