就活生は企業の「IR情報」をどう読むべきか。企業研究に役立てるには?

業務内容や知名度、待遇、やりがいなど、就職先企業を選定する材料はいくつもありますが、そのひとつにぜひ加えたいものに「IR情報」があります。

しかしIR情報とはどんなものなのかわからない就活生も少なくないでしょう。ここではIR情報を就活に役立てるために、IR情報はどこで調べられるのかやIR情報の見方、就活生が読むべきポイントについて解説します。

就活生は企業の「IR情報」をどう読むべきか。企業研究に役立てるには?
目次

IR情報とは?

IRとは投資家向けの情報

IRとは、Investor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、「投資家向けの広報活動」を意味する言葉です。

企業の多くは株式会社であり、投資家から投資を受ける(お金を借りる)ことで経営を成り立たせています。そのため、投資家向けに定期的に現状を公開しなければなりません。

財務状況や経営状態、業績の動向などを詳細に公開し、今後も投資するに見合った企業であることをアピールし、また新しい投資家を募るための活動でもあります。

IR情報はどこで見られるの?

R情報は、企業のHPに掲載されていることが多いです。「IR」、「投資家情報」、「投資家の皆様へ」、などと記載されているリンクをクリックして探してみてください。

IR情報のページでは次ようような情報が、グラフを多用し分かりやすくまとめてあります。

・決算公表資料
・決算記者発表
・業績ハイライト

自分で資料をいくつか開いてみて、とりあえず分かりやすそうなものをチェックすることから始めてみましょう。

就活生になぜIR情報が必要なのか?

IR情報から企業について多様な情報が得られる

企業のHPをチェックし、就活生向けの会社説明会に参加していれば、企業のことは十分に知れるのでは、と思う方も多いかもしれません。

でも、残念ながらこれらの情報は、企業にとっての自己PRでもあるので良い面ばかりが伝えられており、不利なことは何も公開されていない場合が多いです。

IR情報であれば、経営状態や財務状況、業績などが数字という客観的なデータで公開されているので、企業の現状をつぶさに知ることができます。

学生でも見やすいIR情報もある

企業の主軸分野が右肩下がりであったり、業界内では地味なイメージの企業が、実は堅実な経営を行う優良企業であったり、企業のHPやイメージからは伺えないことを知ることができます。

企業の表向きのイメージだけでなく実像をしっかり捉えることができるIR情報は、これから自分が勤める企業を選定する就活生にとって、実は欠かせない情報であるといえます。

IRには、基本的に嘘偽りのない情報を公開しているうえ、決算発表資料などはプレゼンテーション形式でグラフを多用した分かりやすくまとめたものが多いです。投資家だけでなく、初めて見る学生にも読みやすく作られています。

IR情報でチェックするべき項目

Iそれでは、就活生が最低限チェックしたい項目はどこなのか、紹介します。

売上高

売上高は高いほど業績が好調であり、下がっていれば不調であることが一目でわかります。企業全体の景気を知るのに役立ちます。

同業他社も見比べてみることで、業界全体の景気を読み解くこともでいます。また、業界全体が右肩下がりのなか、一社だけ好調だとしたら、その要因はどこにあるのかなど探ることもでき、業界研究、企業研究のよい材料にもなります。

純利益

売上だけでは分からない、企業が実際に儲けた額が分かります。直近だけでなく過去数年分のデータがあれば、どのように推移しているかチェックしてみましょう。

事業収益

事業分野ごとの純利益が発表されていることも多いです。 どの分野が企業の主軸、強味なのか、好調なのかなどが一目で分かります。

逆に、企業の弱い分野や今後縮小していく可能性のある分野も分かり企業の全貌が見えやすいです。

増減の要因を企業側が解説してくれている場合も多く、単に好調なのでなく資産の売却があった、減益が天候による一時的なものだということなど詳しく知ることができます。

過去のデータをさかのぼってチェックすることで、各事業について深く知ることができます。

今後の取り組み

決算資料や補足資料などに、今後の取り組みや展望がまとめられていることが多いです。

この部分を読むことで、企業が今後注力していきたい分野、新しく取り組む分野などを知ることができ、企業の方向性を知ることができます。

自分の知識を活かせそうな分野が該当すれば、自己PRにも活かせるでしょう。

IR情報を就活で役立てるには

IR情報を見る目的を明確にする

IR情報からどんなことが知りたいのでしょうか?まずは、IR情報を見る目的を明確にしましょう。IR情報は多様な情報が記載されているので、無目的に見るだけでは得られるものも少ないです。

「企業が力を入れている分野が知りたい」「企業の強み・弱みが知りたい」「経営状態を知りたい」など、目的によって見るべき項目は異なります。

「どんな人材を求めているか」「社風や文化が知りたい」ということも読み取れるので、まずはIR情報を見る目的を決めてみてください。

見るべきポイントを絞る

IR情報はさまざまな情報があり、ページ数もかなりあることが多いです。すべての情報を見ようとすると時間が足りなくなってしまう可能性が高いです。

効率的に企業研究をするためにも、あらかじめチェックしたい項目を決めておくことをおすすめします。

IR情報だけに頼らない

公開されているデータのみで企業を判断するのはよくありません。IR情報のデータや数字などだけではわからないこともたくさんあります。IR情報から企業について知ることは大事ですが、あくまで指標の一つとして見るようにしましょう。

就活では、OB・OG訪問やインターンシップなども企業を詳しく知るには有効な方法です。IR情報だけでなく、さまざまな方法で企業について調べてみると企業に対する理解が深まるはずです。

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最後に

企業説明会などでは知ることのできない情報が得られるIR。難しそうだからとスルーしないで、ぜひ一度目を向けてみてください。志望企業のIR情報を比べれば、優先順位を決めるのにも役立ちます。

ただ、IR情報で得られる情報をうのみにしすぎるのは危険です。売上がここ2~3年落ちているからといって、それが今後も続くとも限りません。

また、純利益が上がっていても、その要因がどこにあるのか、例えば大幅なリストラをした、工場をいくつも閉鎖したなどの背景があるのではよい材料とは言えず、完全に読み解くには企業の実情をよく知っている必要があります。

あくまでも、企業研究のひとつの材料としてお役立てください。


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