【人事向け】グループディスカッションのテーマ設定のポイントと具体例

グループディスカッションが日本の就職活動の選考に取り入れられ始めて約10年。新卒採用ではかなりメジャーな存在になりました。はじめはマスコミ等一部の業界で活用された選考方法でしたが、今や公務員試験でも「集団討論」という形で実施されています。このようにグループディスカッションは、日本の就職活動には欠かせない選考方法になりました。

【人事向け】グループディスカッションのテーマ設定のポイントと具体例
目次

グループディスカッションの流れ

グループディスカッションは、大人数で一度に選考ができ、評価者の負担も少なくて済む選考方法ですが、お題の設定を間違えてしまうと、欲しい人材を正しく選ぶことが難しい選考です。グループディスカッションの流れを理解しつつ、テーマをいかに設定するかを考えていきましょう。

準備

グループディスカッションを行う際は、先に就活生に名札をつけてもらうのが一般的です。ディスカッションのはじめに自己紹介はしますが、名札がないと就活生同士が名前を呼び合うことが難しくなりますし、評価者も就活生を見分けにくくなります。名札は受付、または前室にて配布しておく必要があるでしょう。

自己紹介

ディスカッションが始まったら、氏名(場合によっては大学名)順番に言っていくのが慣例となっています。ディスカッションになれている学生は、指示をしなくてもこの流れで自己紹介をするはずです。しかし、たとえば理系で活動開始が遅く、就職活動自体をはじめたばかりだったりするとこのルール自体を知らずに手間取ってしまうかもしれません。そのようなハンデが生まれそうな場合は、先に「始まったら順番に名前を言って自己紹介をしてください」と指示しておきましょう。

役割の決定

役割とは、「司会」「タイムキーパー」「書記」などのことを差しますが、近年は特にこのような役割を決めずにディスカッションを進めていく方法も多いので、このあたりも指定をしたい場合は事前に指示が必要です。

事前確認事項の共有

ここがグループディスカッションがスムーズに進むかの肝になります。グループ内でディスカッションをはじめる前に確認しておかなければならない事項に関して洗い出し話し合って、共有した上でディスカッションを進めます。例えば「家を買うなら、一軒家がいいかマンションがいいか」というお題の場合「家族構成」「年収」「家を買う場所(地域)」など予め決めておかなければならない事項がありますのでそれを洗い出す際に、項目を挙げることができるか、挙げた項目に対して的確な意見交換ができているかをチェックしましょう。

討論

実際に討論の時間は20~60分と幅がありますが、時間が短すぎると話し合いが終わる前に時間が過ぎてしまうので、お題が難しいときは時間を多めに取っておく必要があります。特に選択式でない場合は少なくとも30分は必要でしょう。

発表

最後に議論の結果を発表します。発表時には紙などにまとめたものを使用する場合もあれば、口頭でのみの発表もあります。どのような形式・持ち時間で発表してもらうのか、ディスカッションの最初に提示しておくと良いでしょう。

役割は決めるべきか

役割を決めないグループディスカッションが成り立つには、構成する学生がある程度積極的でグループディスカッションに慣れている必要があります。コミュニケーションを取ること自体が得意な学生が集まる場合は良いのですが、そうでない場合は役割を決めさせた方がスムーズでしょう。

グループディスカッションのテーマ

グループディスカッションには様々なテーマがあります。テーマによってまったく違うディスカッションになりますし、ディスカッションで判断できる能力が変わってきます。ここではディスカッションのテーマの種類とそのテーマで判断することのできる能力について解説していきます。

自由討論型・課題解決型

<テーマ例>
自由討論型・課題解決型のテーマとしてはこのようなものがあります。
「シニアが活躍する社会にするにはどうすればよいか」
「理想の上司に求められるものは何か」
「20年後、こども関連のビジネスにはどのような変化があると思うか」

<評価ポイント>
【積極性】
自由討論型の場合、どんどん候補を出し、その中から絞っていくというスタイルを取らなければならないので、長考するというよりは100%正解という意見ではなくてもポンポンと意見を出していく必要性があります。恥ずかしがらずに積極的に発言できるか、また他の人の意見に反応できるかで積極性を判断することができます。

【状況把握力】
同じお題でも、グループの構成員によってディスカッションの進み方は大きく変わります。 ですから、今どのようなことが意見が出ているかを把握し、自分には何が求められているのかを考えることができるかどうかは重要な評価ポイントです。能力の高い学生でも、周りがあまり意見を出さないことにイライラしてしまうような場面が見えたりすることもあるので、そのあたりも評価に入ってくるかと思います。

【創造性】
現状や将来の展望から自分なりのアイディアを考えだし、発表しなければならないことから、創造性を評価することができます。企画立案や提案などが業務に含まれる場合は、ディスカッションで発揮される想像力が活かせる可能性があるので、そのような視点で評価すると配属にも参考になります。

フェルミ推定型

フェルミ推定では、提示された条件から様々な仮説や論理を立てて、推測を行い議論します。
上位大学の学生は、就活前にフェルミ推定についてレクチャーを受けたり、就活本で知識を得たりする機会があります。
フェルミ推定型のテーマとしてはこのようなものがあります。

<テーマ例>
「日本に電柱は何本あるか」
「日本の自動車市場を5年で2倍にするにはどうすればいいでしょうか?」
「スマホを使い、1日で100万人が利用するサービスを立案してください」

<評価ポイント>
【論理性】
フェルミ推定のお題は、常識的に持ち合わせている知識から与えられた条件を細分化して、解答を導き出していく論理性が必要です。どのような前提条件から順を追って解答に近づけるか、また他の就活生の意見をどのように取り入れることができるかを見て評価することができます。ただし専門的な数字が必要な場合は事前に伝えておいた方がいいでしょう。

【独創性】
議論の過程で、自分なりのアイディアを発表していくことになると思いますが、その際に独創性を評価することができます。一見関係のないようなアイディアでも解答を導く鍵になる発言があった場合には、評価に値すると判断できるでしょう。

選択型

いくつかの選択肢の中から選んで解答するタイプのお題です。
<テーマ例>
「日本国内にもう1つ、ディズニーランドを作るとしたらどこにするか」
「理想の上司を1人決めて発表せよ」
「愛、仕事、お金、友人、家族、趣味 に優先順位をつけよ」

<評価ポイント>
【論理性】
選択肢を選ぶ際に、ただなんとなくではなく理論的な意見を出し、それをグループ全員にわかるように説明することで、結論に繋げなくてはならないので、その過程で就活生の論理性を評価することができます。

【協調性】
議論をする際に、グループ内で出た意見を受け入れて進めていく必要があるので協調性を評価することができます。一見受け入れたように見えても、少し表情や態度に出てしまったりすることもあるので見逃さずに評価したいところです。

【柔軟性】
協調性と近いところで評価できるのが、柔軟性です。他の人の意見を聞いて自分の意見に取り入れたり、潔く意見を変えたりすることができるかで評価します。就活生は意外と頑固な面ももっているので、見え隠れする場面があるかもしれません。

【価値観】
議論の中で決める優先順位には、明確な正解があるわけではありません。その中で全員で優先順位を決めていく際にそれぞれの就活生の価値観を知ることができます。適性検査などではわからない、生の価値観を知り評価することで自社の価値観に近い就活生を選ぶことができます。

ディベート型

 

「賛成」「反対」などの異なる立場に分かれて議論します。 グループ分けは、「自分たちで選択してもらう」方法と「予めこちらで決める」方法があります。
数の偏りがでにくいのは予め決める方法ですが、議論が活発になるのは自分たちで選択してもらう方法です。

<テーマ例>
「一軒家とマンションどちらが良いか」
「小学生に携帯を持たせるのに賛成か反対か」
「給食と弁当はどちらがよいか」

<評価ポイント>
【論理性】
対立する2つの立場の全員に対して、皆が納得できるような説明をするためには、誰が聞いても理解ができる客観的で論理的な要素が必要です。また相手の話を聞いて、論理的とは言えない部分を指摘したりする場面を見て評価をすることもできます。

【協調性】
ディベート形式の場合、相手を攻撃してしまったり、貶めるような発言が出てしまうことがあります。相手をおもいやった発言ができているかを是非評価してください。

最後に

このようにグループディスカッションは、他社もやっているからとやみくもに取り入れても、貴社が評価したいポイントを見ることがができなければ、意味の薄いものになってしまうことがあります。是非、貴社の評価軸を事前に決め価値ある時間となるように事前のご準備をしていただき、その後の採用にプラスになる選考となさっていただければと思います。


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