「院進学するか、それとも就職するか?」。理系の学部生の中には、進路に悩んでいる学生も多いのではないでしょうか?
「なんとなく皆、大学院行くし、自分もそうしようかなぁ」「もう研究はしたくないから就職がしたい!」など、 抱える思いはそれぞれ違うと思います。
今回は進路に迷っている理系学部生のために、就職と院進それぞれのメリット・デメリットをまとめてみました!!
院進学のメリット
専門性が磨かれる
院進学をすることで自分の専門性が磨かれるというのが、一番分かりやすいメリットです。就職活動でも、修士の学位を持っていると専門性を持っていると考えられ、メーカーの技術職のような職に就けるようになります。
大学によっては、大学推薦というものがあり、楽に就職活動を終えられるというパターンもあります。しかし、自分が進めてきた研究や学んできた専門性を、そのまま実際の職務に活かせるとは限らないので、そこは注意が必要です。
自分の将来についてじっくり考えられる
院生は、就活までに与えられる時間が学部生に比べて二年分多いです。その与えられた時間の中で、自分の将来についてじっくり考えることができます。研究活動に集中することで、技術職や研究職に就く将来を考えることも可能です。
アルバイトやインターンなどを数多く経験し、興味の幅を広げることもできるでしょう。こうした時間の中で、自分の将来を見据え、自分に合った職業が何なのかについて思考することで、自分の納得のいく就職活動ができるようになります。
研究に対する思考プロセスとプレゼンテーションスキルの向上
研究で培った経験というのは、学部生には無い武器になります。研究を続けることによって、答えのないものに対する取り組み方や、答えまでたどり着く粘り強さが身につきます。研究で行う「仮説→実験→検証」といったプロセスは社会で働くうえでも重要なことであり、こうしたプロセスに慣れていることも大きなプラス要因です。
また、学会や研究室内での発表の機会が多いので、パワーポイントの資料作成能力や、プレゼンテーション能力といったスキルも身につけることができます。こうした能力は社会人に求められる基礎スキルなので、就活時や就職後もプラスに働くでしょう。
院進学のデメリット
学費がかかる
デメリットの一つとして挙げられることは、学費がかかってしまうという点です。国立の大学にしても、私立の大学にしても高い学費を払わなければなりません。高い学費を払ってでも行く価値があるかしっかり考える必要があります。
研究室に当たりはずれがある
研究室によっては、教授の奴隷のような状態になってしまうこともなくはありません。自分の思っていたような研究ができず、大学院生としての時間を無駄に過ごしてしまう可能性もあります。
就職活動の時期になっても、その忙しさのあまり、研究と就活の両立が難しいということもあります。研究テーマや研究室は事前にリサーチをして、慎重に選ぶようにしましょう。
人間関係が閉鎖的
人間関係的な観点から言うと、研究室は閉鎖的な空間であり、外部の人との関わりが少なくなるというデメリットがあります。その閉鎖的な空間のメンバーも自分で選べるわけではありません。
もし自分に合わないメンバーと一緒になってしまった場合は、辛い大学院生活を送らなければなりません。アルバイトやインターン、勉強会など、積極的に交友関係を広げる努力をしてみるのがいいでしょう。
就職のメリット
社会人としてのスタートの早さ
若い間の二年というのはとても貴重な時間です。社会人としてのキャリアを二年早く始めることができれば、早い時期にビジネススキルを磨くこともできます。
技術職や研究職に進むことを望まない学生の場合、自分のキャリアアップに集中するべきです。早くから社会に出て、ビジネススキルを磨くことで、より意義のある二年間を過ごすことができるでしょう。
就活における優位性
また、就活においての優位性というメリットもあります。一般的に理系の学生は、文系の学生よりしっかり勉強していると考えられています。数字に強く、論理的思考力にも優れているといった観点からも、企業側からの評価は高いです。
メーカー系企業では、大学院で専門性を磨くよりも、若いうちに就職して自社内で専門性を磨き、自社に合った人材に育って欲しいと考える企業も存在します。理系の学部生は就職市場において希少なので、その需要は高いです。
金銭的な余裕
金銭的な面でも、大学院に進む分の学費を親にかけさせないですむというメリットがあります。自分でも給与を毎月貰えるようになり、アルバイトと違いボーナスも貰えます。金銭的な部分では、かなり余裕ができるでしょう。
就職のデメリット
技術職、研究職への進みにくさ
学部卒でも技術職として採用してくれる企業はありますがその数は少なく、技術職には修士までの修了を求める企業が大半です。技術職では、ある程度の専門性が求められるため、学部生を技術職として採用してくれない企業が多いのです。
研究に対する時間の短さ
また、学部で卒業してしまうと、どうしても研究が浅いまま終わってしまいます。研究室に配属されてから卒業までの短い時間では、自分の研究を突き詰めることは難しいです。
もし大学院に進学して研究で何かしらの成果を得たら、それを学会で発表する機会がありますが、学部で卒業してしまうとそういった機会も失ってしまいます。研究に興味があって研究にしっかり取り組みたいという学生には、学部卒での就職はデメリットとなるでしょう。
悩んでいる時は実際に行動をしてみるのがおすすめ
とりあえず、就活を始めてみる
進路で悩んでいる学生はもちろん、修士課程への進学を決めている学生も、就活は学部生の段階で、経験した方がいいです。なぜなら、就活をして、もし良さそうな企業から内定を貰えればその企業に行くことができるし、まだ自分のやりたいことに自信が持てないというのであれば、その内定は断って院進学し、じっくり考えることができるからです。
院進学しても二年後には就活をするのですから、本番前の練習と考えることもできます。就活を経験すると自分の視野が広がるので、就活をした場合と、しなかった場合での大学院の過ごし方は大きく変わってきます。企業研究や自己分析を行ったり、実際に選考を受けてみると、考え方が変わったりいろいろと見えてくることもあるでしょう。
インターンシップに参加してみる
就職か進学かで迷っている場合は、実際に仕事を経験してみるという方法がおすすめです。インターンシップなら、実際に企業で就業体験ができるので、就職後のイメージもしやすくなります。実際に会社に入って仕事を経験することで、自分はすぐに仕事がしたいのか、それとも研究を続けたいのかもはっきりしてくるでしょう。
大学1・2年生から参加できるインターンや夏休みだけのインターンなどもあります。なるべく早い時期からインターンを経験しておくと、今後の進路の参考になる経験ができるでしょう。
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まとめ
今回は、院進学と就職の違いについて解説しました。院進学は学部生より二年多く研究を続けられ、自分の専門性を高められますが、金銭的な問題や、社会人としての経験の差が同年代より二年分生まれてしまいます。
それに対し就職は、金銭的な問題が無く、社会人としてのキャリアを早く積むことができるが、技術職や研究職に就職しにくくなる、研究が浅いまま終わってしまうという問題点があります。
これらのメリット・デメリットを理解したうえで、とりあえず就活を始めてみようというのが、この記事の一番のポイントです。人それぞれ、どこに重点を置くかは変わってくると思うので、自分に合った進路の選択をしていきましょう!
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