就活生は志望就職先の内定倍率をどう見るべき?倍率が高いほどいい会社?

選考の難易度、競争率、内定確率...を示すといわれている「内定倍率」。有名企業・大企業ほど高い数値が見られるようですが、この倍率が高いほど「いい企業」であると判断して良いのでしょうか?

ここでは内定倍率の定義や倍率の高い/低い企業の特徴などについて解説します。内定倍率による企業の評価の仕方、就活の企業選びについて考えていきましょう。

就活生は志望就職先の内定倍率をどう見るべき?倍率が高いほどいい会社?
目次

就活生なら気になる内定倍率

内定倍率とは

内定倍率とは「新卒採用枠に応募した学生の人数」を「内定者数」で割った数です。基本的に、前年度の状況を算出した結果が公表され、それを就活生が参考にするという形になっています。

選考前に採用人数を公表している企業は少ないため、この内定倍率は選考を受ける上で、企業の競争率や内定確率を見ることができる重要な判断材料になります。

内定倍率の調べ方

内定倍率は、上場企業なら「就職四季報」に掲載されているのでチェックしてみてください。未上場企業の場合は非公開のケースが多く、データを公開していない企業も多いので、すべての企業の内定倍率がわかるわけではありません。

内定倍率が高い企業の特徴

内定倍率の高い企業はどのような特徴を持っているのでしょうか。

BtoCである

BtoC(Business to Consumer)とは、最終消費者向けのビジネス形態を指します。食品や日用品、家電や洋服など私たちに直接関係する製品を提供する企業は想像がつきやすいこと、身近に感じられることが倍率の高さに繋がっています。

BtoBのように企業間の継続した取引ではないため、どのようなアプローチをして個人に購入してもらえるかといったマーケティングができるという面にやりがいを見出す就活生も多いと考えられます。

大企業で知名度が高い

大企業は資金がある分、CMや電車での広告などで自社を宣伝するため、より知名度を挙げています。広告が就活生の目に止まる分、選択肢に含まれやすくなるでしょう。また、世間の評価や安定性といった点からも、大企業/知名度のある企業に応募する学生は多いです。

ESを提出する上で厳しい条件は存在しないため、記念受験のような感覚で選考を受けている学生が少なからずいることも内定倍率の高まりの要因となっています。

応募者数に対して内定者数が少ない

応募者数に対して、内定を出す数が極端に少ないことも考えられます。1万人を超える応募者のうち、内定を得た人数は数人という企業もあるほどです。同様に、応募者数がそれほど多くなくても、内定者数が数人しかいない場合は倍率が高くなります。

内定倍率が低い企業の特徴

内定倍率が低い企業はどのような特徴を持っているのでしょうか。

BtoBである

BtoB(Business to Business)つまり対企業のサービス・製品を提供する企業は、内定倍率が比較的に低くなっています。BtoB企業の多くは製造業であり、理系学生が技術職やエンジニア職、生産管理職等に就ける一方で、文系学生は営業または事務職というように活躍できる職種が少なそうであるということも関係しています。

企業向けビジネスであるため、サービスや製品に実際に触れることが少ないということも就活生の応募に歯止めをかけている一因です。

中小企業で知名度が低い

知名度の低さは、応募者が少数かつ内定倍率が低い要因の一つです。中小企業は広告にかける資金が少ないこともあり、名前を知ってもらう前に学生が就活を終えてしまうということもありあす。

製品やサービスの品質だけでなく、福利厚生や待遇が整っており、業績も安定しているにも関わらず数多ある企業に埋もれてしまっている優良企業は少なくありません。

多くの内定者を出す

単純に多くの内定者を出す企業は倍率が低いです。物流・運輸業、小売業は特に内定者数が多く、内定倍率の高い企業に引けを取らない応募者数がいても、低倍率となっている企業もあります。

したがって私たちがよく耳にするような知名度の高い企業でも、内定倍率の低い企業は存在します。

特に内定倍率の高い3業界

BtoCや知名度のある企業が高い内定倍率を誇っていることを解説してきましたが、特に高倍率になる傾向にある3業界を見ていきます。

食品業界

誰もが関わる「食」を扱う食品業界は内定倍率が高いです。普段の生活を通して最も馴染みのある業界であることから志願者が多いと考えられます。

数千人~1万人以上という圧倒的な応募者数に対して、内定者数は数人、数十人程と選考の厳しさが読み取れます。また、文系理系どちらの学生も携われる幅広い職種が存在することも人気の理由の一つです。

マスコミ業界

花形で社会に大きな影響を与えられるイメージのあるマスコミ業界も高倍率です。この業界は応募者数に対して、内定者数が1桁前後と非常に少ないことが特徴です。

新聞・出版不況を耳にすることもありますが依然として志望者は多く、とりわけテレビ局や広告業は就活生から高い人気を誇っています。

旅行・航空業界

上記の2つの業界と同じように、広告などによる露出度の高い旅行・航空業界も高倍率となっています。「旅行」「ホテル」「航空」といった学生の興味関心が置かれやすい事業内容であることも大きく関係しています。

その他の高倍率な業界

この他にも銀行や保険会社といった金融業界も、これまでの傾向と同様に内定倍率は高くなっています。しかしその人気の一方で地方銀行は低倍率となっており、就活生のメガバンク志向がうかがえます。

このように倍率の高くなる業界や企業は、毎年変わらず知名度のあるところや多くの就活生が志望する傾向にある有名どころが多くなっています。

内定倍率で志望企業を決める時の注意点

内定倍率の高い企業=いい企業とは限らない

ここまで内定倍率の高い/低い業界それぞれの特徴や、特に高い業界について紹介してきました。

ご覧になって分かるように、倍率の高い業界や企業は大抵、就活生から人気の業界となっています。つまり簡単に言えば、世間一般の知名度や傾向が一目で見ることができる数値とまとめることができます。

内定倍率の上位に含まれていなくても、待遇が良かったり、業績が上向いていたりする企業はたくさんあります。高倍率な企業だけが良い企業とは言えません。

入社後のミスマッチに注意

もし「知名度のある大企業で働きたい」「安定した企業で働きたい」という軸があるのであれば、倍率の高い企業を中心に受けるのも一つのやり方かもしれません。実際に知名度が高く安定した企業は、内定倍率が高い傾向にあります。

しかし、内定倍率だけで志望企業を決めて就職後に「やりたいことと違った」と仕事内容に不満が募ってしまってはやり切れませんよね。

内定倍率が低いから受かるとは限らない

あえて倍率の低い企業を受けたからといって簡単に受かるわけではありません。企業は本当にその企業で働きたいと思う学生を採用したいと考えていますし、表面上だけの志望動機は見透かされるでしょう。 内定倍率の高低に左右されず、自分の決めた軸からブレていないか、社風は合っているのか、やりたいことができるのかといった本質で判断すべきです。 (6)内定倍率に頼らず自分に合う企業を見つけるには (6-1)自己分析をしっかり行う まずは自己分析を行い、自分にとっての「就活の軸」を明確にすることです。志望企業を選ぶ際に、どんなことを基準にするか決めましょう。志望企業として譲れない条件をリストアップしていき、優先順位をつけておきます。

譲れない条件を考えるには、「どんな企業で働きたいか」「どんな仕事がしたいか」ということが明確になっていないといけません。就活の軸が定まっていない人は、自己分析を一からやり直してみてください。

中小企業にも目を向ける

志望企業を選ぶとなると、多くの就活生は大企業や有名企業にばかり注目しがちです。しかし中小企業や名前が知られていない企業でも、優れた業績をあげていたり、働きやすい環境が整っている優良企業はたくさんあります。

企業を選ぶときは知名度や倍率にこだわらずに、できるだけ視野を広げてたくさんの企業を選択肢に入れるようにしてみてください。

インターンシップに参加する

自分に合う企業を見つけるのは難しいものです。ホームページに書かれていることや会社説明会で聞いた情報だけでは、とても判断できませんよね。

企業をよく知り、自分に合っているかを見極めるには企業のインターンシップに参加するのがおすすめです。

インターンシップに参加すると、社内の雰囲気を実際に見ることができますし、仕事を体験することもできるので、「思っていたのと違った」というミスマッチを防ぐこともできます。

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まとめ

内定倍率について見てきましたが、それほど重要視する必要のない数字であることを分かっていただけたでしょうか。どれほど競争率が高いのか、内定を得るのが難しいのか比較的容易なのか、数値にされた一つの指標として活用することはできるかと思います。

就活の企業選びでは、人気や内定倍率よりも、自分に合っているかどうかが大切なことを忘れないでくださいね。


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