入社意欲を高める面接での接し方
「よい人材を確保したい」と思うのは企業として当たり前のこと。しかし、内定を出しても内定辞退をされてしまうことが多いという場合には面接時の対応に問題があるのかもしれません。企業側としてはつい、「選んでやっている」という意識を持ってしまいがちですが、内定時に学生の入社意欲を高めることまで意識した面接をすることが必要です。それでは、入社意欲を高める面接とはどのようなものなのでしょうか。
- ・「圧迫面接でやる気をはかる」はもう時代錯誤
- ├若者の仕事への思考は変化している
- └「ブラック企業」とインターネットで拡散されることも
- ・入社希望者にとって入社意欲を高める面接時の対応とは?
- ├直属の上司となる方から仕事内容や職場の雰囲気を聞くことができる
- ├企業として、人事担当者としての誠実かつ丁寧な対応をしてもらえる
- └自分の話をきちんと興味を持ってきいてくれる
- ・その後の連絡方法にも注意
- ├「わが社に入社したいと思っていて当たり前」という態度はNG
- └連絡の頻度や対応の悪さも入社意欲を削ぐことになる
- ・最後に
「圧迫面接でやる気をはかる」はもう時代錯誤
以前は、「圧迫面接でやる気をはかる」ということもしばしば行われていました。面接官2名のうち1名が厳しく理不尽な質問を圧迫的に行い、もう一方が優しくフォローする面接で学生の対応を見るというものも同じくありました。しかし、近年ではそういった「圧迫面接」と呼ばれるたぐいのものは時代錯誤ともいえます。
若者の仕事への思考は変化している
その理由は若者の仕事への思考が変化しているためです。ひと昔前であれば、「会社員になったら辛いことを乗り越えてこそ成長できる」と考え、上司の理不尽な要求にも耐える新入社員や若手社員が当たり前でしたが、今の若者は違います。「理不尽なことを言われて納得がいかなければ、そんな上司や会社で時間をすごすのは無駄だから退職しよう」と考えてしまいます。以前よりも転職する人が多いということも背景にはあります。
「ブラック企業」とインターネットで拡散されることも
そんな考えを持つ若者たちは面接の段階で「圧迫面接」や、少しでも理不尽さを感じると「この会社に入るときっともっと理不尽な要求をされたりするんだ」と感じ、時には「ブラック企業だ」と入社意欲を削がれます。最悪の場合、インターネットで「●●社の面接を受けたけどブラックだった」と拡散されることもあります。
入社希望者にとって入社意欲を高める面接時の対応とは?
それでは学生にとって入社意欲を高める面接時の対応とはどのようなことなのでしょうか。3つのポイントを見ていきましょう。
直属の上司となる方から仕事内容や職場の雰囲気を聞くことができる
社会人経験のない学生は、入社後具体的にどのような仕事をするのかイメージしづらく不安を抱えているものです。どんなに人事担当者が説明を丁寧にしたとしても、その不安を拭い切れない場合もあります。しかし、面接官が直属の上司となる予定の方であれば、「この人と一緒に働くのか」と職場の雰囲気や仕事内容をイメージしやすく、さらに不安や気になることがあれば質問も具体的にしやすく、入社意欲が高まります。
企業として、人事担当者としての誠実かつ丁寧な対応をしてもらえる
直属の上司となる人物による面接が難しい場合であっても、企業として、人事担当者としての誠実かつ丁寧な対応をすることは意識しなければなりません。学生も売り手市場の現在においては「企業を選ぶ立場」なのです。あまりにも企業側のおごりや、学生を粗末に扱うような態度が透けて見えると、それはすなわち会社として「社員を大切にしないのではないか」というイメージにつながります。エントリー後から内定の連絡まで、細やかなところに対し「人と人のコミュニケ―ション」ができているかどうかというのは人事担当者の手腕が問われるところでもあります。
自分の話をきちんと興味を持ってきいてくれる
面接時に面接担当者が注意したいのは、学生の話をしっかりと「興味を持って」聞いているかどうかです。何人もの学生への面接が続くと、つい流れ作業のように質問をしてしまうこともあるかもしれません。しかし、学生側とすれば、「自分の話や人となりには興味がないんだな」と感じてしまいます。ここでも大切なのは「人と人のコミュニケ―ション」ができているかどうかということです。学生の話の内容や流れによっては「そこであなたはどのように感じましたか?」「それでそのあとどうしたんですか?」などと深堀する質問をすることも必要です。話に興味があるという姿勢だけでなく、話の流れからその学生の意外な一面について知ることができる場合もあります。
その後の連絡方法にも注意
さらに、内定の連絡や、内定者となった学生への連絡方法についても注意しましょう。特に企業の奢りがすけて見えてしまいがちなのは内定の連絡をするときです。
「わが社に入社したいと思っていて当たり前」という態度はNG
内定の連絡は多くの場合、電話であることが多いと思いますが、あまりにも上から目線で「内定とします」という言い方や、「わが社に入社したいと思っていて当たり前」という態度は避けましょう。「●●さんはわが社にとって必要な人材だと感じたためぜひ入社してほしいと感じました」といった、あくまでお願いをするスタンスが望ましいです。内定承諾することを前提とした話の進め方は印象が悪いこともありますので注意が必要です。
連絡の頻度や対応の悪さも入社意欲を削ぐことになる
また、内定承諾後に連絡が途絶えてしまったり、対応が悪かったりすることも学生を不安にしてしまい、内定承諾後に辞退、という最悪の結果を招きかねません。内定者に対しては細やかなフォローを心がけるようにしましょう。
最後に
入社意欲を高めるためには面接の段階から、「この会社で仕事がしたいな」と思ってもらえる対応が欠かせません。あくまで双方が選ぶ立場であり、対等であることを忘れずに選考をするように心がけましょう。
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