最も注目されるスタートアップ、Airbnbを作った男たち

シェアリングエコノミー(共有経済)のパイオニアとも言えるAirbnb。2008年の設立からわずか10年で信じられない速度で成長しています。まさにAmazon、Googleの流れを汲むスタートアップの成功例です。

そんなAirbnbはどのようにして作られたのでしょうか?本記事では、Airbnbの創業について解説します。

最も注目されるスタートアップ、Airbnbを作った男たち

Airbnbは最も注目されるスタートアップ

Airbnbはいわゆる「民泊」のサービスです。部屋を貸し出すユーザーを「ホスト」と呼び、部屋を借りるユーザーを「ゲスト」と呼びます。ホストはAirbnbのサイト上に自分が管理している部屋や物件を掲載します。ゲストは気に入った部屋を選びホストの案内のもとで宿泊・滞在します。

Airbnbの画期的な機能は「相互レビュー」と「事前カード決済」でしょう。ホストとゲストがお互いをレビューすることによる評価の高低で安心できるユーザーを選びやすくなっています。また、事前カード決済によりお金のトラブルがなくなります。

今までありそうでなかったサービスを最新のテクノロジーで実現したAirbnbは瞬く間に世界中で使われるようになりました。その裏には若き3人の創業者のドラマがあったのです。

チェスキーとゲビア

創業者のブライアン・チェスキーとジョー・ゲビアはロードアイランド州の美術大学ロードアイランドスクールオブデザインで出会います。後にAirbnbのCEO(最高経営責任者)となるのがチェスキー、CPO(最高プロダクト責任者)となるのがゲビアです。

チェスキーとゲビアは学生時代から目立ちたがり屋で、周囲とは違った何か変わったことを実現するのに没頭していました。チェスキーは卒業後一般企業に就職、ゲビアは起業家としてスタートアップを立ち上げていました。そんな二人が一緒にスタートアップの世界に足を踏み入れるのは当然の成り行きだったのでしょう。

しかし、スタートアップを志したのはいいもののアイデアは浮かばずに家賃すら払えない状況となります。そんな中、有名なデザインカンファレンスがたまたま近所で行われることを知ります。周辺のホテルが全て埋まっている状態に気づいた二人は自分たちの部屋を小遣い稼ぎとして貸し出すことにしたのです。

そのときに使われたのが簡易的なエアーベッドと朝食(ブレックファスト)のサービスでした。何を隠そう、AirbnbとはAirbed And Breakfastが由来だったのです。

カンファレンスに乗じた民泊サービスに成功した2人は、これを自分たちのビジネスにすることに決めたのです。

エンジニア・ブレチャージクのジョイン

チェスキーとゲビアはいずれもデザイナー出身であり、簡単なHTMLを使ったWebサイトしか作れませんでした。そこで2人はかつてゲビアのルームメイトだったネイサン・ブレチャージクに声をかけます。後にCTO(最高技術責任者)となる人物です。

ブレチャージクは12歳からコーディングを学び、高校在学中にそのスキルで100万ドルを稼ぎ出す凄腕のプログラマーだったのです。ハーバード大学を卒業後、コンサルタントとして生計をたてていましたが、チェスキーとゲビアの熱心な勧誘に心を動かされAirbnbにジョインすることにしたのです。

ブレチャージクはいい意味で挑戦的、悪い意味で無鉄砲なチェスキーとゲビアとは対象的な性格でした。実現性を重んじる地に足の着いたエンジニアです。初期のAirbnbのサービスは全て彼の手によって作られたのです。

シリアルを売って生計を立てた日々

3人集まったもののなかなか思うように成果が出ない日が続きました。サイトの運営資金すら底を尽きた状態です。そんな中、アメリカの大統領選挙に乗じたシリアル「オバマ・オー」を開発し売りさばくことに成功したのです。なんと30,000ドル以上の利益を生みなんとかスタートアップの継続に繋げました。

Airbnbとは全く関係ないビジネスですが、創業者たちの行動力が発揮されたエピソードです。

ポール・グレアムとの出会い

オバマ・オーが売れたものの、肝心のAirbnbがヒットせず3人は途方に暮れていました。そこで、入手したのがYコンビネーターが起業家アクセラレータプログラムを開始したという知らせです。

Yコンビネーターとは起業家でもあり投資家でもあるポール・グレアムによって設立された団体で、資金の提供からスタートアップの助言までを行うベンチャーキャピタルです。

3人は最後のチャンスとしてYコンビネーターに応募します。見事グレアムに認められ、アクセラレータプログラムに招待されたのです。なお、このときにグレアムが採用を決めた理由が上記のオバマ・オーの成功だったのだから驚きです。後にグレアムは3人のことを「ゴキブリのようだ」と評しています。

資金調達に成功、世界的サービスに

2009年1月、Yコンビネータに参加後3人は持てる全ての力を出し尽くしました。チェスキーとゲビアはニューヨークに飛びひたすらユーザーに宣伝をしたり、プロのカメラマンを雇いホストの部屋の撮影したりするなどサービスの向上に努めました。ブレチャージクは部屋にこもりひたすらコーディングをし洗練されたWebサイト構築に尽力しました。

みるみるうちにAirbnbは急成長を遂げ、Yコンビネーターに参加後間もない2010年10月には720万ドルの資金調達に成功します。Airbnbの支持はアメリカに留まらず、世界中にAirbnbを展開するに至ります。

CEOチェスキーは未だ37歳、今後もさらなる発展が期待されます。

最後に

Airbnbが生まれた経緯と三人の創業者のドラマをまとめました。今ではAirbnbは大成功をおさめたスタートアップとされていますが、ここに書ききれないほどの苦難があったと言います。これからも多くの苦難が彼ら3人を待ち受けることでしょう、どのようにAirbnbを進化させていくのか注目です。


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