面接で学生の本質を見抜く質問例!新卒採用で効果的な質問とは?



採用面接の際には、「この学生は有望な人材だ」「期待できそうだ」「即戦力となりそうだ」と好印象を持って採用。しかし、入社後に実はそこまで能力が高くなかったり、早期退職してしまったり、問題を起こすことが多く期待外れだった……なんてことはありませんか?

その人の全てを面接で見極めることは難しいですが、ある程度の潜在的な能力や資質は面接時の質問で確認することができます。今回は、面接で「学生のポテンシャルを見抜く」「学生の素を知る」ための質問例をいくつかご紹介します。



目次

面接で偽装してくる学生たち

なぜ学生は面接に「偽装」してくるのか

学生たちは面接前に就活セミナーに参加したり、就活ノウハウのマニュアル本やインターネット上のサイトを読み込んでこと人が多いです。そうやって学んだ知識をいかし人事が「採用したくなる学生」になるための努力をしてから面接に挑みます。 マナーや身だしなみなどはもちろん、模範的な回答や志望動機の方向性など「理想の形」に少しだけ自分らしさをまぶした上で面接に挑むため、大半の学生は平均的に「理想に近い良い子たち」に見えてしまうのが実態です。

そういった立派な就活生を演じる”偽装”の背景には、子供の頃からテストに正解し模範的な人間になるための努力を強いられてきた義務教育の影響があると考えられます。ありのままの自分を表現するのではなく、なるべく優秀な良い子であろうとする学生の本来の姿をよく知るためには、採用担当者が学生の「素」を引き出すような工夫が必要となります


学生が偽装してくるのは悪いこと?

面接時に優秀な学生を演じられるということは、対人的なスキルを持っているということでもあります。特に取引先の前に立って対応をするような仕事の場合は社会人としての適応能力が必要であるため、そういった学生を採用するのも選択肢の一つであると言えるでしょう。

一方で、「自社の中で活躍できる社員であるかどうか」「その職種への適性があるか」「問題を起こすような要素を抱えていないかどうか」などは面接時点でもっと踏み込んで見極める必要があります。学生の適性を知るための質問は予め用意しておきましょう。


面接時に「ヤバイ」と感じる学生はどうする?

面接をしていると明らかに「この子はうちの会社には合わない」と、雰囲気や言動などから判断できる場合もあるでしょう。面接時に「この子は大丈夫かな」と感じるような身だしなみや言動の学生も稀に存在します。そういった学生の多くは就職活動においての対策を何も講じていない又は一般常識がない可能性が高いでしょう。

しかし、そういった学生に対しても人事担当者は毅然として大人の対応をとるよう心がけましょう。「学生が失礼だから」「全く常識がなっていないから」と学生に喝を入れるのが学生のためだと考えて敢えて忠告すること自体は悪いことではありませんが、学生側がどう感じるのかというのはまた別の問題です。

近年では、SNSや口コミサイトなどで面接官の対応に関するレビューや口コミが見れるようになっています。学生にとって企業の”顔”となる採用担当者としての対応には最新の注意を払う必要があります。


学生の本質を見抜くにはどうすれば良い?

服装や仕草に目を配る

学生に限らず、身だしなみはビジネスにおいて基本的なマナーの一つです。人間の印象はひと目見ただけで決まると言われるほど、第一印象は仕事や人間関係に大きな影響を与えます。

就職活動の面接の段階で第一印象に気が配れるというのは、学生の段階から事前にそういった情報入手して対策を講じることのできる優秀な人材であるという証拠でもあります。目の前の学生がどれほど第一印象に気を配れているのかというのは、その人のポテンシャルを見極める上で重要な要素となるでしょう。


話を掘り下げて質問する

面接の質問では、一つの話題について深く掘り下げて質問することが重要です。その人の考え方や意思決定の基準などを知るためには、学生の過去の経験における選択や選択の理由、その時の心情や周りの環境などを具体的に聞き出しましょう。

掘り下げる質問は、優秀な回答をするために面接対策をしてきた学生や話の内容を誇張している学生の本質を見たい場合などにも効果的です。また、「話し方が論理的か」「話の内容に一貫性があるか」などを把握するためにも、浅く広くではなく狭く深く質問をするようにしましょう。


「面接上手」を評価しない

面接では、上手な回答をしてくる”面接が上手な学生”を評価しないよう気をつけましょう。「この人は回答が良いから高評価」としたくなる気持ちも分かりますが、採用において自社が求める人材は面接が上手な人材ではないはずです

採用はあくまでこれからの自社の成長に必要な人材を獲得するために行うものですので、目の前の学生が自社で期待通りの活躍をしてくれるかどうかを、学生の性格・適性・ポテンシャルなどを基に見極めましょう。


面接で学生が自分を出しやすくするためのポイント

学生が親しみやすく接する

学生にとって就職活動は、その後の人生を決める大きなターニングポイントです。面接で緊張しない学生はほとんどいないと言って良いでしょう。面接で学生の素を知るためには、学生が自然体で回答しやすい雰囲気作りを心がける必要があります。

学生に「そんなに緊張しないで大丈夫ですよ!カジュアルに話しましょう」と面談の前に一言添えるだけでも効果的です。学生が怯えてしまうような圧迫面接をするよりも、面接官が笑顔で質問や回答をする方が学生側は素の自分を出しやすく、よりその学生の人柄や性格を知ることができるでしょう。


失敗しても良いことを伝える

学生は前述の通り、優秀な人材に見られるために質問に対し上手な回答をしようと頑張ります。面接で失敗しないよう、今まで行ってきた面接対策の内容を思い出しながら一生懸命に頭を回転させている学生も少なくないでしょう。

このようなプレッシャーを感じている学生には、面接を行う前に「失敗しても良い」ということを伝えることが効果的です。また、「綺麗な回答ではなく、あなた自身について教えてほしい」と合わせて伝えることで、学生は自身がどういった回答をすべきかが分かり、プレッシャーが和らぎます。学生からナチュラルな回答を引き出すためにも、面接前の段階から学生をリラックスさせることが重要です。


学生のポテンシャルを知るための質問例

ここからは、「その学生のポテンシャルを知るための質問例」をご紹介します。会社にとって必要な人材かどうかを判断するためには、潜在的な能力を見極める必要があります。

特に社会人に必要とされるのは、「問題解決能力」「とっさの判断力」などの課題やトラブルに対応する能力です。平時には誰もが通常業務をこなすことは難しくないかもしれませんが、非常時の対応や考え方によりその人の本質が見えてきます。


「学生時代に最も失敗したエピソードを教えてください」

人は失敗をすることにより、反省し同じ失敗を繰り返さないよう学んで成長していくものです。そこで、これまでの人生での最大の失敗と、その後の対応や解決策、同じ状況に陥らないために留意していることなどを聞いてみましょう。

学生は多くの場合、「学生時代に最も頑張ったこと」などの回答は用意しているものですが、失敗経験に対しては答えを用意していないことも多く正直なエピソードを聞くことができます


「明日自分が勤めている会社が倒産したらどうしますか?」

会社では常にリスクマネジメントの精神を持って、業務に対応していく姿勢が必要とされます。「もし納期までに先方が間に合わなかったら」「もし会議でこのプレゼンに対しこのような質問をされたら」。常に最悪の事態の「もし」を想像し先手を打っておくことができる人材は、仕事での失敗やトラブルを起こすことも少ないでしょう。

そこで、最大の「もし」として、「明日自分が勤めている会社が倒産したらどうしますか?」「もし今住んでいる家から明日出ていけと言われたらどうしますか?」など最悪の事態へのとっさの判断力を確認する質問をしてみると良いでしょう。


その学生の「素」を知る為の質問例

面接では多くの学生が緊張やプレッシャーを感じており、その学生の素を把握することが困難です。しかし、自社で活躍できる人材かどうかを見極めるためには、人柄キャラクターがとても重要となってきます。

ここでは、学生の緊張をほぐしながら素の人間性を引き出す質問をいくつかご紹介します。


「何をしている時が最もあなたらしいと感じますか?」

人間は自分の話をするときには、素にもどり自分らしい顔を取り戻しやすいです。そこで、全く装わない自分自身の話をしてもらいましょう。

「何をしている時が最もあなたらしいと感じますか?」という質問では、その学生の趣味や最もリラックスできる瞬間などについて聞くことができ、さらにその話を掘り下げていくことでリラックスした精神状態を取り戻してもらうことが期待できます


「今日が地球最後の日だとしたら何をしますか?」

学生の「最も望むこと」が把握できる質問です。「今日が地球最後の日だとしたら何をしますか?」と人生の最後にしたいことを問われると、その人の真の価値観を垣間見ることができます。

最後に誰かに会いたいのか、何かを食べたいのか、あるいはあきらめずにロケットで宇宙に飛び出すのかなど、回答者の少し変わった個性なども知ることができる質問です。


「私にあだ名をつけてください」

とっさの対人能力を確認しておくことも必要です。「空気を読む」ことに慣れている学生が増えているとはいえ、あまりにも失礼な言動をしたり常識知らずな問題を起こす新入社員がいることも事実です。

「私にあだ名をつけてください」と質問することで、適切な対応が取れるのか、その上での発想力気遣いなども垣間見ることができます。


最後に

学生の本当の姿を面接だけですべて把握することは難しいでしょう。しかし、今回ご紹介した質問をしてみることで、少なくとも「しっかりした回答をしないと!」と気を張っている学生から自然な回答を引き出すことができるはずです。。この機会に質問項目を今一度見直して、面接でその学生の「ポテンシャル」と「素」を確認し、優秀な人材の確保に努めましょう。


母集団形成におすすめ

インターンや会社説明会の求人を無料掲載できる

  • 導入企業2300社 学生12万人以上の実績がある急成長メディア
  • 3人に1人は東大、早慶、8割がGMARCH以上クラスと優秀な学生がほとんど
  • メルマガやオファー送付など個別の集客プランも対応可能
facebookでシェアX(旧Twitter)でシェアこのエントリーをはてなブックマークに追加

新卒採用選考の記事一覧

新卒採用でのリクルーター活用例とポイント
新卒採用でのリクルーター活用例とポイント

新卒採用の手段として注目が高まっている、リクルーター制度。新たに導入を図る企業も増えていますが、初めて活用する企業にとっては疑問点が多いでしょう。 そこで今回は、リクルーター制度の概要...

続きを読む
【人事向け】グループディスカッションのテーマ設定のポイントと具体例
【人事向け】グループディスカッションのテーマ設定のポイントと具体例

グループディスカッションが日本の就職活動の選考に取り入れられ始めて約10年。新卒採用ではかなりメジャーな存在になりました。はじめはマスコミ等一部の業界で活用された選考方法でしたが、今や公務員試験...

続きを読む
グループディスカッションで学生を見極める評価基準の例
グループディスカッションで学生を見極める評価基準の例

学生のキャラクターや考え方、チームでの振る舞い方を知るのに有効な、グループディスカッション。新卒採用で導入しているのはいいものの、その結果を採用の判断に使いこなせていない企業も少なくありません。...

続きを読む
グループ面接で効率よく学生を見極める質問例・評価ポイント
グループ面接で効率よく学生を見極める質問例・評価ポイント

面接をする際に、面接対象の学生が1名であれば、その学生の評価だけに集中することができます。しかし、グループ面接の場合には複数の学生を同時に選考するため、比較する学生の組みあわせによりその学生の評...

続きを読む
入社意欲を高める面接での接し方
入社意欲を高める面接での接し方

「よい人材を確保したい」と思うのは企業として当たり前のこと。しかし、内定を出しても内定辞退をされてしまうことが多いという場合には面接時の対応に問題があるのかもしれません。企業側としてはつい、「選...

続きを読む