郵便局といえば、47都道府県どこにでもあり、小さなころから身近な存在だったという人も多いでしょう。
金融関係や生命保険関係の仕事に就きたいと考えている方の中でも、より「地域密着」や「地元へ貢献したい」という考えをお持ちの方にとって郵便局への就職はぴったりです。
しかし、身近な存在であるとはいえ、郵便局の仕事内容は実は私たちがイメージできているものだけではありません。業界研究をするうえでのポイントや就職対策を解説いたします。
- ・郵便局の変遷は絶対に押さえておこう
- ├2007年:郵便事業の民営化
- └2015年:日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行が東証上場
- ・主な事業内容を知ろう
- ├「日本郵政グループ」の4つの事業
- └保険事業は大きな強み
- ・こんな人材を求めている
- ├新たなチャレンジを恐れない人材
- └コミュニケーション能力に優れた人材
- ・郵便局にはどんな仕事があるの?
- ├3つの採用区分
- ├総合職の業務
- └地域基幹職・エリア基幹職と一般職の業務
- ・「郵便局」への就職を目指すならやっておきたい対策
- ├Webテスト・適性検査の対策をしよう
- ├郵便局でアルバイトをしてみよう
- └インターンシップに参加しよう
- ・最後に
郵便局の変遷は絶対に押さえておこう
「郵便局」の歴史および変遷は必ず押さえておきたいものです。郵政民営化やそれに伴う動き、そして「日本郵政」「日本郵便」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の4つの事業に分かれていることなどは最低限知っておきましょう。
2007年:郵便事業の民営化
郵便局のサービスである郵便・簡易保険・郵便貯金の郵政三事業は、以前は国が運営していた事業であり、2007年に郵便事業株式会社へと民営化されました。
国が行うことが当たり前だとされていたこれらの郵政三事業ですが、長年郵便局に郵便貯金が集まってくることから、赤字のまま改善がされない期間が続き、事業をすべて民間事業に委託することで市場競争にさらすことが必要だという議論の末に民間企業へと事業が移管されました。
その後、「郵便事業株式会社」は2012年に「郵便局株式会社」に吸収合併され、「日本郵便株式会社」へと変更になりました。
2015年:日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行が東証上場
2012年10月1日には郵便局と郵便事業を統合した日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命と日本郵政の4社から組織される「日本郵政グループ」となります。
そして、2015年には日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行が東証上場しました。いち民間企業として新たなスタートを切ったタイミングといえるでしょう。
主な事業内容を知ろう
続いて、それぞれの主な事業内容について知っておきましょう。
「日本郵政グループ」の4つの事業
「日本郵政グループ」には4つの事業があります。「日本郵政」「日本郵便」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の4つの事業です。名称からもわかるように、それぞれ、「郵便」「銀行」「保険」の違う事業を行なっています。
中でも、ゆうちょ銀行の銀行事業部門はリテール事業と運用事業に分かれており、リテール事業では、全国規模の身近なネットワークを活かした貯金や送金・決済などを行なっています。
郵便局時代からの全国ネットワークが大きな強みとなっているのですね。さらに、運用事業では多くの金融商品や投資などを行なっています。その規模は銀行にもひけをとらないほどです。
保険事業は大きな強み
特に「日本郵政グループ」が強みとするのは「保険事業」です。郵便局として「物流業界で日本最古」の歴史を持つ信頼感と、長年にわたる顧客とのネットワークを活かし、保険事業に大きな強みを有し地域に根付いたサービスを提供しています。
こんな人材を求めている
それでは、「日本郵政グループ」ではどのような人材を求めているのでしょうか?これまで見てきたように、他の企業とは少し変わった変遷を遂げてきていることもあり、抱える課題も独自のものです。「日本郵政グループ」ではその課題を解決できる人材が求められています。
新たなチャレンジを恐れない人材
長い間国営の事業の一環として存在していた「日本郵政グループ」では、民営化したもののまだまだ一般企業としては足りていない部分が多くあります。どうしても「守り」に入りがちだった社風からまだ抜け出そうともがいていることもあり、新入社員として迎え入れる人材には「新たなチャレンジを恐れない人材」を求めていると考えられます。
採用ホームページにも「さらなる変革の時代」に対し「お客様の多様なニーズに的確に応える」ことが必要だと書かれています。そこで、自分の考えや斬新なアイディアを臆せずに上司にも伝えることのできる積極性をアピールしてみましょう。
コミュニケーション能力に優れた人材
また、「日本郵政グループ」の多くの現場はお客様と直接触れ合う職場でもあります。「コミュニケーション能力に優れた人材」であることは大前提として見られているはずです。
「学生時代のアルバイトで接客の経験がある」「人と接するのが好きである」など、「コミュニケーション能力の高さ」を積極的にアピールしていきましょう
郵便局にはどんな仕事があるの?
郵便局ではどんな仕事ができるのでしょう?
3つの採用区分
日本郵政グループには、「総合職」「地域基幹職・エリア基幹職」「一般職」の3つの採用区分があります。
総合職の仕事内容:
新しいサービスや仕組みをつくり、管理する。
地域基幹職・エリア基幹職と一般職の仕事内容:
お客さまにサービスを提供する。
総合職の業務
総合職では、「制度や組織をつくる」「新しいサービスをつくる」というのが主な業務になります。
経営企画や営業企画を考えたり、新しい商品の企画・開発に携わることが可能です。業務を理解するために、接客業務を経験することもあります。
地域基幹職・エリア基幹職と一般職の業務
地域基幹職・エリア基幹職や一般職は、窓口などに立ってお客様にサービスを提供するのが主な仕事となります。
郵便局や支店の窓口での業務もありますし、お客さまのもとへお伺いしてサービスを提供することもあります。
「郵便局」への就職を目指すならやっておきたい対策
「郵便局に就職したい!」という就活生は、どんな対策をしておくべきなのでしょう?
Webテスト・適性検査の対策をしよう
郵便局への就職を目指すなら、Webテストと適性検査の対策をしっかりと行っておきましょう。Webテストの対策はもちろん必須です。
郵便局では真面目で誠実な人柄も重視されるので、適性検査も甘く見ずに対策をしておく必要があります。
郵便局でアルバイトをしてみよう
郵便局ではアルバイトを募集いるところが多いので、大学生でもアルバイトとして郵便局の仕事を経験することができます。実際にアルバイトをきっかけに郵便局の事業や仕事に興味を持ち、就職する人も少なくありません。
郵便の仕分けや配達などは、忙しくなる時期限定で募集されることもあるので、「郵便局の仕事に興味がある」「局内の雰囲気が知りたい」という学生はアルバイトをしてみるといいでしょう。
インターンシップに参加しよう
「日本郵政グループ」では大学生向けのインターンシップを毎年行なっています。全国規模の企業、金融関係の企業に興味のある方、あるいは地域に根差したサービスを行ないたい方は参加してみてはいかがでしょうか?
「日本郵便1dayコース」「ゆうちょ1dayコース」「かんぽ1dayコース」などがあります。インターンシップの内容は、事業内容の説明やグループワーク、社員との交流など。
インターンシップは1日のみの短期となっていますが、定員数がかなり多く参加しやすいのが魅力です。インターンに参加すると仕事への理解が深まり、志望動機作成にも役立つでしょう。
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最後に
長い間日本の国の事業の一環であった「郵便局」。民営化されたことでさまざまな課題も浮き彫りにはなっていますが、それでも長年全国47都道府県で築き上げたネットワークと歴史は他の金融機関に負けることはありません。その歴史と、新たなビジネス展開をしようとする社風は、チャレンジしたい方にはぴったりです。
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