理系学部の就活生のみなさん、就活の準備は順調ですか?そろそろ就活の時期だけど、何から始めればいいかわからないという就活生も少なくないでしょう。
まずは、自分の所属学部の進路の特徴や強み、就職先などを知っておくと、就活をスムーズに進めることができます。
ここでは、理工学部の進路と就職の特徴や、理工学部の学生におすすめの就職先などを紹介します。
就活は何から始めるべき?と迷っているなら
- ・理工学部学生の進路
- ├半数近くが院に進学する
- └院に進学するメリットは?
- ・理工学部生の就職
- ├就職率が高い理工学部
- └企業のニーズも高い
- ・理工学部におすすめの就職先は?
- ├金融業界
- ├情報通信業界
- ├製造メーカー
- ├電機メーカー
- ├マーケティング業界
- └化粧品業界・化学メーカー
- ・理工学部の学生の就活ステップ
- ├①業界研究
- ├②やりたいことを明確にする
- ├③OB・OG訪問をする
- └④インターンシップに参加する
- ・最後に
理工学部学生の進路
半数近くが院に進学する
理工系の学部では、大学卒業後すぐに就職せず、院に進学する学生が多いという特徴があります。
文部科学省「平成29年度 学校基本調査」の分野別卒業者の進路状況によると、理学系では42.7%、工学系では37.1%の学生が院に進学しています。他の分野の平均進学率が約8.4%であることから、理工系学部の進学率はかなり高いと言えます。
各大学の理工学部を見ても、横浜国立大学では77.4%、慶應義塾大学では約70%、東京理科大学では50.5%の学生が院に進学するなど、半数近くかそれ以上の学生が院に進学しています(院への進学率は各大学HPより抜粋)。
院に進学するメリットは?
理工学部の学生が院に進学することで、どんなメリットがあるのでしょうか?
①専門性が身につく
院では、大学で学んだことをさらに深く追求し、学びを深めます。当然、学部卒の人よりも専門的な知識や技術が身に付くので、活かせる場があれば強みになります。
②グローバルな環境に身を置ける
学会に出席したり、自分が研究内容を発表したりするために海外に行くことがあります。研究室によっては、海外の大学で研究をしたり、さまざまな国の留学生と一緒に研究したりするなど、グローバルな環境で学べる場合もあります。
英語力をアップさせられるだけでなく、さまざまな文化のもと育った人や、異なる価値観を持った人と一緒に過ごすことは貴重な経験となりそうです。
③初任給が高くなる
企業にもよりますが、院卒のほうが初任給が高く設定されているケースがあります。業務に直結するスキルや知識があれば、昇給にもつながっていきます。
④就職に有利になる
技術職や研究職の場合、院卒であることが応募条件に含まれている場合があります。理系学生に人気の食品メーカーの研究職でも、院卒の学生を積極的に採用しているところがあります。
理工学部生の就職
就職率が高い理工学部
理系学部の中でも工学部と並び就職に強いとされる理工学部。理工学部の学生は、院に進学しない学部卒でも就職率が高く、その業界は多岐にわたります。
就職率の高さから、理工学部の学生がさまざまな分野で求められていることがわかります。大学で学んだことが活かせる業界も幅広いのが特徴です。
企業のニーズも高い
化学や物理、数学を得意とする学生が集まり「ナノテクノロジー」や「AI」など最先端分野にリンクする研究を行っている理工学部。数字やデータの処理に長けていることから、さまざまな業界や職種でニーズが高い学部です。
理工学部で学ぶことがいかせる職種は、研究職や技術職だけではありません。企画やマーケティングなど、幅広い分野で力を発揮することができるでしょう。
理工学部におすすめの就職先は?
理工学部出身者が多く就職していて、大学で学んだことがいかせる業界を中心に、おすすめの就職先を紹介します。
金融業界
覚えるべき専門知識や取得すべき資格が多く、プロフェッショナルとして一人前になるまで時間がかかる金融の仕事。理工学部の学生が特に活躍しているのは、アナリストやアクチュアリーなど、数値データを分析したり、これまでの統計や確率から適切な数値を打ち出すなど、数学的な要素の含まれた仕事です。
理系イメージの薄い金融の仕事ですが、実際には確率論や統計学など数理的な手法が必要とされます。
情報通信業界
大手企業を中心に、IoT(Internet of Things=モノのインターネット化)やAIなど新しいテクノロジーを技術に落とし込む動きが強まっています。
こういったプロジェクトでは膨大な情報を処理する必要があるため、情報処理能力に長けたITエンジニアのニーズが高まっています。そのため、理工学部の学生への需要は高いです。ただでさえ恒常的な人手不足が続いている業界ですので、理工学部の学生にとっては就職しやすい業界です。
製造メーカー
製造メーカーに研究開発職として就職する理工学部出身者は多いです。理工学部のなかでも機械工学など、工学よりの学科で学んだ知識が活かせます。
製造メーカーには外資系企業もあるほか、ソフトウェアの説明書を読んだり、プログラミングの調べものをしたりする際など、英語に触れる機会が多いです。就職後に英語力を磨く人が多いですが、就活時にアピールできるだけの英語力があると、かなりの強みになります。
電機メーカー
機械設計や開発部門などで、多くの理工学部出身者が活躍しています。素材の選定から始まり、形状のデザイン、機能面での問題の改善などに関わる業務を担当します。
他部門と関わり合いながら進めていくので、専門的な知識や技術だけでなく折衝力やコミュニケーション能力も求められます。
マーケティング業界
企業が新しい商品やサービスを開発したり、新しい市場を開拓したりするにあたり、マーケティング活動は欠かせないものです。
集められたビッグデータを分析・解析してサービス改善などの施策を打ち出す、データアナリストやデータサイエンティストなども理工学部出身者に向いている仕事です。幅広いITの知識、データ分析の技術、統計学の知識などが必要とされます。
化粧品業界・化学メーカー
商品の要素となる技術や素材などの開発を行います。一つの技術や素材の開発に5~10年以上のスパンがかかることもあるため、粘り強さと探求心を持った人材が活躍できます。
理工学部の学生の就活ステップ
理工学部の学生におすすめの就活の流れを解説します。
①業界研究
理系の学生は研究や授業が忙しく、文系の学生よりも時間が限られています。就活にかけられる時間も少なくなるので、なるべく早い時期から就活をスタートさせる必要があります。 理工学部の学生は就職先が幅広いので、志望の業界を絞るためにも、まずは業界研究を少しずつ始めるのがいいでしょう。自分のやりたい仕事ができそうな業界、身につけた知識をいかせるフィールドを探してみてください。
②やりたいことを明確にする
業界研究をしながら、どんな仕事がしたいかを明確にしていきましょう。興味のある業界や職種をピックアップしていきます。
仕事内容だけでなく、同時に「どんな働き方がしたいか」も考えます。職種や企業の規模によって働き方や拘束時間も異なるので、自分の希望する働き方を明確にしておくことも大切です。
③OB・OG訪問をする
やりたいことが明確になったら、志望職種についている先輩に会って話を聞いてみましょう。仕事内容だけでなく、仕事場の環境や仕事のやりがいなどについても聞いてみると参考になります。
④インターンシップに参加する
志望する職種や企業が絞れてきたら、企業のインターンシップに参加してみましょう。企業で就業体験をしてみると、ネットの情報だけではわからなかったことも見えてきます。
職場環境や仕事の進め方を間近でみると、業界への理解もかなり深まります。やりたいことや好きなことも明確になってくるでしょう。
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最後に
情報処理やAI、システム構築など、理工学部の学生が学ぶ分野への需要が、今後ますます高まっていきそうです。院へ進学するか否かも含め、自分の進むべき道を考えてみましょう。
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