学生を魅了する会社説明会のコツ



採用活動で重要な会社説明会ですが、近年は就活生を惹きつけるために趣向を凝らした説明会を行う企業が増えています。学生は一方的な説明が続く会社説明会に対し興味を失う傾向があり、最悪の場合「つまらない会社だ」と思われてしまう可能性もあります。

では、学生に魅力的な会社だと思ってもらう会社説明会を行うためには、どのように工夫すれば良いのでしょうか。動画で会社説明会の配信を行う企業も増えているなか、敢えて「足を運びたい」と思わせる会社説明会のコツをお伝えします。

学生を魅了する会社説明会のコツ
目次

会社説明会の目的について理解する

企業が会社説明会を実施する目的はもちろん、学生側がどのようなことを会社説明会に求めているのかをきちんと理解しましょう。会社説明会では、学生側の求めている情報をしっかりと提供した上で、この会社で活躍したいと思ってもらうことが重要となります。


学生が会社説明会に求めていること

会社説明会の内容を考える前に、学生がどのような情報を知りたいのか、説明会に何を求めているのかを知りましょう。

マイナビが行った個別の企業セミナーで就活生が聞きたかった内容についての調査では、50%前後と約半数の就活生が「具体的な仕事内容」や「社風・社内の雰囲気」について知りたかったと回答しています


また、企業理念について知りたいと答えた就活生は10%程度なのに対し、約半数の就活生が企業セミナーで実際に企業理念についての話を聞いたという結果から、学生側が求める情報と企業が提供している情報にギャップがあることが分かります。

参加した学生の満足度を上げるためには、就活生のニーズに合わせた会社説明会を行うことが重要です。


参考元:マイナビ2022年卒学生就職モニター調査|4月の活動状況



会社説明会が終了した時に何を感じて欲しいか

会社説明会を考える上で、参加する学生のニーズと合わせて重要となるのが、説明会が終了した際に学生に何を感じて欲しいのかということです。

採用活動全体として見た時に、学生と企業が最初に接触する機会となる会社説明会はとても重要な役割を持ちます。会社説明会で企業の詳細な情報を得た学生は、将来この会社で働きたいかを初めて真剣に考えることになりますので、会社説明会で話す内容がそのまま学生の志望度に結びつくことも珍しくありません。

会社説明会が終了した際に、自社について学生にどのようなイメージを持っていて欲しいのか、説明会にどのような感想を抱いて欲しいのかを明確にしておくことで、学生の満足度を上げると共に入社後のミスマッチを減らすことができるでしょう。


ストーリー性で共感を得る

学生に「この会社に入社したい」と思ってもらうことが会社説明会の目的です。そのため、会社説明会全体に「ストーリー性」を持たせ、全体に統一感のある流れを持たせることは非常に重要です。ここでは、ストーリー性を持たせた会社説明会の具体的な構成について解説します。


これまでの歴史や創業のきっかけについて

まずは、「自社のこれまでの歴史」「なぜ創業したのか」「創業者の想い」などを簡単に紹介します。ここでの内容は専門的になり過ぎてしまうと学生に伝わりづらいため、できるだけその業界の知識が無くても理解し共感できるような内容にすると良いでしょう。


大切にしてきたこと、これから目指すもの

ここまでの創業のきっかけやこれまでの歴史を踏まえ、自社がこれまで大切にしてきた価値観や提供しているサービス、社内で改革を行なってきた場合はその変遷などを紹介します。

次に、今後何を目指していくのか、そのためにどういった人材を必要としているのかについて話します。「どういった人材を必要としているのか」を学生に向けて話しかけ、「一緒に作っていきましょう」といった表現で学生に「自分ゴト化」してもらう伝え方を心がけましょう。


カンタンな映像+創業者の登壇で伝える

一方的に話しかけるだけでは印象が弱く、退屈だと思われてしまう可能性があります。そこで、10分程度の映像を用意しておけば、学生により集中し感情移入しながら見てもらうことができるでしょう。

可能であれば創業者を登壇させましょう。映像終了後に創業当時の想いなどを学生に伝えると、より「ライブ感」が増し、本人の熱のこもった話からその想いが伝わりやすくなります。


双方向性で「Web会社説明会」ではできないことを

会社説明会の形式については、可能な限り「双方向性」を意識しましょう。従来のように人事担当者などが一方的に話をするだけであれば、「動画配信でいいのに」「誰かに内容を聞けばいいや」などと思われてしまいます。担当者が直接有益な情報を届けるようにする、学生からの質問に積極的に答えるなどしてコンテンツ内容を充実させましょう。


先輩社員との対話メイン

先輩社員との対話の時間を設けることは非常に効果的です。先輩社員を多めに配置する際は、座席は1対100などではなく1対10程度の小さなグループに分けるよう意識しましょう。先輩社員との対話を進めながら会社説明を行う方式であれば、学生も質問しやすく、さらには先輩社員からのリアルな話を聞くことができるため、足を運ぶ価値があると感じてもらえます。

対話形式のデメリットとしては、「多くの社員のスケジュールを押さえなければならないこと」「社員により説明のクオリティにバラつきが出てしまうこと」です。人事部の人員に余裕がある、各部署が採用活動に人員を割くことに理解がある、事前の会社説明会用の共通認識を統一する研修の実施が可能であるなどの場合にはとても有効な方法だと言えるでしょう。


スクール形式の座席ではなくスタンプラリー形式にする

多くの企業で近年採用されているのが「スタンプラリー形式」です。各ブースを周って会社説明や商品の展示などをみてまわり、スタンプを集めながらすべて巡回することで自社商品などを理解してもらえるようにする形式です。自由に自分の裁量で回ることができたりアミューズメント感覚で回れることから、気軽に参加しやすく学生に人気があります

デメリットとしては、配置する人員の数が必要であることや、各ブースの準備に時間がかかること、配布できる自社商品がないと魅力が半減することなどが挙げられます。


会社内を見学できるツアー形式にする

学生がより「足を運ぶ価値がある」と感じるのは、会社の中を見学できるツアーを実施している説明会です。実際に働いている社員の様子や会社の内部を見学することで、学生もイメージがわきやすく興味を持つことができます。前半はスクール形式の説明中心、後半はツアー形式というように、半数ずつ交代で見学させることができれば効率も良くなります。

デメリットは、機密性の高い情報を扱っている企業では難しいことや、見学される部署が嫌がる可能性があること。さらに多くの学生を誘導する手間がかかることや、SNSなどへの情報漏えいリスクなどが挙げられます。


会社説明会を行う上での注意点

最後に、会社説明会を行う上での注意点について解説します。ここまでご紹介した内容を踏まえ、説明会を実施する際にどのような点に注意すればいいのかについて、3つのポイントに分けてご紹介します。


単なる「説明」だけで終わらせない

毎年実施する説明会が文字通り単なる説明で終わっていることはないでしょうか。いくら企業の話を聞きに来ている学生とはいえ、長時間ただ説明を聞かされるだけでは退屈に感じてしまいます。その結果、「あの会社はつまらなかった」などの印象を持たれてしまっては、折角説明会に集めた学生が選考に進まず逃げていってしまいます。

会社説明会の企画の中に説明以外のコンテンツを増やすことはもちろんですが、企業について解説している途中にも、学生に質問をしたりクイズを織り交ぜたりと学生がアクションできる要素を散りばめるなど工夫をすると良いでしょう。


他社との差別化を図る

就活生は一度の就職活動で数十社の会社説明会を訪れることになります。他社と似たような会社説明会を行っていては、いくら魅力的な企業であったとしても学生に興味を持ってもらえません。まずは学生の印象に残るよう他社とは違った要素を説明会に盛り込む必要があります

オフィスの立地を活かして景色が綺麗な広々としたスペースで説明会を実施する、社内のクリエイターの力を活かして迫力のある会社紹介ムービーを流すなど、会社の特徴を活かした差別化をしましょう。

また、説明会に社長などの経営陣を呼んでランチをしたり、入社したばかりの明るく活発な社員と交流する時間を作るなど、「人」で差別化を図るのも良いでしょう。


学生にとっての魅力は何か

会社説明会を行う上で最も重要なことは、「学生にとっての自社の魅力は何か」ということです。現在在籍している従業員が感じている自社の魅力と学生が感じている自社の魅力が同じとは限りません。昨年度の内定者や若手社員へヒアリングを行ったり、学生に自社への印象についてアンケートを行ったりしながら、学生目線での自社の魅力について把握しましょう

会社説明会は学生が企業選択を始める早期の段階から自社の魅力を直接学生に伝えることができる貴重な機会です。学生目線での自社の魅力を把握し、その魅力を学生に分かりやすく伝えることが、会社説明会での採用担当者の役割だと言えます。


最後に

学生を魅了する会社説明会のコツについて、「ストーリー性」と「双方向性」を中心にご紹介しました。自社の人員や性質から可能なものを選び、より学生を飽きさせずに「自分ゴト」化させる会社説明会を目指しましょう。


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