新卒採用はいつから?採用までのスケジュールを解説



新卒採用のスケジュール管理は非常に重要です。早めに調整しておかないと他社に後れを取ることになり、優秀な学生を採用する機会を逃してしまうかもしれません。そうならないためにも、常に最新の情報をキャッチしスケジュール管理のコツを心得ておきましょう。

新卒採用はいつから?採用までのスケジュールを解説
目次

なぜ新卒採用のスケジュールは変わるのか?

従来は経団連の就活ルールによって決められていた

新卒採用をどんなスケジュールで行っていくかは、2020年まで毎年経団連が決めていました。学生の研究や論文執筆を阻害しない、企業研究の時間をもうけるなど、様々な観点が考慮され、決定していたのです。

経団連はスケジュールだけでなく、採用活動の方針も公開していました。「公平・公正な採用の徹底」として、男女雇用機会均等法や雇用対策法及び若者雇用促進法に即した活動を呼び掛けると共に、「正常な学校教育と学習環境の確保」として、学生の学習環境確保に努めるよう促していました。

ちなみに、2020年入社の採用活動においては、広報活動は「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、選考活動は卒業・修了年度の6月1日以降」、内定日は「内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降」となってました。


2021卒からは政府主導の新ルールに

経団連による2018年10月9日の正副会長会議で、2020年春入社の採用を最後に採用指針が廃止されることが決まり、2021年春入社の採用からは政府主導で新ルールが検討されることになりました

しかし、新卒就活のルールが政府主導となったものの、政府は混乱を避けるため2021年春入社以降の大学生についてもしばらくは現行ルールを維持する方針を示しています。今後、政府の方針次第で大きな変更がなされる可能性はありますが、しばらくは今までの新卒就活スケジュールのまま採用活動が行われるでしょう。


2021年の採用スケジュール

3月から広報活動が開始

広報活動は、3月から開始となっています。それ以前に行うのはルール違反になりますが、ここでおさえておきたいのが「不特定多数に向けた活動はしてもよい」ということ。例えば自社のHPにどんな学生を求めているかを掲載したり、採用担当者がブログを書いたりするのは、ここでいう広報活動に当てはまらないので問題ありません。今後の採用スケジュールを明らかにすることもOKです。


6月から選考開始

選考活動は、6月以降に開始できます。選考活動とは、筆記テストや面接、適性検査などを指します。ただし、広報活動同様に、採用活動においても事前に始めてもよい部分と、6月まで待たなくてはならない部分があるのです。

事前に始めてもよいのは、「日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられている」もの。たとえばテストセンターでの試験や、エントリーシートのダウンロードは、作業日時が決められているわけではありません。こうしたものは事前に始めても学生の研究を邪魔しないため、早い段階から始めることが認められています。


内定は10月以降に

正式な内定は、10月以降に出すことができます。既定のスケジュールではありませんが、8月~9月の辺りに内々定を出す企業が多いでしょう。内定通知書等を送ることはできませんが、人事を通して内々定を伝えることは可能です。

内定式は、例年10月1日に行う企業が多いです。プログラムとしては代表取締役の挨拶や、人事からのメッセージ。中小企業では内定者が社会人になるにあたっての抱負を語ることもあります。


企業の採用活動は早期化している

大手企業は、おおむね上記のスケジュールで採用活動を行います。しかし、就活ルールに則らなくても特別罰則などがないため、中小企業はこれよりも数か月前倒しで活動することが多いでしょう。早くから学生と接触して囲い込み、大企業より先に良い人材を確保するのが目的です。

新卒の学生側も就活開始の時期が不明瞭になっているためか、早期に就職活動を行おうという意識が強くなっています。多くの企業がサマーインターンシップや会社説明会の開催、就活イベントへの出展や内定直結型プログラムの実施などを通して、こうした早期に就職活動を行なっている学生にアプローチを行っています。


時期別の準備内容を抑える

【前年6~8月】採用計画の策定

6月から7月頃は翌年の採用活動を考えるにあたりその年の採用活動の振り返りを行います。前年に策定した採用計画と実際の採用活動や結果を見ながら課題の洗い出しをしましょう。採用活動が途中の場合もこのタイミングで中間の振り返りを行うことで、次年度の採用活動をより効果的に行うことができるようになります。

採用活動の振り返りの後、8月頃までに次年度の採用計画の策定を行いましょう。採用基準・採用戦略・採用スケジュールをを決定した上で合同説明会などの就活イベントに備えて予算や人員の確保をしておく必要があります。


【前年9~11月】広報活動

秋頃には翌年の採用へ向けて広報活動を行いましょう。新卒採用サイトやパンフレット制作、求人票の作成、秋冬インターンシップなどの準備を数ヶ月かけて行います。特に採用サイトの制作は、設計から制作・公開までに長期間かかるため早めに準備を始める必要があります。前年度の採用活動が終了している場合は、このタイミングで最終的な振り返りを行うと良いでしょう。


【直前12~2月】採用準備と最終確認

採用直前の12月から2月頃には、選考と内定後の採用スケジュールの再確認や3月からの採用活動の準備を行いましょう。採用したい人物像と人数などにも変更がないか改めて確認します。次年度に実施するインターンシップやイベントの計画もこの時期に行っておくと良いでしょう。


【3~5月】採用アプローチと選考状況の確認

採用活動が開始される春には、選考に進んでいる学生の対応に注力します。採用計画通りに進んでいるか随時チェックするようにしましょう。もし計画通りに進んでいない場合は早い段階で課題を見つけ出して対策を講じる必要があります。特に母集団形成が上手くいっていない場合は、説明会の追加開催や学生集客媒体の利用などの対応を行います。


【6~9月】内定者の決定と内定者フォロー

6月から7月頃には内定者の最終的な決定を行います。採用活動が思うようにいかなかった場合は、追加で今年度の採用を行うかどうかも決めます。

内定者が決定し、選考がある程度落ち着いてきた夏頃には内定者フォローに注力すると良いでしょう。確保した人材が内定辞退によって減ってしまうということはなるべく避けたいです。

内定者同士が顔を合わせられるような懇親会や先輩社員と交流する機会を用意すると共に、学生が不安を感じていることを把握してフォローしていくことが重要です。


スケジュールにあわせた準備を

新卒採用においては、事前準備が大切です。スケジュールにあわせて早い段階から準備しましょう。

インターンシップはいつ行う?

採用活動の一環として、インターンシップを行っている企業も増えています。タイミングとしては、就活サイトがオープンする3~6か月前に行うことが多いですが、もっと早い段階から、インターン生を集めている企業もあります。

就活生だけではなく、1~2年生の学生を集め、早くから自社に興味を持ってもらう作戦をとることもあります。インターンを通して長期的に企業のことを知ってもらうためです。採用側も学生の性格や特性を理解したうえで採用できるので、ミスマッチが起こりにくいのがメリットです。


早期から選考計画を策定しておく

企業の採用活動が早期化している影響で、採用全体の計画も早い段階から考えておく必要があります。さらに、早期化と合わせて採用活動が長期化しているという傾向もあります。今年度の採用活動をしながら次年度の採用計画を策定するという、通年を通して今年度と次年度分の活動を行うことが採用担当者には求められています。

仕事が山積みになる前に、可能な限り早期の段階から次年度の選考計画を策定し、今年度の選考状況や社内状況に合わせて随時修正をしていくという進め方をすると良いでしょう。


選考中の諸注意

新卒採用においては、いくつかの注意点があります。まずは、どんな人材が欲しいかをできるだけ明確にしておくことです。専門スキルの有無を重要視するのか、コミュニケーション能力の高さを基準とするのかなど。これをはっきりさせておかないことには、スムーズな活動ができません。

また、受験する学生とはあくまで平等な立場だという認識が必要です。「こちらが採用してやっている」という姿勢は透けて見えますし、最近はSNSで「○○社の面接官の態度がひどかった」とかんたんにシェアされます。特にBtoC企業は、面接の場が終われば相手は顧客の一人であるということを念頭に置き、誠意ある対応を心がけましょう。


最後に

年によって変わる新卒採用のスケジュール。近年の新卒採用の早期化・長期化に伴い採用担当者の仕事はさらに忙しくなっていくと見られます。どのタイミングでどんなことをすればいいのか、しっかりと理解しておきましょう。


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