公務員は学生に非常に人気のある職業のため、就職倍率は毎年かなり高くなっています。民間との併願は可能なのか迷っている学生もいるのではないでしょうか?ここでは公務員になるために知っておくべき基本情報、就職活動の流れやスケジュール、公務員試験対策について解説します。
- ・公務員の種類
- ├国家公務員
- └地方公務員
- ・公務員のメリット
- ├安定している
- ├やりがいのある仕事ができる
- └ワークライフバランスがとりやすい
- ・出願から採用までの流れ
- ├出願
- ├1次試験
- └2次試験
- ・公務員志望者の就活スケジュールは?
- ├3年生の4月~6月に試験勉強スタート
- ├3年の6〜9月インターシップ参加
- ├2~3月に説明会に参加する
- ├3~4月に出願
- ├5~6月一次試験
- └7~8月二次試験
- ・公務員試験の対策について
- ├過去問を中心に解く
- ├面接対策は事前準備をしっかりと
- └論文対策も欠かせない
- ・公務員就職と民間企業就職で迷っている場合
- ├公務員就活と民間企業就活の違いを知っておこう
- ├公務員就活と民間企業就活の両立は可能
- └併願のメリット・デメリットを理解しておこう
- ・公務員試験に落ちてしまったら
- ├公務員浪人をする
- └民間企業就活に切り替える
- ・まとめ
公務員の種類
公務員は国家公務員と地方公務員に分かれています。
国家公務員
国家公務員は、財務省、法務省、外務省などの各省庁やその関連機関で公務を行います。自衛官、裁判官、内閣総理大臣や国務大臣などは特別国家公務員に区分されます。
一般企業のように利益を追求するのではなく、国や国民の安全を確保したり生活向上に貢献する仕事をすることになります。国家公務員の募集は総合職、一般職、専門職などに別れており、応募条件や試験内容が異なります。
地方公務員
地方公務員は都道府県や市区町村の自治体で、住民の生活をサポートする仕事をします。役所に勤める一般行政職の他に、税務署、福祉施設関連、消防関連、警察関連の特別職などがあります。
地方公務員の一般行政職は、上級・中級・初級に分かれています。応募条件は自治体により異なるので、募集要項をしっかり確認しましょう。
公務員のメリット
安定している
公務員のメリットの一つは安定性です。一般企業だと景気の影響を受けたり、業績が給与やボーナスに影響を与えることがありますが、公務員はそのようなことはありません。
給与水準が高いですし、福利厚生も非常に充実しています。基本的に解雇のリスクもないため、安定した環境で長く働けるのが公務員の大きな魅力です。
やりがいのある仕事ができる
公務員の業務は、国の政策に関わるようなスケールの大きな仕事や、国民の生活を直接サポートできる仕事が多いです。国や国民の生活を支える仕事に従事することで、大きなやりがいや達成感を感じられるでしょう。
公務員の仕事は、「国に貢献したい」「社会や誰かの役に立つ仕事がしたい」と考えている方におすすめです。
ワークライフバランスがとりやすい
公務員の仕事は福利厚生が充実していたり、休暇制度も充実しているため、ワークライフバランスがとりやすいです。
競争が激しい一般企業とは異なり、比較的穏やかな職場環境が整っています。安定した職場で集中して仕事に取り組み、プライベートも充実させたい方にはいい環境でしょう。
出願から採用までの流れ
公務員試験は、要綱が毎年ほぼ同じなのでホームページに乗っている前年度の要項を事前に見ておくと参考になります。
出願
基本的には、3月までに各機関の説明会やセミナーは終了します。希望職種が決まったら、ホームページよりエントリーを行いましょう。公務員は職種によって出願の受付期間が違うので、スケジュールをしっかりと把握しておく必要があります。
1次試験
だいたい4月~9月の間に1次試験が行われることが多く、1次試験は筆記で「教養」「専門」「教養記述」の3つです。
「教養」と「専門」はマークシートが主ですが、「専門」試験で論文試験が実施される場合もあります。「教養記述」は多くの大卒程度公務員試験で行われる試験で、1000~1600文字ぐらいの論文を書くというものです。
2次試験
1次試験に合格すると、2次試験に進みます。2次試験では面接が行われますが、国家公務員総合職など一部の試験では論述式の筆記試験も行われます。
公務員志望者の就活スケジュールは?
3年生の4月~6月に試験勉強スタート
公務員試験対策はいつごろから始めるべきなのか迷ってしまう人も多いでしょう。一般的には、大学3年生の4月~6月に本格的に勉強を始める人が多いようです。
公務員の予備校でも試験の勉強は最低1年前からスタートすることをすすめています。大学2年生から予備校に通い始める人もいるので、公務員を目指すならなるべく早い時期から準備を始めるのがいいでしょう。
試験勉強に必要な期間は志望職種や個人の努力によっても変わるのであくまでも目安ですが、大手の公務員対策予備校によると、国家総合職で1年~1年3ヵ月ぐらい、地方上級や国家一般職でもおよそ1年必要とされています。
3年の6〜9月インターシップ参加
公務員のインターンシップは3年の6〜9月ごろに実施されるものが多いです。インターシップの体験は仕事内容を知るだけでなく、自信につながり就職活動に大きなプラスとなります。
大学の就職課もしくはキャリアセンターで募集することがあるので、興味があれば聞いてみると良いでしょう。インターンを紹介をする専門のサービスもあるのでぜひ活用してください。
2~3月に説明会に参加する
大学3年生の2月~3月ごろになると、主に大学内で公務員の説明会が開かれます。OBやOGが訪問してくれることもあるので、積極的に出席しましょう。
また大学によっては公務員セミナーを開いているところもあります。模擬面接も受けられるので是非参加してみましょう。
3~4月に出願
3~4月頃から受験申込受付がスタートします。申込方法や受付時期は自治体により異なるので、よく確認しておきましょう。
5~6月一次試験
5~6月頃に一次試験として筆記試験が実施されます。
7~8月二次試験
7~8月に二次試験として、面接などが実施されます。
公務員試験の対策について
過去問を中心に解く
公務員試験対策の1つとして、過去問が掲載された問題集を繰り返し解くことをおすすめします。試験は過去に出題されたものと似ている問題が出されることも多いので、過去問をマスターすることで合格に近づくでしょう。
間違えた問題は、解説を読んで徹底的に理解するようにします。日にちを置いて再挑戦して、本当に理解していたかどうかチェックしてみることも大事です。
面接対策は事前準備をしっかりと
筆記試験がうまくいっても、その次には面接が待っています。面接で慌てないように事前準備をしっかりしておきましょう。面接には個別面接と集団面接があり、多くは個別面接で行われます。しかし最近は、与えられた課題をグループで討論する集団討論もあるようです。
面接では公務員にふさわしい人物であるかどうかや協調性、人間性などを判断します。面接前には、訪問シートあるいは面接シートと呼ばれる書類を事前に提出しておきます。このシートに従って面接が行われるので、シートの作成と受け答えの準備を念入りに行いましょう。
論文対策も欠かせない
地方公務員試験では、論文試験の配点が高い傾向があります。論文で点数を落とすことのないように、こちらもしっかりとした対策が必要です。参考書などを利用してコツコツと準備を進めておきましょう。
公務員就職と民間企業就職で迷っている場合
公務員就活と民間企業就活の違いを知っておこう
公務員就活と民間企業就活ではスケジュールが異なるため、それぞれのスケジュールに合わせて準備を進めていく必要があります。公務員の中でも国家公務員と地方公務員では採用スケジュールが異なるため、いつまでにどんな準備をするか自分でスケジュールを立てておかなければなりません。
インターンシップの募集時期も公務員就活と民間企業就活では異なるので、インターンへの参加を考えている方は募集時期をチェックしておきましょう。
公務員就活と民間企業就活の両立は可能
公務員試験の対策をしながら、同時に民間企業への就活に挑戦する人もいます。公務員試験に合格して、さらに民間企業の内定を獲得している就活生も少なくありません。
併願をするとなると、公務員試験対策、面接対策、企業研究、民間企業の筆記試験対策、グループディスカッション対策など、やることがたくさんあります。スケジュールの管理なども大変になることは覚悟しておきましょう。併願をすると就活期間が長くなるため、体力やモチベーションを保つための工夫も必要です。
併願のメリット・デメリットを理解しておこう
公務員就活と民間企業就活の併願のメリットは、幅広い就職先を知ることができる点です。就職先はたくさんあるので、はじめから選択肢を狭めずに、まずはいろんな可能性に対してオープンでいることも大切です。
併願のデメリットは、対策しなければならないことが多いこと、スケジュール調整が大変なことでしょう。
公務員就職と民間企業就職で迷っているなら、とりあえずは両方の説明会に参加したり、インターンシップに参加したりしてみてください。公務員でも民間企業でも、大学1年生から参加できるインターンシップもあります。
公務員就活と民間企業就活で迷っている場合は、できるだけ早い段階でインターンシップに参加し、どちらが自分に向いているかを見極める機会とするといいでしょう。公務員就活と民間企業就活を通して多くの職場や企業を見てから進路を決定するのでも遅くありません。
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公務員試験に落ちてしまったら
公務員浪人をする
どうしても公務員として就職したい場合、留年して翌年の公務員試験に再度チャレンジすることも可能です。その場合は公務員浪人をすることになり、公務員試験の勉強や対策などを継続します。
浪人に抵抗があるなら、大学院に進学して勉強を続けながら公務員試験の勉強を続けるのもいいでしょう。大学院を卒業すれば、院卒区分での試験が受けられるようになります。大卒区分よりも倍率が低い院卒区分なら、合格する可能性を高められます。
公務員試験対策をサポートしてくれるスクールやサービスもあるので、独力での合格が難しいと感じた場合はこうしたサポートを受けることを考えてみてください。
民間企業就活に切り替える
公務員試験に落ちてしまった場合でも、企業の二次募集などに間に合う場合があります。公務員並みに安定している企業もありますし、福利厚生が充実している企業もたくさんあります。希望条件に合う企業があれば、積極的に挑戦してみましょう。
いったん民間企業に就職して、翌年か数年後に公務員試験に再チャレンジする方法もあります。民間企業で働いた経験を公務員としていかすことも可能なので、将来を見据えた新しいプランを考えてみるのもいいでしょう。
まとめ
就職は人生を左右する大事な出来事で、大学生活の大きな仕上げとなります。公務員は不況に影響されず、福利厚生も充実している仕事。人気はかなり高く、しっかりとした準備が必要になります。就職試験の流れをしっかりとつかみ、就職活動を早めにスタートさせることが大事です。試験間際になって慌てないように計画的に行動していきましょう。
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