ブラック企業とホワイト企業の違いとはー就活生はどう見分けるべきか

ニュースを見ていると「過労死」や「やりがい搾取」など、働くことに対するネガティブな気持ちを引き起こすようなワードを数多く見かけます。そのようなリスクを避けるために「ホワイト企業に入社したい!」「ブラック企業は避けたい!」と考えている人は多いのではないでしょうか。

しかし、就活生がブラック企業とホワイト企業を見分けるのは簡単ではありません。そこで今回はブラック企業とホワイト企業の違いと見分けるためのポイントを解説します。

目次

ブラック企業とホワイト企業の違い

ブラック企業とは

「ブラック企業」に明確な定義はありませんが、厚生労働省はブラック企業の一般的な特徴として次の3つを挙げています。
1.労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
2.賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
3.上記のような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
また、厚生労働省は2017年5月以降、労働基準法など労働に関わる法律に違反して書類送検された企業を「労働基準関係法令に係る公表事案」として公表しています。それらの事例の概要を見ると「違法な残業」や「賃金・残業代の未払い」「労働安全衛生法の違反」などが見られます。

ホワイト企業とは

ホワイト企業は「労働者が安心して働ける企業」を指します。ホワイト企業もブラック企業と同様に明確な定義はありませんが、厚生労働省が認定する「安全衛生優良企業(ホワイトマーク)」は、ホワイト企業を客観的に評価する指標といえます。安全衛生優良企業に認定されるには、以下の評価基準を一定以上満たす必要があります。
・労働衛生活動
・健康管理
・メンタルヘルス対策
・過重労働防止
・受動喫煙防止
・安全でリスクの少ない職場環境の整備
上記のように労働者の安全や健康を確保する対策に積極的に取り組む姿勢があれば、ホワイト企業だと考えられます。なお、安全衛生優良企業の認定を受けた企業は、厚生労働省のホームページで公表されています。

ブラック企業とホワイト企業を見分けるポイント

ここからはブラック企業とホワイト企業を見分けるための3つのポイントをご紹介します。

給与面

給与面でチェックしたいのは「給与額の幅」と「固定残業代」の2つです。

■給与額の幅
給与額の幅が「16~25万円」のように大きいと、「最初は最低金額だけど、スキルが上がれば昇給する」など言われて入社したにも関わらず、いつまで経っても昇給されずに最低金額のままで働かされる場合があります。

■固定残業代
固定残業代制を導入している企業は、募集要項などに以下の3つをすべて記載することが義務づけられています。
1.固定残業代を除いた基本給の額
2.固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
3.固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

「基本給22万円(固定残業代含む)」としか書かれていない場合、何時間分の残業が固定残業としてカウントされているのか分かりません。その結果、どれだけ残業をしても「固定残業代を支給しているから」と言われて、固定残業時間を超過した分の残業代を支払ってもらえない可能性があります。

就業時間

ブラック企業とホワイト企業を見分ける際には就業時間にも注意を向けましょう。特に「変形労働時間制」を採用している企業の場合は、誤った形で導入されていないか十分に確認する必要があります。
変形労働時間制とは、繁忙期と閑散期が分かれている企業において、1ヶ月や1年といった期間を定め、その期間内であれば労働時間が1日8時間を超えた日があっても、週の労働時間が平均して40時間になれば残業代を支払わなくていいという制度です。ブラック企業はこの制度を悪用して「うちは変形労働時間制を導入しているから残業代はない」と主張するケースがあります。
また、変形労働時間制を導入していなくても、サービス残業が常習的に行われている企業もあります。会社説明会やホームページ情報では分かりづらい部分ですので、インターンシップやOB・OG訪問などを活用して社員の働き方を実際に知るのがおすすめです。口コミサイトも参考になるかもしれません。

離職率

ブラック企業は働きづらい環境なので、辞める社員数が自然と多くなります。そのため、ブラック企業とホワイト企業を見分ける際には離職率も参考になります。
上場企業や大手企業の離職率は、就職四季報やIR情報などに掲載されています。中小企業の場合、離職率の正しい数字を調べるのは難しいですが、「1年中求人が出ている」「会社の規模に対して求人数が多い」「入社条件が少ない」という場合には離職率が高く、いつでも人手が足りていないという可能性があります。

まとめ

ブラック企業とホワイト企業の違いは、労働者の安全や働きやすさへの配慮があるかどうかです。ブラック企業とホワイト企業を見分けるためには「給与」「就業時間」「離職率」の3つのポイントに注目しましょう。
普段から就活サイトや口コミサイト、OB・OG訪問を活用して情報を収集するとともに、不安があれば大学のキャリアセンターや新卒応援ハローワークで相談してみると良いでしょう。


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