グループ面接で効率よく学生を見極める質問例・評価ポイント



面接をする際に、面接対象の学生が1名であれば、その学生の評価だけに集中することができます。しかし、グループ面接の場合には複数の学生を同時に選考するため、比較する学生の組みあわせによりその学生の評価が変わってしまう可能性があります。さらに、複数を同時に面接するため時間が短く、時には1~3問程度の質問で学生の素質を見極めなければいけないため難しいかと感じる人事担当者の方も多いことでしょう。そこで今回は、グループ面接で効率よく学生を見極める質問例や評価ポイントをご紹介します。

グループ面接で効率よく学生を見極める質問例・評価ポイント
目次

自己紹介や志望動機は全員に同じ質問を

まず、全員に必ず聞いておきたい、差別化のしにくい質問は必ず全員に聞きましょう。時間短縮のため、最初に「それでは、左の●●さんから順番に自己紹介と志望動機について1分程度で話してください。」と伝え、順番に話してもらうようにします。実はこれだけでも、学生の隠れた素質を見極めるポイントは隠されています。

相手のニーズに合わせ回答しているかを見る

一見全員が個性のない回答をしそうな場面ではありますが、その学生が「相手のニーズに合わせ回答しているか」を見ることができます。集団面接という場で自己紹介と志望動機を言わされるのはなぜか、どのような言葉遣いや目線を送ることで、他の学生と差別化し自分の長所をアピールできるかをとっさに考えることができるか、あるいは事前に予測して準備していたかはその内容を聞くことですぐにわかります。

企業研究や未来への明確なビジョンがあるかを見る

さらに、その志望動機の中に「自社でなければ実現できないこと」が含まれているかどうか、企業研究の成果が透けて見えます。また、学生自身の中に社会人として成し遂げたい未来への明確なビジョンや夢があるかどうかもわかるでしょう。

趣味や最近気になるニュースなど個々のパーソナルな質問をする

続いて、趣味や、最近気になるニュースなどについて質問してみましょう。これは各学生に、自己紹介の内容などを踏まえ個別に異なる質問を掘り下げることでパーソナルな部分を確認していきます。

敢えて全員に違う質問をしてみる

なぜ敢えて全員に違う質問をするのでしょうか。これは、とっさの判断力やコミュニケーション能力を見るためです。集団面接の場合には、どうしても最初に質問された人が不利となってしまいます。ずっと同じ質問をしていては、最後に回答する学生には考える時間があり、平等さに欠けるためです。また、それぞれの学生の「素」の部分に迫るためにも、個々の所属するサークルや頑張ってきたこと、志望動機などに合わせて質問を変えてみましょう。意外な一面が見えてくるかもしれません。

隣の人にあだ名をつけてください、などコミュニケーション能力を見る

さらに、とっさのコミュニケーション能力を見るものとしては、「隣の人にあだ名をつけてください」という質問もおすすめです。個人面接の場合には「(面接官である)私にあだ名をつけてください」というものも有効ですが、初対面である相手に対し、空気を読みつつもウィットに富んだアイディアや発想力を持っているかどうか、また緊張している学生が多い場合には場を和ませるのにも有効です。

どのように評価を決めるべきか

最後に、グループ面接でどのように評価を決めるべきなのでしょうか。採用コンセプトなどにもよりますが、基本的には「良い意味で、最も印象に残った学生」を次のステップに進めるのが良いでしょう。印象に残るということは、会社員生活において必要なことであり、他の学生との差別化ができる稀有な存在であるともいえます。悪目立ちしていたり、あまりにも常識がなかったりするがために印象に残った学生というのは論外ではありますが、奇想天外な発想力やコミュニケーション能力、またライバルであるはずの他の学生を和ませているなど、「お、」と思う何かがある学生は評価するに値します。

最後に

グループ面接では、どうしてもその組み合わせや回答する順番により有利・不利などの平等性が失われているような気がしてしまいます。しかし、採用すべき優秀な学生というのは、どのような場面でどのような組み合わせであっても、またどのような順番であっても存在感を発揮するものです。その受け答えに明確なビジョンがあり、企業研究などの対策ができているのであれば、どの学生とグループ面接を受けたとしてもその合否の基準は変わることはないでしょう。

グループ面接を行う際には、「複数の学生を比べる」という考え方ではなく、「1対1の面接を同時に行っている」という考え方を持てば評価ポイントが混乱しないのではないでしょうか。あくまで、各学生の素質をみるという点では、個人面接とそこまで差はありません。ただし、「集団の中でも個性と存在感を発揮しようとする戦略」があるかどうかには注目すると良いでしょう。


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