三菱グループにはどんな企業がある?代表的な企業の特徴も併せて解説!

三菱グループは、三井・住友と並んで三大財閥の流れを汲む企業グループです。三菱商事や三菱UFJ銀行、三菱地所など、就活生からの人気が高い企業を中心に、幅広い分野の産業をリードしています。

今回は三菱グループについて、三井グループ・住友グループとの違いや、代表的な企業の特徴と併せて詳しく解説します。

目次

三菱グループとは?

三菱グループは、戦前の三大財閥である三菱財閥の流れを汲む企業グループです。1870年岩崎弥太郎が海運業を興したことに始まり、明治維新とともに急成長を遂げました。三菱グループは今でもその勢いを保ち、三井グループ・住友グループと並んで幅広い業界で存在感を示しています。

就活生の間ではあまり知られていないかもしれませんが、「三菱商事」や「三菱UFJ銀行」など社名に「三菱」がつく企業だけでなく、「キリンホールディングス」や「AGC」といった人気企業も実は三菱グループに属しています。

三井・住友グループとの違い

三菱グループは「組織の三菱」と言われ、組織としてのまとまりを重んじる傾向があります。三菱商事の研修プログラムには、三菱の歴史や経営理念のレクチャーが組み込まれており、三菱グループの一員であることを新人のうちから強く意識させられます。

特に、「人の三井」と呼ばれ、個人の力量を重んじる三井グループとは社風に大きな違いが見られます。

また、三菱グループはサステナビリティの取り組みに力を入れていることが特徴として挙げられます。今回は、三菱グループの各企業が行うサステナビリティの取り組みについてもご紹介します。

三菱グループの代表的な企業

① 御三家

三菱グループでは三菱商事、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱重工の3社が「御三家」と呼ばれ、グループをリードしています。

三菱商事

三菱商事は五大商社のひとつで、天然ガスや金属資源、産業インフラや自動車、食品など、幅広い事業を展開する総合力を強みとしています。

近年は、自然環境や社会の課題にも注目し、人権への配慮や気候変動への対策などに力を入れています。具体的には、「東日本大震災復興支援活動」や「サンゴ礁保全プロジェクト」を通して、社会貢献活動に積極的に取り組んでいます。今後もサステナビリティが三菱商事が展開する事業において大きなキーワードになりそうです。

企業理念には「豊かな社会の実現に貢献することを目指して」を掲げています。旧三菱商事の行動指針として制定された「三綱領」を受け継ぎ、公正で、豊かな社会を作る事業を目指しています。

三菱UFJフィナンシャル・グループ

三菱UFJフィナンシャル・グループは、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループと並んで「3大メガバンク」と称されます。三菱UFJフィナンシャル・グループは3大メガバンクの中でトップの時価総額を誇ります。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、グループとしての総合力に加え、グローバルネットワークも強みとしており、50以上の国に約2000もの拠点を持っています。また、みずほフィナンシャル・グループの収益の55%、三井住友フィナンシャル・グループの収益の54%が銀行単体であるのに対し、三菱UFJフィナンシャル・グループは銀行以外のグループ会社から67%の収益を得ています。収益源が銀行のみに偏らないことも、三菱UFJフィナンシャル・グループの強みです。

三菱UFJフィナンシャル・グループでは、サステナビリティの取り組みとして「再生可能エネルギープロジェクトファイナンス」を行っており、再生可能エネルギー事業において、民間のグローバル金融部門で世界トップレベルの取り組みを行っています。

活動指針は「MUFG Way」で、全役職員の精神的な支柱、基本方針となっています。以下の内容が、「MUFG Way」の具体的な行動規範です。

【存在意義】
世界が進むチカラになる。
【共有すべき価値観】
「信頼・信用」(Integrity and Responsibility)
「プロフェッショナリズムとチームワーク」(Professionalism and Teamwork)
「成長と挑戦」(Challenge Ourselves to Grow)
【中長期的にめざす姿】
世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ

それぞれのグループ会社が「MUFG Way」という共通の活動指針のもと業績を上げているのは、「組織の三菱」ならではの強みと言えます。

三菱重工

三菱重工は、エンジンの開発、製造、販売や、発電システムを主な事業内容としています。重工業界での業績はトップで、業界内で圧倒的な存在感を誇っています。制御システムやサイバーセキュリティなどのインフラ設備の開発・提供も大きな強みです。

サステナビリティに対しては、主にカーボンニュートラル社会の実現を目指した取り組みを行っています。​​特に、三菱重工は天然ガスを主な燃料とする大型ガスタービンの開発で世界をリードしています。これは、従来型の石炭火力発電に比べ、CO2排出量を約65%削減することができる最新鋭の発電方式です。

会社の基本的態度である社是は以下の通りです。

一、顧客第一の信念に徹し、社業を通じて社会の進歩に貢献する
一、誠実を旨とし、和を重んじて公私の別を明らかにする
一、世界的視野に立ち、経営の革新と技術の開発に努める

三菱重工の社是も、三菱商事の企業理念と同じように、第四代社長の岩崎小彌太の「三綱領」を受け継ぎ、誠実で公正な活動を目指しています。

② 金融

三菱グループと言えば、三菱UFJフィナンシャル・グループのグループ会社を中心に、金融業界での存在感をイメージする方も多いのではないでしょうか。ここでは、三菱UFJフィナンシャル・グループのグループ会社に加え、三菱グループの保険会社を紹介します。

三菱UFJ信託銀行

信託銀行とは、通常の銀行業務に加え、信託業務、併営業務を行う銀行です。三菱UFJ信託銀行は、お客様それぞれの資産運用目的や環境の変化に対応するため、商品ラインアップの拡充・品質維持向上に力を入れており、高い専門性を持った社員のサポートを強みとしています。

MUFGグループの一員として、三菱UFJ信託銀行でも、「MUFJ Way」を基本方針として採択しています。

サステナビリティの取り組みとしては、社会福祉の向上を目的とした「かけはし信託愛の基金」の設立や、社員を対象とした「認知症サポーター養成講座」を実施しています。

東京海上日動火災保険

就活生からの人気が高い東京海上日動火災保険も、三菱グループの傘下にある損害保険会社です。東京海上日動火災保険は、海外事業を強みとしています。

保険会社の中でもかなり早く海外進出を実現し、多くの海外企業を買収しており、現在では、世界46の国と地域に918の拠点を構え、世界に事業を拡大しています。また、企業全体の利益の46%が海外事業のものであり、国内と海外で安定した利益を得ています。

「お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、「安心と安全」の提供を通じて、豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献する」ことを企業理念として掲げており、世界トップクラスの事業をグローバルに展開することを目指しています。

③不動産・建設

三菱地所

三菱地所は、住まいやホテル・リゾート、ショッピングセンターをはじめとした土地開発を行う大手総合ディベロッパーです。特に、三菱地所が手掛ける「ロイヤルパークホテルズ」はその上質な空間が全国各地で人気のホテルです。

三菱地所は「私たちはまちづくりを通じて社会に貢献します」を基本使命として掲げており、人々が満足でき、地球環境に配慮したまちづくりで社会に貢献することを目指しています。

サステナビリティの取り組みとしては、丸の内ビルディングや大手町ビルディングを中心とした三菱地所が保有するビルへの再生可能エネルギーの導入や、持続可能な木材の利用推進を行っています。

④化学・機械

三菱電機

三菱電機は大手総合電機メーカーです。私たちの身近にある家電からインフラ設備、さらには人工衛星開発まで、12にものぼる幅広い事業分野で活躍しています。各事業において高度な技術資産を持ち、社会の多様なニーズに対応できることが三菱電機の強みです。近年は、グローバル戦略にも力を入れています。

「私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。」を企業理念とし、技術や品質の向上、そして「人」を尊重することにより、三菱電機に関わる人々と信頼関係を構築することを重視しています。

さらに、サステナビリティの取り組みとしては、人工衛星を活用した地球環境の把握と保全に注力しています。

三菱ケミカル

三菱ケミカルは、総合化学メーカーとして、ポリマーやプラスチック加工品、化学繊維をはじめとした多様な製品を開発しています。その総合力を強みとして、日本の化学メーカーではトップの存在感を誇ります。

三菱電機は、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」をKAITEKIと名付け、KAITEKIの実現に向けて​価値の創出に取り組んでいます。三菱電機の選考を受ける方は、KAITEKIというキーワードを覚えておくことをおすすめします。

サステナビリティの取り組みとして、事業活動を行う中での温室効果ガスの削減や、持続可能な資源の管理を行っています。

三菱自動車

三菱自動車では、コンセントから充電できるPHEV(プラグインハイブリッド)や険しい道でもスムーズに走行できる4WDといった技術、SUV(sport utility vehicle:スポーツ用多目的車)に力を入れており、業界内ではこれらの分野でリードしています。

「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくります」をビジョンとし、独創的な商品で新しい体験を提供することや、持続可能な社会に貢献することを目指しています。

サステナビリティの取り組みとしては、「ぶつからない」安全技術を搭載した車の開発による交通事故の削減や、走行時の排出ガスのクリーン化に力を入れています。

食品・飲料

キリンホールディングス

就活生からの人気が高い飲料メーカーのキリンホールディングスも、「三菱」の名前は入っていませんが、三菱グループの傘下企業です。「一番搾り生ビール」や「午後の紅茶」をはじめとしたドリンクだけではなく、医薬品の開発も行っています。

キリンホールディングスは研究開発力を強みとしており、商品企画から研究開発、製造、販売を一貫して自社で行っています。最近ではプラズマ乳酸菌の発見に成功し、それを生かした免疫ケアの商品にも力を入れています。

「よろこびがつなぐ世界へ」をスローガンとし、食を通じて人々の健康・楽しさ・快適さに貢献することを目指しています。ちなみに、キリングループの商品パッケージにもついているシンボルの「聖獣麒麟」は、よいことがある前触れとして姿をあらわすと言われており、「幸せを運び、よろこびと共にある」という意味を込めてキリン グループのシンボルとなっています。

【まとめ】三菱グループの企業は「総合力」が大きな強み!

「組織の三菱」と呼ばれる三菱グループの企業は、各業界で「総合力」を強みとし、大きな存在感を誇っています。また、サステナビリティの取り組みにも力を入れており、商品やサービスを通じて持続可能な社会に貢献することを目指しています。


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