学生から応募が来ない求人情報の典型例と改善ポイント



新卒採用で重要なのが求人情報の作成です。ナビサイトや就活関連サービスで求人情報を入稿したことのある人事担当者も多いのではないでしょうか。

企業の知名度や市況感に関わらず、学生から応募が来やすい求人とそうでない求人がありますが、応募が来ない求人とはどのようなものでしょうか?今回は求人に応募が来ない原因と、改善ポイントについてご紹介します。

目次

応募が来ない原因と改善①求人媒体と時期

求人媒体が適切ではない

応募が来ない要因の一つとして、現在利用している求人媒体が適切ではない可能性があります。求人媒体ごとにターゲット(媒体を利用する求職者)の層が異なるため、自社の求人ターゲットに合っていない求人媒体を選択してしまうと、求人に応募が来ないまたは欲しい人材の応募が来ないという状況になってしまいます。

求人媒体によっては広く求職者を受け入れていても、実際には一部の層のユーザーしか使っていないことがあります。求人媒体を選ぶ際はどのような求職者が登録しているのか実際にアクティブなユーザーはどのようなユーザーかを事前に確認しておくと良いでしょう。


求人を出す時期が適切ではない

媒体が適切でも、求人を出す時期が間違っていると応募が集まりません。求職者の就職活動には、時期によって活動が活発な時期とそうでない時期があります。例えば、中途採用では年度の節目となりやすい3~4月は求職者が増える傾向があり、逆に社内が忙しくなる11~12月は求職者が減る傾向があるなどの特徴があります。

こういった時期による就職活動の変化は業界などによって変わるため、自社の業界ではどの時期に求職者の活動が活発になるのかを事前に確認して、求人を出すタイミングを見極めるようにしましょう。


応募が来ない原因と改善②求人内容が魅力的でない

求職者のニーズを理解していない

媒体や時期に問題がない場合、求人内容そのものに問題がある可能性があります。採用ターゲットとなる求職者が仕事内容や職場環境に何を求めているのかをもう一度整理して、求職者のニーズに沿った求人内容にすることを意識しましょう

特に、給与・勤務時間・休日・福利厚生などは働き方に大きく関わってくるポイントです。求職者のニーズとずれていると応募が大幅に減ってしまう恐れがあるため注意しましょう。


市場の相場とズレている

次に、求人内容が同じ業界・職種における市場の相場とズレていないかを確認しましょう。採用担当者自身が経験したことのない職種においては、市場の相場への理解が浅いため相場より低い給与・報酬設定にしてしまう可能性が高いです。

ネット上の情報は鵜呑みにせず、同じ業界・職種での業務経験がある社員もしくは知り合いに意見を聞いたり、他社の人事担当者との情報交換を通じて様々な職種の市場理解を深めると良いでしょう。


競合他社と比較した際に見劣りする

求職者のニーズに合致しており市場の相場ともズレていない求人内容を作成したが、それでも応募者が来ないという場合は、競合他社の求人に求職者が流れてしまっている可能性が高いです。まずは、自社のターゲットとなる求職者が他にどのような会社の求人を見ているのかを把握しましょう

例えば自己成長できる環境を重視する学生がターゲットなら、求人を掲載するサイト内で「自己成長」というキーワードで検索をかけてみましょう。他にも「人気のある同業他社を目指す学生」ならばその企業の求人との比較、「海外で働きたい学生」ならば「グローバル」「海外勤務あり」などの条件でヒットする求人との比較ができます。きっと学生も同じように比較し、応募する企業を選んでいるはずです。

その上で、例えば「初任給」「休暇制度」などの待遇面で見劣りする項目がある場合、「年収モデルケース」や「休暇以外にアピールできる人事制度」など、補足すれば解消できることもあります。

また、求職者が求人を探す際、似たような条件の求人を何度も見ることになるため、他の求人よりも魅力的なポイントが1つでもある求人は求職者の目に留まりやすいです。他社の求人をしっかりと調査した上で、比較した際に見劣りしないよう特徴的なポイントを作ると良いでしょう

応募が来ない原因と改善③求人情報が分かりづらい

情報量が少ない

シンプルすぎる求人になっていませんか?魅力的な求人内容であっても、それが求職者に伝わらなければ意味がありません

求人情報には、会社概要・待遇・研修制度などの最低限記載が必要な項目がありますが、例えば研修制度について、「新人研修あり」と記載するのと「新卒入社後は社会人の基本的なビジネスマナーから業界知識を約一ヶ月かけて習得し、その後配属先でのOJTがはじまります。また、個人のキャリア志向に合わせた任意参加の研修を月に一回開催しています」と記載するのでは、後者の方がより具体的に研修制度の方針や内容が理解できます。

他にも、例えば休暇制度について「有給休暇、慶弔休暇あり」だけでなく、「有給休暇、慶弔休暇あり。○○年度の有給休暇消化率は○○%、仕事とプライベートにメリハリをつけて働く社員が多く活躍しています」など、実績のデータを記載すると求職者の納得感を得られます。

一つ一つの項目に、自社ならではの特徴やアピールできる実績がないかを考え、公にできる情報は積極的に記載しましょう。学生が具体的なイメージができれば、応募を喚起することができます。


写真がイマイチ

求人情報入稿の際、ついついテキストに気を取られてしまうことも多いかもしれませんが、第一印象を決める大きな要素のひとつが写真です。とある求人サイトでは、求人に添付されている画像の内、「チームメンバー全員が写っている写真」「社員2~4人が写っている写真」「企業理念やコピーなどのテキストが入った写真」の順で応募数が多かったというデータがあります。

ロゴやイメージ画像を見るだけでは、求職者も働くイメージが湧きません。また、新卒採用の求人ですから、ベテラン社員よりも若手社員が写っている仕事風景の写真をピックアップすると、新人が働くイメージを持ってもらえるでしょう。

写真ひとつで応募数が変わるほど写真は重要であることを認識し、社員が写っている仕事風景の写真を積極的に使用するようにしましょう。


テキストが長すぎる

とくに「企業理念」や「事業内容」の項目で、企業サイトからそのまま引用したような長文のテキストを目にすることがよくあります。企業サイトは、その企業に興味がある、もしくはもっと詳しく知りたい人がアクセスする場ですが、求人情報は全く知らない人の興味を引き出すように情報提供をする場です

求職者の大半はスマートフォンで情報収集をしていることもあり、長々と企業理念や事業内容を記載しても、読み飛ばされることのほうが多いでしょう。

まずは求人情報内で読みやすく簡潔なテキストで興味を喚起し、その後企業サイトで深く知ってもらう、という流れを想定して求人情報のテキストを考えると良いでしょう。また、スマートフォンのプレビューを確認できるのであれば、文字数や読みやすさを一度確認することをお勧めします。


専門用語や抽象ワードを多用している

例えば「国内最大のリソースで、お客様のあらゆるニーズを組み取り、 幅広くマーケティングソリューションを提供する会社です」のような文章。抽象的な言葉や専門用語が多いと、読み手に正確な意味が伝わらず読み飛ばされてしまいます

中途採用ならばある程度の業界知識のある人が求人を閲覧することが多いですが、新卒採用の場合、学生は様々な検索条件やレコメンド機能を介して知らない業界の求人にも目を通すことが多くあります。BtoBビジネスを展開する会社は特に、”一言で言うとどんな会社なのか”がすぐに分かるようなキャッチや説明を入れるようにしましょう。「なにをやっている会社かよくわからない」求人情報では応募には至りません。

最後に

こうして振り返ると、学生向けの求人情報は「いかに学生に入社後のイメージと安心感を与えられるか」にかかっていると言えます。求人情報は、単なる「情報のまとめサイト」ではなく、「自社のことを魅力的にプレゼンする編集記事」だと思って、読み手に伝わる原稿になることを心がけましょう。


この記事を書いた人
ちなつ
ちなつ 東京都
新卒でIT企業の人事部に配属後、新卒・中途採用および研修を担当。約4年間、採用戦略設計から母集団形成、選考、内定者フォロー、研修までを一貫して経験。採用イベントや選考で年間数百名の学生と接する中で得た知見、就職活動のリアルな情報を発信します。

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