新卒の初任給、手取りはどれくらい?税金や保険料についても解説

就職活動中、様々な求人を見ているとどうしても給料の部分が気になってしまいますよね。しかし、求人に記載されている給料と実際に受け取れる給料には差があるのを知っていますか?

会社から実際に受け取る給料は、税金や保険料などが引かれた額なのです。この税金や保険料の詳しい仕組みと、実際に新卒一年目の正社員が受け取っている手取りの給料額の平均について紹介していきますね。

新卒の給料手取りはどれくらい?税金や保険料についても解説

額面と手取りの違いとは

そもそも給料には「額面」と「手取り」との二つがあることを知っていますか?

「額面」とは、基本給に加えて残業代や交通費、家賃補助などが合算されたものです。 求人票に載っている給与も額面になります。また、「月収」や「年収」で表記する場合にも額面の給与を示しています。

新卒の求人では極端に給料が高いケースが時々ありますが、その場合は求人票に「見込み残業代」のような表記があることが多いです。この表記がある場合、その給料に月20時間や45時間までの残業代が含まれているということになります。その時間を超えなければ残業代が支給されないので注意しましょう。

「手取り」は実際に給料として受け取る額です。「額面」の給料から税金や保険料が引かれた額になります。税金や保険料の額は独身か、既婚か、扶養家族が何人いるのか等で変わってくるので、一概に「額面の何パーセントが手取り」のような表現は難しいですが、新卒であれば80%ぐらいだと言われています。

新卒の手取りの平均額は?

それでは実際に新卒一年目の社員はどれくらいの給与を受け取っているのでしょうか?

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所が2017年に発表した初任給調査によると、20万5191円とのことです。これは額面なので、手取りはさらに少ないことになりますね。

手取りの平均額は発表されていませんが、額面が20万円で独身の場合は約16万円になると言われています。 税金や保険料で約4万円が引かれるということですね。

具体的に税金や保険料は何がどれくらいかかっているのでしょうか。

正社員として働く場合の税金と保険料について

納税は国民の三大義務の一つであり、必ず払わなければなりません。本来は、税務署に支払わなければいけないのですが、社員として働いていると会社が代わりに払ってくれます。給料から天引きという形で支払われているため、どの税金がどれくらいかかっているかを知らない社会人も意外と多いです。

社会人になる前に、税金と保険料の仕組みはぜひ覚えておきましょう。それぞれ説明していきますね。

税金の仕組み

主に税金として給料から天引きされるのは所得税と住民税になります。

所得税は収入から所得控除された額に対して課税される税金です。所得税は収入が多ければ多いほど税率が上がり(これを「累進課税」と呼びます)、最大で収入の45%が徴収されます。 所得が195万円を超えて330万円以下の場合は控除額97,500円で、その金額の10%が徴収されます。給料が月20万円でボーナスなしの場合は、年収240万円で社会保険料は年間12万円ほどなので(2,400,000-120,000)*0.1-97,500=130,500円となり、月額換算では約11,000円ほどが天引きされていくということになります。

住民税は都道府県民税と市町村税を合わせた税金のことです。住民税に関しては住んでいる地域によって異なります。
所得税は初任給からかかってきますが、住民税が徴収されるのは新卒2年目の6月からです。前年度の所得に対して約10%が徴収されます。
納める税金は2年目の方が多くなるので、月1万円ぐらいの昇給であれば手取りはほとんど変わらないことになります。

保険料の仕組み

日本では病院に行ったときに保険証を提示すると医療費は3割の負担で済みますが、これは保険料を支払っているから実現できています。
正社員として会社で働く場合は社会保険に加入することになります。社会保険とは、払わなければいけない保険料を会社と労働者が折半して負担する仕組みです。税率は標準報酬の10%と決まっているので、新卒で約20万円の給料だと約10000円が徴収されます。

この他にも、厚生年金保険料がかかります。税率は標準報酬の18.300%なので、新卒で約20万円の給料だと約18000円ほど徴収されます。

フリーランスやフリーターの方は社会保険と厚生年金には加入できないため、国民健康保険と国民年金という全く別の形で負担しています。国民健康保険は住んでいる地域ごとに税率が決まっており、国民年金は約16000円で固定されています。納付も自分で行います。
社員として働く場合には関係ありませんが、予備知識として覚えておくといいでしょう。

まとめ

新卒の給料からは税金や保険料で意外と多くの額が引かれてしまうのだと思った方も多いのではないでしょうか?

大学生のアルバイトであれば時給と労働時間を掛け合わせた額がそのままもらえるケースがほとんどですが、社員として働く場合は求人票に載っている額がそのままもらえることは絶対にないので注意しましょう。


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