投資銀行は、就活生に高い人気を誇る就職先の1つです。しかし、日本国内では投資銀行という名前を聞くことは少なく、投資銀行に関してあまり詳しくない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな投資銀行の現状や仕事内容をを解説。投資銀行で求められる人物像やスキル、就職活動でやっておくべき対策についてもご紹介します。
- ・投資銀行の現状とは?
- ├投資銀行とは
- ├M&Aは好調
- └将来性には不安が残る
- ・投資銀行の仕事内容
- ├投資銀行部門(IBD)
- ├マーケット部門
- ├リサーチ部門
- └アセットマネジメント部門
- ・投資銀行で求められる人物像・スキル
- ├コミュニケーション能力が高い
- ├ロジカルで数字に強い
- └ストレス耐性がある
- ・投資銀行を志望する時の就職活動対策
- ├投資銀行で求められるスキルを理解する
- ├投資銀行それぞれの特徴を掴む
- └インターンシップに参加する
- ・最後に
投資銀行の現状とは?
投資銀行とは
私たちが一般的にイメージする「銀行」は個人や企業に融資を行い、金利収入を得ています。一方、「投資銀行」は、企業の証券を買い取ることで資金調達をサポートや他の企業を買収・合併するM&Aに関する助言などを行っています。
証券会社に近いスタイルの業務形態となっていますが、証券会社は投資家同士の売買を仲介するのがメインであるのに対し、投資銀行は企業から証券を一旦全て買い取った上で、投資家へと販売している点が異なります。
日本国内では投資銀行として独立するよりも、銀行や証券会社にその機能が含まれているケースがほとんどです。
M&Aは好調
日本におけるM&Aは好調で、2017年から2019年に至るまで3年連続で日本企業が関わるM&A件数が過去最多を更新しています。2019年はZホールディングスとLINEの経営統合やソフトバンクのヤフー連結子会社化などが注目されました。
どのようなM&Aに関われるかによって、投資銀行の業績は大きく変動します。そのため、投資銀行を志望する際には短期での実績だけでなく、長期的なスパンでの成長も確認しておく必要があるでしょう。
将来性には不安が残る
日本は少子高齢化で市場が縮小される可能性が高く、現在は国内でのM&Aが活発であるものの、これが収まってしまった際に、どのように投資銀行が収益を得ていくのかという点には不安が残ります。
多くの投資銀行は海外市場に目を向けてはいるものの、海外では外資系投資銀行も目を光らせており、さらに激しい競争で勝ち残っていく必要に迫られます。「長く安定して働きたい」という方は、各投資銀行の経営戦略なども十分に検討することが求められます。
投資銀行の仕事内容
投資銀行部門(IBD)
投資銀行部門(IBD)は、企業の資金調達やM&Aに関する助言を行う部署となっており、大きく「カバレッジ」と「プロダクト」に2つに分かれています。カバレッジでは企業に対してM&Aや証券発行などの提案を行います。そして、企業から案件を獲得すると、プロダクトで処理を行うのです。
IBD部門は投資銀行の花形と言われている部署であり、激務ではありますが、高年収も期待できるため、就活生には根強い人気を誇っています。また、他3部門が個人プレー重視であるのに対し、チームで1つの業務に取り組んでいくのも大きな特徴です。
マーケット部門
マーケット部門では、株式などの金融商品について銀行や保険会社に所属する機関投資家に金融商品の取引を持ち掛けるのがメインの業務となっています。
金融商品そのものに違いはあまりないため、「この人から購入したい」と感じてもらえるような人としての魅力が求められますので、個人としてスキルを磨き、活躍したいと考える方におすすめの仕事と言えます。
リサーチ部門
リサーチ部門では、世界経済の動向や為替の動きなどを調査・分析しながら、得られた結果をもとに今後の市場の動きを予測してレポートにまとめていきます。
レポートには書いた人の名前が記されるため、「この人のレポートは信頼できる」と評価されれば、より責任のある仕事を任されるようになります。情報収集能力や論理的思考力などに自信がある方に目指してほしい仕事です。
アセットマネジメント部門
個人や企業といった顧客の資金を預かり、それを元手として様々な金融商品の売買を行い、儲けた資金の一部を手数料として受け取ることで利益を得るのがアセットマネジメント部門です。
非常に高い金融知識が求められるため、全くの未経験で取り組むことは難しい業務となっており、新卒で入社した際には営業から始めることになるケースが多いようです。
投資銀行で求められる人物像・スキル
コミュニケーション能力が高い
投資銀行ではクライアントと信頼関係を築く必要があるため、高いコミュニケーション能力が求められます。顧客のニーズを的確に理解し、的確なアドバイスやソリューションを提供するにはコミュニケーションが欠かせません。
投資銀行のIBD部門ではチームで協力して働くことが多いので、高いコミュニケーション能力やチームワークも必要です。
ロジカルで数字に強い
投資銀行の業務では、論理的な思考や説明能力が必要です。論理的思考に自信がない場合は、ロジカルシンキングについて学んで訓練しておくのがいいでしょう。
投資銀行の仕事は数字を扱うことが多いため、数字に強いと仕事でも役立ちます。数字や計算が苦手など数値にアレルギーがあると、投資銀行の仕事は厳しいかもしれません。
ストレス耐性がある
投資銀行はハードワークなことで知られています。実力主義・成果主義なので、成果をあげなければというプレッシャーも大きいです。そのため採用の際はストレス耐性があるかどうかが重視されます。
面接でも圧迫面接に近いような厳しい質問をされて、ストレス耐性を見られることがあります。ES(エントリーシート)や面接では、肉体的にも精神的のもタフであることをアピールするといいでしょう。
投資銀行を志望する時の就職活動対策
投資銀行で求められるスキルを理解する
投資銀行を志望する際には、求められるスキルを十分に理解し、早めに対策しておくことが大切です。
投資銀行部門(IBD)であれば、仕事の処理能力だけでなく、顧客とのやり取りやチーム内での連携をスムーズにするためのコミュニケーションスキルが求められます。アセットマネジメント部門なら、感情に左右されない冷静さなどが必要となります。
投資銀行それぞれの特徴を掴む
同じ投資銀行でも、経営方針や今後の戦略、社風などは様々です。それぞれの特徴を把握し、自分に合った投資銀行を見つけてみましょう。
企業が実施する説明会やインターンに参加すると、社員として働く自分をイメージしやすくなります。また、会社説明会やOB・OG訪問を活用して、実際に働く社員の声を聞くのもおすすめです。
インターンシップに参加する
投資銀行への就職を目指すなら、インターンシップに参加するのがおすすめです。外資の投資銀行は、インターン参加が応募の条件となっていることもあるからです。
インターンシップの内容は銀行により異なりますが、グループワークでディスカッションして最後に発表をする形式が多いです。
投資銀行のインターンには、優秀な学生が集まります。レベルの高い学生と関わることで刺激を受け、就活のモチベーションにも大きな影響を与えるでしょう。
投資銀行のインターンは就活生に人気で倍率も高いです。選考を突破するには準備や対策が必要なので、インターンの募集情報はこまめにチェックしておきましょう。
最後に
投資銀行は就活生に人気の就職先ですが、激務であると同時に、国内市場の縮小や海外市場での競争の激化など将来性にはやや不安のある業界です。しかし、実力が報酬に反映されることは大きなやりがいにつながるでしょう。ぜひしっかりと業界研究や企業分析を行い、自分に合った就職先を見つけてみてくださいね。
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