働き方が多様化している今、企業は優秀な人材を確保するべくさまざまな取り組みを行っています。一方で、新卒で入社した人材が3年以内で辞めるといったミスマッチも起きているのが現状です。そんな中、新卒採用支援を中心として学生と企業をマッチングさせる仕組みを構築し、リクルーティング事業や人材紹介などを行う株式会社リアライブ。同社が展開するイベントは年々参加者が増加し大きな反響を呼んでいます。今回は、同社でメディア担当として活躍する水本さんに、学生と企業をマッチングさせる「場」を設ける意図はどこにあるのか?学生のうちにできることは?といったことなど、お話を伺いました。
ミスマッチをなくしたい。リアライブの採用支援事業
―まずは、事業概要を教えてください。
当社は「入社3年後のミスマッチをなくす」を理念に掲げ、採用支援を行い、今期で7期目に入る会社です。事業領域としては新卒と中途向けの2つ。その中で、新卒向けには「JobTryout」を中心とした学生と企業をつなぐイベント事業を行っていて、当社の売上を大きく占めています。また、イベントに参加した学生やオウンドメディア会員向けに、キャリアアドバイザーが企業をご紹介する事業やオウンドメディアを通して学生向けの情報発信も行っています。中途向けには、昨秋から新規事業として新卒向けと同じく紹介事業をスタートしています。
―水本さんの担当業務も教えていただけますでしょうか。
社内でただ一人Webディレクター&マーケターとして、新卒領域のオウンドメディア「Rebe」の改修運用やWebマーケティング全般(SEO&SEM、広告運用、アクセス解析&集計など)を行っています。2017年には前年比500%のアクセス増加、259%の会員数増加などを達成することができ、さらに向上できるよう日々努めています。実は、学生時代に当社のインターン1期生として約2年ほどSNSアカウントの運用やイベント企画等の活動をさせていただいていました。大学卒業後は2社ほど他社で経験を積み、現在に至っているという経緯があります。
学生と企業の接点を持つ「場」は、相性を調べる場
―新卒学生向けイベント「JobTryout」とは、どのようなイベントでしょうか。
学生と企業6社のマッチングイベントです。ビジネスゲームを通じて、学生の行動力・思考力・コミュニケーション力といった能力を、参加企業の人事担当者が評価し、学生にフィードバックする内容となっています。また、全てにあてはまるわけではありませんが、評価が高い学生はその後採用選考にも進むこともあります。例年、全国各地で開催しており2020年卒(現3年生)向けでは、年間300回を超えるイベント開催を予定しています。
―どのような学生が参加していますか。
対象となる学生や開催時期にもよるとは思いますが、就職活動やインターンシップに対して感度が高く積極的に行動する学生は多いという印象を持っています。一方で、就職活動などのイメージが湧かずにいた学生であっても、当社のイベントをきっかけに動き出していく方たちもいます。ご参加いただくことで、学生それぞれ何かのきっかけになっているとは思っています。
―イベントに参加する企業が、学生に期待しているところはどこにあるのでしょうか。
参加していただいている企業すべてが、一概に同じことを求めているとは言えませんが、所謂「イケてる学生」と出会えることを期待しています。この「イケてる」の判断基準も、志向性・活動量・好奇心などいろいろあると思います。新規事業を次々と生み出す会社であれば、興味の幅が広くさまざまなことにトライしてきた学生を評価するでしょうし、一方で物事を貫徹することができるという点に重きを置く企業もいます。企業ごとに、学生の評価軸が異なるので、イベントに応じてさまざまな観点で学生の志向を見れるゲーム内容にしています。
―学生と企業が「相性を調べる場」ということですね。
そうですね。企業の大小や大学名など表面的に見るのもありますが、結局のところ相性は大事。どんなことでも新しく接点が生まれると、自ずと相性みたいなのは意識していると思います。もちろん、イベント1回では学生と企業の双方が判断できない部分もありますが、学生と企業のそれぞれの考え方であるとか、やりたいこと、ビジネスモデルなどが互いにフィットするかどうかを見ることができる場であると思っています。
―就活支援サイト「Rebe(リビー)」やTwitterなどWebメディアも充実していますね。
開催しているイベントなどは学生と企業が直接接点を持つことに価値がある場です。しかし、いきなりイベントを探して参加しようとする学生はそんなにいないと思うんです。それに、1度に参加していただける学生数は限られていますし、イベント回数を増やすことができても企業側が対応できる限界もあります。より多くの学生が情報に触れる機会を増やすには、やはりWebメディアが重要となってきます。当社としては、プラットホームがあることでイベントの存在を知っていただけますし、学生にとっては情報収集の一環だったり、情報に触れた先に何かアクションを起こしていくきっかけになればと思っています。
できない理由をなくせる人を目指そう
―水本さんご自身についてお伺いします。大学時代はどんな学生でしたか。
両親の仕事の関係などもあり、英語が身近だったり面白いと感じていたので、大学の授業も積極的に勉強していましたし、TOEICとかTOEFLなどの試験にも挑戦をしていました。大学1年の終わりには、実際に現地に行きたくなり留学をきっかけに初めて一人で海外に行くという経験を積みました。一人で飛び込んでみたときに、周囲に比べて何もできていない自分がいることを思い知りました。そんな経験を通して、帰国後は自分でやりたいと思ったことは積極的に行動するよう意識して生活をしていましたね。また、同じく1年生のときにはサークルを作ったり、父の仕事姿を見ていて自分で事業をやってみるのも面白そうと思っていたので、教育支援をする学生団体を立ち上げるといった活動もしました。
あとは、中学時代からずっとバンド活動もしていて、本気でプロを目指そうと思っていたので練習に明け暮れていた学生生活でしたね。振り返ってみると、やってみたいことをとことん楽しんでいた学生だったと思います。
―今、水本さんが学生に伝えるとしたら、どんな人材を目指していくことが大切だと言えるでしょうか。
「やりたいと思ったときに、できない理由(お金や人の問題など)を潰せる人」ですね。最初から明確に「これがやりたい」と決まっている学生は、そう多くないでしょう。例えば、小学校の卒業アルバムに書いたことを今体現できている人ってどれくらいいると思うかを考えたときに、大多数の人は書いたこととは別の何かをやっていたりします。社会人になっても、本当にやりたいことが見つかっていない人はいます。私は「やりたいことは、フェーズによって異なる」と考えています。年齢かもしれないし、フィールドかもしれない。「これだ!」というのを見つけられたときに、ダメにせず進めることができる「ヒト、モノ、カネ」といったものを担保しておけることが大切だと思います。
そんなことを踏まえて、やりたいことを見つける手段として、学生時代は海外遊びに行くことや、インターンシップに参加するなど、どんな経験でもよいと思っています。何か行動を起こし、経験をしていることが自分にとってプラスになっていくと思いますね。
―経験を積みながら、やりたいことができるようにする次のステップとして必要なことはなんでしょうか。
「思考すること」だと思います。就職活動をする学生の中に「市場価値を高めたい」と言う学生がいたとします。何も考えずに市場価値を高めたいと想いが先行しているのと、どうやったら市場価値が高まるかを具体的な考えを持っているのとでは説得力が違ってきます。経験しながら、思考を巡らせることでより自分自身の深みにつながると思うんですよね。それに「思考すること」は人間の強みでもある。だから、考えることは辞めないでほしいですね。
リアライブ 担当者プロフィール
水本 豪
経営企画室 メディア担当
大学在学中に(株)リアライブの企画広報長期インターンシップ第1期生として約2年活動。
新卒就活生へのリーチ数&カバー率で日本一を誇るSNSアカウントの形成を主に、別プロジェクトとしてコミュニティ参加人数日本一の就職活動支援団体「シェア活」を立ち上げ、企業と学生を結びつけるマッチングイベントを数度開催。
卒業後は、インターネットリサーチ会社に入社し、新規アプリ制作事業や主軸のマーケティングリサーチ事業に従事。海外法人企業の立ち上げに携わった後、メンズアパレルブランドのECストアを手掛けるWeb会社での事業コンサルを経て、2016年9月よりリアライブに再ジョイン。 社内でたった1人のWebディレクター&マーケターとして、社内MVPを獲得するなどメディア部門の持続的な成長を支えている。
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