インターンシップの報酬はいくらに設定すべき?無償インターンはあり?
近年、インターンシップを採用活動に取り入れる企業が増えています。しかし、導入にあたって学生に対する報酬は必要なのか、どの程度の金額に設定すべきかと悩む採用担当者は多いでしょう。
本記事では、インターンシップの報酬相場や、有償インターン・無償インターンの使い分け方、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。インターンシップの報酬設定について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
- ・インターンシップの報酬はプログラム内容によって異なる
- ├有償インターンにするケース
- ├無償インターンにするケース
- └有償インターンと無償インターンの比率
- ・有償インターンシップの報酬相場
- ├報酬には給与・交通費・宿泊費がある
- └給与の相場
- ・報酬あり(有償)インターンのメリットとデメリット
- ├有償インターンのメリット
- └有償インターンのデメリット
- ・報酬なし(無償)インターンのメリットとデメリット
- ├無償インターンのメリット
- └無償インターンのデメリット
- ・インターンシップ報酬の設定方法まとめ
インターンシップの報酬はプログラム内容によって異なる
インターンシップの報酬を支払うべきかどうかは、プログラムの内容によって変わります。有償にすべきケース、無償でよいケースをそれぞれ具体的に紹介します。
有償インターンにするケース
インターンを有償にすべきケースとしては、企業と学生の間に雇用契約が発生し、学生が労働基準法上の「労働者」と見なされる場合が挙げられます。学生が労働者にあたる場合、労働に見合った対価として報酬を支払う義務が生じるため、無償インターンでは違法となってしまいます。
労働者とみなされるかどうかの判断基準として、インターンシップにおいては「活動の成果が企業の利益につながるか」という点が重要です。
営業担当として取引先を訪問させたり、インターン生の成果物を事業に活用したりする場合、企業の利益につながっているとして有償にすべきでしょう。数ヶ月~1年程度、自社のメンバーとして稼働してもらう長期インターンであれば、ほとんどの場合報酬の支払いが必要になります。
無償インターンにするケース
一方、インターンシップの報酬を支払わなくてよいケースは「インターンシップの活動が企業の利益につながらない」場合です。
本来、インターンシップとは学生が実際の仕事を「体験」するためのものです。業務としてではなく、企業に利益をもたらさない「体験」を主な目的としたプログラムであれば、報酬の支払いは不要なケースがほとんどでしょう。
具体的には、特定テーマに沿ったグループワークやオフィス見学などが挙げられます。活動が企業の利益につながっていなければ、給与としての報酬を支払う義務はありません。
有償インターンと無償インターンの比率
実際に開催されているインターンシップのなかでは、有償と無償どちらの比率が大きいのでしょうか。リクルートが運営する就職みらい研究所の「就職白書2019」によれば、学生が参加したインターンシップのうち企業から報酬の支払いを受けた割合は以下のとおりでした。
・交通費:47.2%
・宿泊費:16.5%
・報酬 :12.2%
※宿泊費は宿泊施設の無償提供を含む
参考:https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/c07a2df34dc6f701c465a6dbc3df4850.pdf
遠方から参加してもらう場合など、必要に応じて交通費や宿泊費が支払われるケースは少なくありません。しかし、労働に対する対価としての報酬を支払うプログラムは、全体の1割強にすぎないことがわかります。
手軽に開催できる説明会形式やグループワーク形式などでは、ほとんどの場合報酬の支払いが発生しません。このあたりが無償インターンの比率が高い要因だといえるでしょう。
有償インターンシップの報酬相場
有償インターンシップを実施する場合に設定すべき報酬金額について、以下2つのポイントで解説します。
・報酬には給与・交通費・宿泊費がある
・給与の相場
報酬には給与・交通費・宿泊費がある
前述のとおり、インターンで発生する報酬には給与・交通費・宿泊費という3つの項目があります。遠方から参加してもらう場合は、交通費や宿泊費、または宿泊施設を用意することで参加者の負担を軽減できます。負担感が小さければ、より多くの応募に期待できるでしょう。
交通費・宿泊費は実費ベースでの支給になるため調整の余地はあまりありません。
給与の相場
有償インターンの報酬設定で重要なのは、やはり給与の部分です。給与を支払う場合、インターン実施のコストも大きくなります。
給与の設定方法としては、時給・日給・成果報酬の3つがよく使われます。それぞれの相場は以下のとおりです。
・時給:1,000~2,000円
・日給:5,000~10,000円
・成果報酬:場合による
時給の場合、特殊な経験やスキルを必要としない業務であれば1,000円程度に設定されるケースが多いです。ただし、所属する地域の最低賃金は下回らないよう注意しましょう。また、高めに設定することで他社のプログラムより魅力的に見せることが可能なため、同業他社の条件などもチェックしたうえで検討するのがおすすめです。
日給に関しては幅が広く、業務内容によっては1万円を超えることもありますが、大半が5,000~10,000円の間で設定されています。成果報酬については、成果物の作成にかかる手間や時間、求められるスキルレベルによって大きく変動します。
いずれにしても、長期インターンによって通常の社員と同様の稼働を求める場合には、月15~20万円程度の報酬は想定しておいたほうがよいでしょう。
報酬あり(有償)インターンのメリットとデメリット
ここでは、報酬あり(有償)のインターンを実施する場合のメリット・デメリットについて、それぞれ紹介します。
有償インターンのメリット
有償インターンを実施するメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
・学生がプログラム参加に魅力を感じる
・学生のやる気を引き出せる
・成果物を業務に活用できる
・採用につながりやすい
インターンシップガイドが実施した「2021卒 インターンシップに対する意識調査」では、「あれば嬉しいと感じたインターンシップの特典/工夫」という質問に対し、「報酬/交通費/食事」が39.8%ともっとも多い回答を集めました。また、「嬉しいと感じたインターンシップの特典/工夫」でも、3番目に多い回答として「交通費(報酬)」を40.4%の学生が選択しています。
報酬だけを目的としてインターンに参加する学生は少ないですが、報酬があれば参加意欲が上がりやすいことは間違いないでしょう。また、インターン中のモチベーションも上がりやすく、成果物のクオリティ向上にもつながるはずです。
さらに、長期インターンに参加して報酬をもらいながら勤務した経験は、企業に対する帰属意識も高めます。将来的な本採用につながりやすくなるでしょう。
有償インターンのデメリット
一方で、有償インターンには以下のようなデメリットも挙げられます。
・人件費が発生する
・教育コストがかかる
・成果物の質がバラつく
・大人数は集められない
当たり前ですが、有償インターンの実施には人件費の発生が伴います。正式な社員として採用するより報酬相場は低いですが、数ヶ月にわたって勤務してもらう場合、そのコストは小さくありません。
また、就労経験のない学生がほとんどであるため、社会人としての振る舞いなど基礎から教育する必要があります。教育担当によるサポートなど、手間・時間がかかるでしょう。教育の初期段階では、上がってくる成果物の質も学生によってバラつきが大きくなりがちです。
人件費や教育の手間が発生するため、人数を多く集められない点もデメリットです。有償インターンは特定の学生と深い関係性を築くのに適しており、採用母集団の形成には向いていません。
新卒採用における母集団形成の方法と考え方
報酬なし(無償)インターンのメリットとデメリット
続いて、報酬なしの無償インターンを実施するメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
無償インターンのメリット
無償インターンを実施するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
・人件費がかからない
・多くの学生に参加してもらえる
・短期で手軽に開催できる
無償という言葉のとおり、人件費がかからない点は大きなメリットです。大量に学生を集めた場合でも、かかるコストは会場費用や交通費などで済むため、幅広い学生にアプローチする手段として適しています。
インターン実施にかかる費用はどのくらい?どんな費用がかかる?
ほとんどの無償インターンでは労働条件の整備や報酬の支払い、教育面の手配などが不要であるため、有償インターンよりも手軽に開催できます。これからインターンシップを導入するのであれば、まずは無償インターンから始めてみるのがおすすめです。
無償インターンのデメリット
一方、無償インターンにも以下のようなデメリットがあります。
・プログラムの魅力が劣る
・本気度の低い学生も集まる
・成果物を活用できない
先に挙げた調査結果からも、インターンシップに対する報酬が学生にとって魅力的であることは間違いありません。有償のインターンと比較すれば、報酬がない無償インターンの魅力は劣るでしょう。
しかし、学生の参加目的も就業体験や自己PR用のエピソードづくりなどさまざまです。報酬の設定も学生を惹きつける手段の1つではありますが、プログラム内容の充実などコストをかけずにできる対策も少なくありません。
学生が求めるものやインターンの開催目的を改めて整理することで、報酬なしでも学生・企業双方にとってメリットのあるプログラム作成のヒントが得られるはずです。
企業向け!インターンシッププログラム作成のポイント
その他のデメリットとして、気軽に参加できるため学生の本気度が必ずしも高いとはいえない点や、プログラム内で完成した成果物を事業に使えない点などが挙げられます。しかし、これらは「幅広い学生にアプローチできる」「報酬を支払う必要がない」といったメリットの裏返しでもあります。
インターン開催の目的を整理し、自社にとってのメリットを最大化できるようプログラムを設計しましょう。
インターンシップ報酬の設定方法まとめ
本記事ではインターンシップの報酬設定について、一般的な相場や有償・無償それぞれの場合のメリットとデメリットを紹介しました。
インターンシップの活動が企業の利益につながる場合、参加学生に対して報酬を支払う必要があります。これからインターンシップを導入するなら、まずは説明会形式やグループワーク形式など、リスクが少ない短期の無償インターンから始め、必要に応じて長期の有償インターンを検討するのがよいでしょう。
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