「CtoC」という用語をご存知でしょうか。「BtoB」や「BtoC」という言葉は、インターネットや書籍でも頻繁に使われていますので、学生・就活生の皆さんも何となく聞いたことがあるかもしれません。こちらの記事では「CtoC」の解説と市場規模、サービスの利用についてを解説します。
- ・「CtoC」とは
- ├CtoC=消費者間の取引
- └スマホやインターネットの普及で成長しているCtoC業界
- ・CtoCビジネスはどんなものがあるの?
- ├①フリマ・オークション系のサービス
- ├②マッチング系のサービス
- └③シェアリング系のサービス
- ・「BtoB」「BtoC」との違い
- ・CtoCの市場規模
- ・CtoCサービス利用のメリット・デメリット
- ├買い手側から見たCtoCサービスのメリット・デメリット
- └売り手側から見たCtoCサービスのメリット・デメリット
- ・まとめ
「CtoC」とは
CtoC=消費者間の取引
それではまず、CtoCを解説していきましょう。
・Consumer to Consumer……個人同士の取引
CtoCは、インターネットオークションやフリマアプリで行われる、個人同士の電子商取引のことです。ヤフオクやメルカリといったサービスは、聞いたことや利用したことがある方も多いと思います。
スマホやインターネットの普及で成長しているCtoC業界
インターネットの取引が主流になる以前から、街のイベント等でフリーマーケットは行われてきました。それがスマートフォンの普及と共に、個人間でも電子商取引が容易に行われるようになり、正に今、急速に成長をしているのです。
CtoCビジネスはどんなものがあるの?
現在人気のあるCtoCビジネスは、大きく次の3タイプに分けることができます。
①フリマ・オークション
②マッチング
③シェアリング
①フリマ・オークション系のサービス
CtoCビジネスとしてよく知られているのは、スマホのアプリを使ったフリーマッケットやネットオークションのサービスでしょう。
出品者は不要になったものを手軽に販売することができ、購入者は必要なものが格安で購入できるため急速に成長したビジネスモデルです。
有名なサービスとしては次のようなものがあります。
・メルカリ
・ヤフーオークション
・ミンネ
・クリーマ
既製品ではなくハンドメイド商品の取引に特化した、「ミンネ」や「クリーマ」などのサービスも女性を中心に人気を集めています。
②マッチング系のサービス
「モノ」ではなく、スキルや労働力などがサービスの対象となっているビジネスも増えてきています。「デザインの仕事を受けます」「プログラミング教えます」「相談にのります」など、扱われるジャンルは幅広いです。
有名なサービスとしては次のようなものがあります。
・ココナラ
・タイムチケット
・タスカジ
家事をしてくれる人を探す人と空いた時間を有効に使いたい人をマッチングする「タスカジ」など家事に関するサービスを利用する人も増えています。
③シェアリング系のサービス
民泊が広まるきっかけとなったエアービーアンドビーのように、シェアリングのサービスもたくさんあり、今後も成長が期待されています。
有名なサービスとしては次のようなものがあります。
・エアービーアンドビー
・ウーバー
・スキッパ
ミニマリズムや断捨離など、モノを持ちすぎない価値観を支持する人が増えており、シェアリングサービスもさらに増えていくでしょう。
「BtoB」「BtoC」との違い
次に、BtoB、BtoCについて触れておきます。Bは「business(企業・法人)」の略、Cは「Consumer(消費者)」の略です。
■Business to Business……企業同士の取引
BtoBは、小売店が問屋に発注したり、広告を出稿したりすることです。社内サービスの提供やコンサルティングなどもBtoBにあたります。
BtoBは会社や部署単位での発注のため大量発注となり、一度の取引で大きな金額が動くことが多いのが特徴です。市場規模は昨年ついに300兆円に達し、電子商取引のほとんどがこのBtoBによるものです。
■Business to Consumer……企業と消費者の取引
BtoCは、Amazonや楽天に代表されるような、企業と消費者の間での取引を指します。レビューや口コミ、また近年ではSNSでの発信も重要になっています。またこれらは「モノ」ではなく人材やスキルを提供する「サービス」の場合もあります。
これまでの電子商取引は、主にこの「BtoB」「BtoC」の2つが市場を占めていました。しかし最近は、取引間に企業を挟まず個人同士で行う「CtoC」がEC市場にて躍進しています。
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CtoCの市場規模
経済産業省では、電子取引に関する市場調査を平成10年から毎年実施しています。これまでの調査では、BtoB、BtoCについての報告を行っていましたが、昨今のCtoCの拡大に踏まえ、昨年平成28年からCtoC(ネットオークション、フリマアプリ)の調査も実施しています。この調査では、特にフリマアプリの市場躍進が明らかになっています。
■平成29年度 日本国内のEC市場規模
<経済産業省の報告より抜粋>
・BtoB-EC(企業間電子商取引)……317.2兆円(前年291.0兆円、前年比9.0%増)
・BtoC-EC(消費者向け電子商取引)……16.5兆円(前年15.1兆円、前年比9.1%増)
・ネットオークション……1兆1,200億円(前年1兆849億円、前年比3.2%増)のうち、CtoC部分は3,569億円(前年3,458億円、前年比3.2%増)
・フリマアプリ……4,835億円(前年3,052億円、前年比58.4%増)
フリマアプリが初めて登場したのは2012年(平成24年)です。つまり僅か4年で約3,000億円、5年で約5,000億円の市場に成長したということになり、今後もまだまだ拡大が見込まれる市場であると見られています。
(出典:経済産業省ホームページ)
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001.html
CtoCサービス利用のメリット・デメリット
前述の通りCtoC市場の拡大は続いており、スマートフォンのアプリやブラウザから誰でも簡単に取引ができるようになりました。では、実際に利用する場合のメリットと、気を付けなければならない注意点を見ていきましょう。
買い手側から見たCtoCサービスのメリット・デメリット
<メリット>
■どんなモノ・サービスでも購入・募集できる
不要品から自作の品、欲しいサービス・スキルまで、どんなものでも出品・購入することができます。ヤフオクやメルカリのように、多数の出品の中から欲しい商品を探すこともできますし、クラウドサービスやランサーズのように仕事を請負ってくれる人材を募集することもできます。
■時間の融通がきく
自分のスケジュールに合わせ、好きな時間に購入することができます。空いた時間にスマートフォンでチェックすれば、思わぬ掘り出し物と巡り会える時もあります。
<デメリット>
■商品を確かめられない
「偽物だった」「粗悪品が届いた」など、商品の信頼性は企業よりも低く、利用者に任されている部分が大きくなっています。
■詐欺
「お金を振り込んだのに商品が届かない」など、詐欺に遭う可能性もなくはありません。ヤフオクやメルカリなど、企業がサービスの下地を提供している場では規約としてある程度の保証はされていますが、やはり全くのゼロではありません。これは今後の課題とも言えます。基本的にはあくまで「自己責任」ですので、連絡先の交換など慎重に行いましょう。
売り手側から見たCtoCサービスのメリット・デメリット
<メリット>
■どんなモノ・サービスでも出品・提供ができる
不要品から自作の品、欲しいサービス・スキルまで、どんなものでも出品・購入することができます。アプリのサービス向上でますます使いやすくなりました。利用登録さえ済ませれば、あとはスマホのカメラで商品を撮影して画像をアップし、説明文を付け出品完了、という手軽さは魅力ですね。
<デメリット>
■トラブルになった際の対策
買い手側とのやりとりを直接行わなければならないため、「取引中に連絡が取れなくなった」「値引き交渉された」などのトラブルが考えられます。商品を買ってくれる方に対し、譲歩できること・できないことの線引きを自分の中で決めておく必要があります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。データが示すように、CtoC市場はまだ成長過程です。誰でも手軽に参加できる反面、まだ課題もあります。これらをブラッシュアップしていけば、BtoB・BtoCで扱われていた物品やサービスが、CtoCによって提供されていくことも増えていくでしょう。サービス利用の際にはお互いが安全・安心して取引ができるよう十分注意しましょう。
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