内定者に出す課題のポイントと具体例



新卒採用を長年行っていなかった場合や、初めて行う場合、採用までの過程にも悩みはありますが、内定を出した後にも「内定者に入社までの間にどのような課題を出すべきか?」といった悩みが尽きないと思います。内定者に出す課題は入社までの意欲をそがないなどのメリットもあります。そこで今回は内定者に出すべき課題のポイントや具体例について解説します。

内定者に出す課題のポイントと具体例
目次
  • 内定者に課題を出す目的を見失わない
  • ├意欲を高めてもらうため
  • ├負担になってしまっては逆効果
  • └入社後に即戦力化するための課題が◎
  • 内定者に出す課題の具体例
  • ├会社の考えや業界について知ることができる書籍&感想文
  • ├店舗がある企業であれば見学&レポート
  • ├内定者の人数が5人以上であればWeb上での交流とグループワーク
  • └e-ラーニングや内定者アルバイトも
  • 最後に

内定者に課題を出す目的を見失わない

そもそもなぜ、多くの企業は内定者に課題を出すのでしょうか?この内定者に課題を出す目的を見失ってしまうと、課題を出すことにより効果が得られるどころか逆効果になることさえあります。場合によっては内定者から「意味が分からない宿題を出された」「ブラックなのでは」などと思われ、内定辞退をされてしまうことにもなりかねません。そこで、まずは内定者に課題を出す目的について改めて考えてみましょう。

意欲を高めてもらうため

まずは、自社に対する入社意欲を高めてもらうことが目的の1つです。入社までの間に、自社の事業や創業者の想いなどに触れることで理解を深め、「こんな想いでこの会社はできたんだ!」「こういう風なことを大切にしながら日々社員は仕事をしているんだ!」と自社への理解と入社への意欲が高まった状態で入社式を迎えることができるような課題を出すことができればそれは良い課題であると言えます。

負担になってしまっては逆効果

とはいえ、その課題の量が膨大であるなど、あまりにも負担となってしまうようなものは避けた方が良いでしょう。「入社までの半年間で自社に関する本を12冊購入し、毎月2冊ずつ読み、1冊につきワード5枚以上の感想文を提出」などといったものは、内定者にとっては負担に感じられてしまいます。特に、書籍を読んで読書感想文を提出させる場合には会社でその書籍を購入し送付するなど、内定者に金銭的負担を強いらないことも重要です。「まだ働いてもいないのにお金を負担させる」「どうして12冊も本を読んでさらにかなりの枚数の読書感想文を書かなければならないのか」と少しでも不信感や納得がいかない印象を与えてしまうと、「ブラックなのでは!?」と思われてしまうためです。「内定者の時点でこんなことをさせるということは、社員になってからはさらに理不尽なことがおきるに違いない」と思う学生もいます。

入社後に即戦力化するための課題が◎

理想的なのは、入社後に即戦力となるような課題です。前述のようにあらかじめ理念などを理解しておいてもらうこともそうですし、業務で役に立つ知識や技術の習得を無理のない範囲で学んでもらうことも意欲を高めつつも即戦力化することができる課題です。学生は内定直後は「内定をもらったのだから社会人として頑張ろう」とやる気のある状態です。負担になるような量でなければ、なにかしら入社までの間に準備をしておきたいと考えるものです。そのため、入社後の仕事につながる課題を出すことで、やる気の維持と即戦力化が可能になります。

内定者に出す課題の具体例

それでは、具体的に内定者に出す課題の具体例について見ていきましょう。大企業などでは良く取り入れられているものですが、自社の予算や人事担当者の対応可能かどうかや自社の業界に合わせて、合うものを取り入れましょう。

会社の考えや業界について知ることができる書籍&感想文

創業者が書籍を出している場合や、インターネット上などで会社設立までの苦労話などを掲載している場合には、読んで感想文を提出してもらうのが定番になっています。その際、書籍であれば1冊程度でインターネット上の文章であれば1記事分程度の分量が適切です。「社長の過去のツイートを全て読み」などは負担になるうえに入社後にもフォローしなければならないのでは?といった強制感を感じさせるため不適切です。また、ただ「読書感想文を書け」といった指示ではなく、5つくらいの項目で「自分が創業者であればこのときどうしたと思いますか」「今の会社の課題とその解決策について考えを述べてください」といった質問項目を設けておくことで、「社長はすごいと思いました」といったただの感想文ではなく、自ら会社の一員として「ジブンゴト」目線で書籍や記事を読むため、課題を提出させる価値があります。

店舗がある企業であれば見学&レポート

全国あるいは広範囲で店舗を運営している企業であれば、「自社の店舗を1か所見学しレポートを書いてください」というのも自社の業務内容や理解を深めるために有効な課題です。特に、内定者時代にお客様目線で店舗を訪れることで、入社後にお客様の気持ちを思い出すことにもつながります。
内定者の自宅の近くに店舗がない、1店舗しかなく遠方から訪れるには負担になる、といった場合には内定者研修などを行うタイミングで内定者全員で店舗の見学を行なうという方法もあります。その場合は店舗の裏側なども見せることでより興味を持ってもらうこともできます。

内定者の人数が5人以上であればWeb上での交流とグループワーク

内定者の人数が5人以上であれば、Web上で入社までの間にグループワークを行ないながら交流を深めてもらうのがおすすめです。メールやSNSなどを通じて、「入社までの半年間で新商品を1つ考え、入社式でプレゼン」といったものなど、おのおのが空いた時間で交流しながら入社後の業務を疑似体験できるうえに、仲間意識が芽生えます。人数が多ければチームに分けて「まずはチーム名を決めましょう」「次に趣味について語りましょう」などお題を出しつつ、最終的にはチームでプレゼンの結果を競わせ、勝ったチームには賞品がでるというのもやる気を出すことができます。

e-ラーニングや内定者アルバイトも

さらに、システムがある場合やお金をかけることが可能であれば、e-ラーニングでの業務知識の学習や、内定者に店舗などでアルバイトをしてもらうことも有効です。しかし内定者アルバイトについては内定者のスケジュールや希望を優先し、決して人手不足の救世主扱いはしないようにしましょう。

最後に

内定者に出す課題は一歩間違えれば会社への不信感ややる気をそぐことになってしまうので注意が必要です。しかし、内容と分量を間違わなければ、入社までのモチベーションを保つことができるうえに即戦力になる有効な手段です。適切な量で内定者のやる気をアップさせましょう。


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