航空業界は就活生に就職先として、とても人気の業界です。そのため就活の難易度は高いと考えられるので、航空業界に受かるにはしっかり業界・企業について研究し就活対策をする必要があります。この記事では業界研究に役立つ航空業界の現状や仕事内容、就活対策について徹底解説します。
航空業界について
航空業界とは
航空業界は観光やビジネスで飛行機を利用する旅客や貿易など貨物を空路を使って運んでいる業界です。同じ物流の分野では陸路を使う陸運や、船と海路で運ぶ海運があります。空運の特徴は多くの人やモノを速く運べることです。
航空会社の種類
航空会社はメガ・キャリアとLCCの2つに分けられます。メガ・キャリアは大規模航空事業者の事で、LCCは格安航空会社の事を指します。2つの違いは利用するときの値段です。
メガ・キャリアはより広い路線網と客室の内の高設備やサービスなど付加価値を付けて提供しています。それに対してLCCは一部設備の簡素化やサービスを効率的にすることで低コストを実現させています。
有名な航空会社
キャリアとLCCの航空会社で有名な企業をそれぞれ簡単に紹介します。日本の航空業界はANAホールディングスと日本航空の2大大手企業が独占状態です。
①ANAホールディングス
国内線・国際線ともに国内最大手の航空会社です。航空事業を展開する一方で航空機関連の物流を担っている総合商社事業や不動産、人材サービス事業など幅広い事業展開を行っています。アジア近距離路線に強みがあり、今後より国際線に注力していくようです。
②日本航空
通称JALと呼ばれている日本航空は元は国営の航空会社でしたが、1987年に民営化されました。2008年のリーマンショックを受け一度は経営破綻してしまいましたが、その後ビジネススタイルの変更等債権を行い現在では国内2位の航空会社です。国内線に強みがあり、高い安全性とサービス品質により利用客満足度も高いことが特徴です。
③ピーチ・アビエーション
ピーチ・アビエーションはANAの連結子会社である格安航空会社です。本社は関西空港にあり、新たに成田空港に拠点を置き首都圏でのサービス展開を行っています。2020年中に中距離国際線をアジアを中心に展開を目指していて、「アジアのリーディングLCC」として路線の展開に力を入れています。
④ジェットスター・ジャパン
ジェットスター・ジャパンはJALとオーストラリアのカンタス航空が合弁した格安航空会社です。国内線においてはLCCのシェアトップです。またジェットスターグループの一員であるためアジア太平洋に大きなネットワークを持っています。
航空業界の現状
航空業界の現状について解説していきます。旅行などのレジャー旅客分野と航空貨物など業務分野のどちらの分野においても現在航空業界は好況です。
訪日外国人旅行者などにより旅客者数が増加
日本では訪日外国人旅行者など旅客者数が増加していることで航空需要も高まっています。また格安航空会社の参入により利用者が増加したという背景もあります。
近年では格安航空も定着し、片道6~8時間の中距離路線の参戦を検討するなど更なるサービス展開が見込まれます。
フルサービスキャリアが息を吹き返す
LCCが参入した際、激しい価格競争によりフルサービスキャリアの航空会社は押され気味でしたが、近年この価格競争も落ち着いてきています。
例えば2019年7月にANAが国際線主力の航空機の内装を一新しました。初めてビジネスクラスのドアを個室型シートに、パーソナルモニターは世界初4K対応画面を設置しました。
このような今までより高い付加価値をかけた高品質のサービスを実現したことで、よりLCCとフルサービスキャリア航空会社を差異化しました。
航空業界の仕事内容
航空会社というと航空機内で働くキャビンアテンダントやパイロットをイメージする人も多いと思います。しかし航空会社には陸からサービスを支える多くのスタッフや仕事が存在します。なので就活でもどの職種を希望するのかによって選考フローや求められる条件も変わってきます。
総合職
航空会社の総合職には全てのフィールドで航空ビジネス関わる事務系と航空機の整備部門を担当する技術系の2種類があります。事務系は人事や経理などコーポレート機能、営業などのビジネス機能、運航管理などのオペレーション機能など仕事は多岐にわたります。
総合職に関して専門分野の文理を問わない企業が多いですが、航空の総合職(技術系)は理系学生のみを募集している場合がほとんどです。
運航乗務職(パイロット)
航空機を目的地まで運航する操縦士の仕事です。操縦士として勤務するためには操縦士の資格が必要です。ANAやJALは資格を持っているライセンサーの採用と併せて、未経験者でもパイロットの資格を取れる自社養成コースと2パターンの採用を行っています。
客室乗務員(キャビンアテンダント)
客室乗務員は機内の接客や、機内商品やサービスの企画などを行います。気配りや緊急事態に対処するための冷静さや判断力などが必要とされます。他にも語学力や適正な身長・体重など条件が設けられていて、総合職やグランドスタッフと選考フローが異なります。
グランドスタッフ
空港のチェックインカウンターでの搭乗手続きや、搭乗ゲートでの案内業務を行うのがグランドスタッフです。空港で航空券を購入されるお客様のための発券業務や搭乗するお客様の荷物の超過料金の清算業務などもあります。
グランドスタッフは航空会社の社員であることは少なく、関連会社や代理店などから派遣されていることが多いです。
航空整備士
航空整備士は、機体やエンジンの定期的な点検、修理などを行います。航空整備士の仕事は多くの人の命に関わるため、高い専門知識と注意深さが求められます。
航空整備に関する専門知識を学べる学校を卒業しているか、理系学部の出身であることが応募の条件となっていることが多いです。資料やマニュアルなどが英語のことが多いため、高い英語力も必要です。
運航管理(ディスパッチャー)
出発地・目的地・飛行ルートの気象状況を考慮して、ベストな飛行ルートや高度などを決めるのがディスパッチャーの仕事です。それ以外にも、必要な燃料の計算、重量や機体のバランス確認なども行います。
航空管制官
航空管制官は、国土交通省に所属する国家公務員です。航空機同士が接触しないで空を飛べるよう管理したり、安全に離着陸できるようパイロットに離着陸の許可を与えるのが航空管制官の仕事です。
航空業界の就活対策
グローバルな現場で華やかなイメージの航空業界は学生から就職先として人気で、就職の倍率はとても高いと言えます。選考で勝ち残るために行うべき就活対策を紹介します。
企業研究
国内の航空会社だと人気なのはANAとJALの2社です。面接では何故JALなのか、またはANAを選んだのか2社を比較する質問をされることが多いです。
より企業について理解を深めるためにもこの2社は比較して特徴を押さえておきましょう。各航空会社の強み・弱み、サービスの違いや今後注力していく事柄についてしっかり研究しておきましょう。
面接対策
倍率の高い企業の選考にはしっかり事前準備を行い面接対策をする必要があります。特に最初の方の選考はグループディスカッションや集団面接など短い時間で自分を売り込む必要があります。インターンシップや他社の選考に挑戦するなど経験を積んで場慣れをしておきましょう。
語学力をつける
航空業界は海外とのやり取りが多いグローバルな仕事なので、選考時に必須とされなくても語学力は後々必要となってきます。例えば国際線の客室乗務員になるためには、外国人の利用客の接客ができる程度の流暢な語学力が求められます。
また志望動機として「グローバルに働きたい」と思っている場合、自分の国際性をアピールするために語学力がある方が説得力があります。
客室乗務員を志望する場合目安としてTOEIC600点程が必要です。また選考フローに英語での面接が含まれることもあります。英語以外の語学は必須ではありませんが、身につけておいて損はないでしょう。
インターンシップに参加する
航空業界に興味がある方は航空関連の企業が実施しているインターンシップに参加してみるといいでしょう。インターンシップでは、業務内容についての講義を聞けたり、実際に業務を体験できたりします。
現役社員から話を聞ける座談会などをプログラムに組み込んでいる企業も多いため、業務について理解を深めることができます。働いている人や企業の雰囲気がよくわかるため、自分に合う職場かどうかを見極めるチャンスにもなります。
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最後に
観光客の増加など世界的に人の流れが活発化していることから、航空業界は近年業界規模が拡大し続けています。国内ではANAとJALが市場をほぼ独占していますが、よりグローバルに働きたいと考えている人は海外の航空会社も合わせて調べてみてください。
また各航空会社によって選考の仕方が他の業界と違うこともあります。志望する会社をしっかり研究して対策を行いましょう。
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